2021.05.22

五輪の舞台で「スーパースターに」と日本の指揮官が期待を寄せる赤穂ひまわり

日本代表の中心選手として奮起する赤穂ひまわり[写真]=日本バスケットボール協会
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「うちのチームは毎年、誰かがステップアップしていますが、スーパースターになりそうな選手かなと思っています。オリンピックという大きなステージで世界デビューをできそうな気がしています」

 女子日本代表の指揮を執るトム・ホーバスヘッドコーチから、このように高い評価を受けているのがデンソーアイリスの赤穂ひまわり選手だ。

 赤穂は、昭和学院高校(千葉県)からデンソーに入団。1年目からスターターを担い、4年目となった今シーズン(2020-21)は、その活躍が認められ、ベスト5(フォワード)にも選出された。

 日本代表では4連覇を達成した「FIBA 女子アジアカップ 2019」や昨年2月の「FIBA東京2020オリンピック予選大会(OQT)」で全試合スターターとして出場。185センチという高さに加え跳躍力やスピードも兼ね備えた大型のシューティングガードとして存在感も増している。

 公式のオンライン取材に応じたホーバスHCは、さらに赤穂について「バスケットIQも高く3ポイントシュートも良くなったことで、オフェンスのバランスも良くなりました」と語る。『世界レベルだと思うプレーは』という問いには「ドライブとディフェンス」を挙げた。

 そのドライブに関し赤穂本人は、「今まではドライブに行こうと思い過ぎて、(外角)シュートを打てる時なのにドライブに行って潰れてしまうなど、状況判断が上手くいってませんでした。でも、最近は『3ポイントシュートを開いたら打とう』と意識してやっていたことでドライブが行きやすくなったのかなと思います」と言う。さらに「日本にはいいシューターがそろっているので、中に切れ込んで、(自分が)フィニッシュに行く時と外にキックアウトする時とを意識しながらやっています」とも加えた。

「リバウンドとディフェンスについては、ずっと求められているということは自覚しています」という赤穂は、現在、ホーバスHCからリーダーシップも求められているようで、「声をドンドンかけるようにと言われています。トムさんのバスケットに対する経験は少ない方ではないと思うので、まだ全然できていないですが、声を出していかないといけないと思っています」と語る。

「スタートの人たちにケガ人が増えてしまい、私はスタートの中でも若い方だったと思うのですが、今は若いことを言い訳にせずに自覚を持ってやれているのかなと思います」という発言には頼もしさを感じさせる。

 一方で、今後に向けては「まだ選考が終わったわけではないので、(メンバー)選考中にやるべきプレーを出して、まずは12人に選ばれること。オリンピックに出た人たちからは『特別なもの』と聞いているので、楽しみにしながら頑張りたいです」と冷静に語った。

 指揮官からスーパースター候補生と期待されている22歳。今夏に控える大舞台に向けて、これからもスケールの大きなプレーに磨きをかけていく。

「今は持ち味を出せていて手応えを感じています」と赤穂[写真]=日本バスケットボール協会

取材・文=田島早苗

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