2021.07.31

自信に満ちたプレーでけん引する町田瑠唯「積極的にアタックしておくことが大事」

アメリカの堅固なディフェンス網を切り裂いた町田瑠唯 [写真]=Getty Images
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 7月30日、女子バスケットボールの予選ラウンドが行われ、日本代表は86−69でアメリカ代表に敗れた。

 金メダルを目指す女子日本代表にとって、これまで6大会連続で頂点に立っているアメリカは絶対に破らなければならない相手。そのアメリカと日本は同じグループBに抽選で入ったが、エースの渡嘉敷来夢(ENEOSサンフラワーズ)を欠く陣容で臨む日本代表だけに、女王とどのくらい戦えるのかを、実際に肌で確認しておくには格好の顔合わせとなった。

 この試合、ティップオフから積極的なプレーを見せたのが町田瑠唯(富士通レッドウェーブ)だ。アメリカのディフェンス網を向こうに回し、町田はしばしばペイントエリアに侵入。相手のディフェンスのすきを突くドライブで得点を挙げれば、マークが自分に寄ったとみると、コーナーのシューター陣にキックアウトのパスを送る。それに呼応したシューター陣が3ポイントを決め、一時はリードを奪うことができた。

 これまでもパス回しには定評があった町田だが、自身で得点を取りいく積極性がないと、日本のトム・ホーバスヘッドコーチは不満を漏らすこともしばしば。しかし、ここに来て、日本の司令塔として自覚が芽生えたのか、自信に満ちたプレーを見せるようになった。町田はこの試合、髙田真希(デンソーアイリス)の15得点、オコエの11得点に次ぐ9得点をマーク。さらにアシストは両チーム最多の11本を数えた。

司令塔としてチームを引っ張る町田 [写真]=fiba.com


 その町田の試合後のコメントを日本バスケットボール協会(JBA)が掲載しているので紹介したい。

「相手が大きいのでスイッチディフェンスをされたときに、しっかりリングにアタックしてシュートチャンスを作ることを意識して試合に入りました」と町田は振り返り、試合前のイメージどおりにプレーできたこと示した。一方「前半は日本のペースになりつつあったのですが、イージーシュートやノーマークでの3ポイントシュートが入らず、逆に相手はシュート確率を上げてきて、そこで差がついてしまいました。もう少し、走れる部分があったと思います」と反省点を言及。

 また前回のリオオリンピックでもアメリカとは対戦しているが、その試合との比較を聞かれると、「リオのときも日本の3ポイントシュートやスピードは通用していました」とコメント。さらに「今のチームはもっと速いバスケットを目指しています。それを第1クォーターや前半だけではなく、40分間を通して全員走っていけるようにしていきたいです。点差は開いてしまいましたが、感覚としては勝てない相手ではないとすごく感じました。次に対戦したときには、しっかり勝ち切りたいです」と、前を向いた。

 最後に次戦のナイジェリア戦へ向けて力強く決意を述べた。

「ナイジェリアも高さやパワーがあり、アグレッシブなディフェンスをしてきます。そのプレッシャーに負けないように、積極的にアタックしておくことが大事です。アグレッシブなディフェンスで相手のリズムを崩して、自分たちのペースに持っていけるようにしたいです」

 1勝1敗の日本にとって、決勝進出に向けてナイジェリア戦は負けられない一戦。それだけに町田のプレーに注目が集まる。

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