2021.05.21

“カリー似”の駆け引きから3ポイントシュートを放つ、女子日本代表の林咲希

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「シューターとして買われていますが、この合宿ではそれを表現できていると思うので、個人的にはいい流れで来ていると思っています。ここから下がらないように、高い意識を持ってやっていきたいです」

 第4次強化合宿中の女子日本代表。ENEOSサンフラワーズの林咲希は、ここまでの合宿についての感想をこう語った。

 林は、今季のWリーグでは(2020-21シーズン)、47.69%という高い数字を残して3ポイントシュート成功率で1位となった実力派。日本代表では2年前に行われた「バスケットボール女子日本代表国際強化試合2019 三井不動産カップ」の初戦で3ポイントシュート5本を沈めると、昨年2月の「FIBA東京2020オリンピック予選大会(OQT)」でもベルギー戦で8本の3ポイントシュートを決めるなど大きなインパクトを残した。

「難しいことは考えずに空いたら打つこと。なおかつそこでシュートを決められるかどうかが、日本代表に選ばれるかどうかのカギになります。今の時点ではいい具合ですが、(今後も)6~7割決められるように頑張っていきたいです」と林。

 何でも、女子日本代表のトム・ホーバスヘッドコーチからは、『ボールをもらう前の動きや相手をだます動き』がステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)に似ていると言われたようで、「自分では意識していなかったけれど、そこからカリー選手の動きなどを見るようになりました。それで『こういう選手になりたいな』と思い始めたのが、ついこないだです(笑)」と笑顔を見せる。

 林自身、「私は(その場に)ステイしてボールをもらってシュートを打つというよりは、相手(ディフェンス)とのズレを作ってシュートに持っていくのが得意」と語っていることからも今季のNBA得点王との共通点は多いのかもしれない。

 そんな林も現在は高レベルのプレーを見せる選手たちが集う日本代表の中で、チーム内の争いに身を置いている最中。その争いを勝ち抜くポイントとして「ヘッドコーチであるトムさんの考えているプレーを忠実にやることと、武器である3ポイントシュートをどこで出せるかということを考えながら動くことが重要だと思います」と語った。

 東京オリンピックに向けた強い思いは持っているものの、「まずは(メンバーに)選ばれることが大事なので、先のことではなく、今はできる限りのことを出し切って、日本代表に選ばれてから、またレベルアップしていけたらいいかなと思っています」と言う。

「若い選手などいろんな選手が選考会(強化合宿)に来ているけれど、絶対に負けないという気持ちで練習しています」というシューターは、先を見過ぎず、目の前のことに全力を尽くす構えだ。

要所で3ポイントシュートに期待がかかる林咲希[写真]=日本バスケットボール協会

取材・文=田島早苗

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