2020.01.24

女子日本代表候補に初選出された東藤なな子(トヨタ紡織)「新しい風を起こせるように、強気で頑張ります」

Wリーグではすでに活躍を見せている東藤[写真]=兼子愼一郎
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 2月6日から9日の期間でベルギーのオステンドにて開催される「FIBA東京2020オリンピック予選大会」に向け、女子日本代表が第12次合宿を開催している。

 今回の合宿で招集された候補選手は14名。大﨑佑圭(日本バスケットボール協会所属)のサプライズ復帰に加え、新戦力選手たちにも注目が集まる。特に初選出となったトヨタ紡織サンシャインラビッツの東藤なな子は、チーム最年少の19歳。ルーキーではあるが、Wリーグでは3位(12月29日現在)に位置するチームの躍進に貢献しており、ここまで1試合の平均得点は14.14と得点ランキングでも1年目ながら6位に付けている。

 昨年夏には「FIBA U19女子バスケットボールワールドカップ2019」に出場。エースとして得点やリバウンドだけでなく、体を張ったディフェンスでも奮闘した。

 そんな東藤に初めてトップの日本代表候補入りを果たした今の思いを聞いた。

――日本代表候補に選出されたと聞いた時はどんな思いでしたか?

東藤 最初は緊張や不安など、マイナスの考えしかなかったです。大会に向けてのチーム作りの中での“選考”という感じなので、(日本代表の)初心者がいてチームに迷惑を掛けないかなと。そう思いながらやっていたら、トヨタ紡織での練習もままならなくて…。『こんなことしてるようではダメだって』追い込まれていました(笑)

――日本代表のプレッシャーがトヨタ紡織の練習にも影響したと。

東藤 はい(笑)。でも、途中で自分の中で整理して、『こんな経験は誰もができるわけではないし、自分の夢に近づけるチャンスだから無駄にしないで、ちゃんとものにしないとダメだな』と思うようになりました。

――今回の合宿はトライアウトでもあります。どんなところでアピールしたいですか?

東藤 トムさん(ホーバスヘッドコーチ)は、1対1やディフェンスのフィジカルを評価してくれているので、そこはもちろんアピールしていきたいです。それと、アンダーカテゴリーの日本代表を経験して、スピードやフィニッシュの力も付いたと思うので、世界で戦うということに関してはそこも意識して出していきたいです。

――昨年夏のU19女子ワールドカップで手応えを感じた?

東藤 自信になりましたね。私は日本でやるより世界の方がいいのかなって(笑)。日本人は脚力があるので、ディフェンスでもついてくるので。

――そうは言いながら、国内、Wリーグでも結果を残しています。

東藤 それは紡織のみなさまのおかげです。ヘッドコーチ(中川文一)も私の好きなようにやらせてくれているし、周りもコミュニケーション取りながら私の好きなことをやらせてくれている。すごくやりやすいです。

練習では一つ一つのメニューに全力で取り組んでいた[写真]=兼子愼一郎

――今回はトヨタ紡織の仲間の分もという思いもあるのでは。

東藤 トヨタ紡織の代表として参加しているし、紡織のバスケットを出すというわけではないけれど、紡織らしさは出していきたいなと思っています。

――日本代表での練習は2日目を終えたところですが、どんな感想ですか?

東藤 今はセットプレーを覚えるので頭がいっぱい。付いていくのに必死と言う感じではあります。

 でも、練習の時に吉田さんにマークする時があるのですが、その時は毎回『すごいな』と思います。やりながら『こうやってるんだ』『こんな感じなんだ』と気付くことがあって。すごく刺激になっているので、『来てよかった~』って思っています(笑)。やっぱり体感して学ぶのは大事だと思うので、こんな間近で見て、体感できることはないですよね。

――では、今、いろんなものを吸収しているわけですね。

東藤 はい。スポンジ状態です(笑)。すべて自分のものにしたいですね。

――札幌山の手高校の先輩にあたる選手もいます。お姉さんたちは優しいですか?

東藤 みんな優しくてビックリです。迷惑を掛けるだろうなと思っていたのですが、そんなことはなく、みんなが声を掛けてくれるし、本当に優しい。そういったところでもトップの方たちはすごいなと感じます。

東藤にとって、吉田とのマッチアップは吸収することが多いようだ[写真]=兼子愼一郎

――チーム最年少です。
東藤 失うものはないので、自分らしさを出すこと。迷ってパスとかではなく、迷ったらゴールに向かう。新しい風を起こせるように、攻め気、強気で頑張ります。

 高校を卒業する時にコーチや保護者の方たちの前で『まずは東京オリンピックを目指します』と言いました。このチャンスは無駄にしたくないなと思っています。

文=田島早苗

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