11月5日(火)、味の素ナショナルトレーニングセンターにて女子日本代表の公開練習が行われた。
第11次合宿の今回は、11月14日~17日の期間でマレーシアにて開催される「東京2020オリンピック競技大会プレクォリファイングトーナメント」に向けたもの。そのため、選手も大会に参加する12名が集まり11月1日から活動を開始している。
プレクォリファイングトーナメントは、2月のクォリファイングトーナメント(世界最終予選)に出場するためのアジア予選という位置付けで、アジア・オセアニアの8チームが2グループに分かれて戦い、各グループ上位2チームが東京オリンピックのクォリファイングトーナメントへと進む。日本はすでにオリンピック開催国として出場権を獲得しているものの、この大会と2月の五輪予選への出場が義務付けられている。
中国、韓国、ニュージーランド、フィリピン(ニュージーランド開催)
日本、オーストラリア、チャイニーズ・タイペイ、インド(マレーシア開催)
今回のメンバーは、4連覇を達成した「FIBA 女子アジアカップ 2019」(9月24日~29日)から6名が入れ替わり、梅沢カディシャ樹奈(JX-ENEOSサンフラワーズ)に宮下希保(アイシン・エィ・ダブリュ)といった若手選手たちが名を連ね、さらには長年日本代表を引っ張ってきた吉田亜沙美(JX-ENEOS)が2年ぶりの復帰となった。
「アジアカップに優勝したからこそ、今回は若い選手や吉田を見てみたかったです」とトム・ホーバスヘッドコーチ。メンバー選考に関してはトライアウトの要素もあり、そのためアジアカップに出場していたメンバーで今回は出場しない選手も“外れた”という意味合いではなく、「ケースバイケースだった」と指揮官は言う。
例えば、ガードの町田瑠唯(富士通レッドウェーブ)に関しては「町田のバスケットはもう分かっています。彼女はこのチームのキーマン。だけどこの前のアジアカップではあまりシュートを打たなかった。でも、今は富士通でシュート打っている。それはいいことなので、このまま富士通で継続してもらい、日本代表に戻ってきた時には打てるようになっていてほしい」と語り、他にも疲れや足の故障などの影響が少なからずある選手には無理に招集していないとも語った。逆に今回は、宮下のように「Wリーグで頑張っている」(ホーバスヘッドコーチ)若手を中心にチャンスを与えているといったところだろう。
それだけ今後に期待のかかる選手が多いということでもあるが、日本はすでにオリンピック出場を決めて、アジアカップでも優勝と一つの結果を残していることも大きく、今大会ではメンバー選考から実戦のプレーまでいろいろと試すことができる機会でもある。
「長い目で見てのレベルアップ、新しいプレーやガードやセンターのコンビネーションなどを深めるなどいいチャンスです」とホーバスヘッドコーチ。とはいえ、出場するからには「勝つのは当たり前。オーストラリアに勝ちたいですね」とも力強く語った。
また、得点源の渡嘉敷来夢(JX-ENEOS)は「インサイドでのプレーを求められているので、大きい選手にどれだけひるまずに行けるか、行くところは行く、パスをさばくところはさばくというのを身に付けたいし、駆け引きができるようにしたいです」とコメント。
2年ぶりの復帰となった吉田も「ゲームコントロールとパスは持ち味だと思うので、ブランクがある中でどれだけ通用するかを自分自身楽しみたいです。後は外角シュートもリーグ中もそんなに打っていないので、そこはやっていきながら、どのタイミングで打てるか、どのシュートセレクションがいいかなどをまだ分かっていない分、試していきたいです」と大会に向けて意気込みを語った。