2021.10.05

主将として若いチームをまとめあげた林咲希「みんなに感謝です」

女子日本代表のキャプテンを務めた林咲希[写真]=fiba.com
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 10月3日、「FIBA女子アジアカップ2021」決勝が行われ、日本代表(FIBAランキング8位)は中国代表(同7位)と対戦。一進一退の激闘の末、78−73で勝利し、大会史上初となる5連覇を達成した。

 決勝戦の翌朝、キャプテンの林咲希(ENEOSサンフラワーズ)が記者会見に出席。「この新しいチームで金メダルを取れたことはうれしく思います。オリンピック終わってからの大会だったので、正直ホッとしています」と安堵の表情を見せた。

 今夏行われた東京オリンピックで銀メダルを獲得し、世界中にインパクトを与えた女子日本代表。それだけに、否が応でも期待が集まる今大会だったが、「オリンピックのことはあまり意識していなかった」という。

「新体制で臨んだ大会だったのでプレッシャーもそこまでなかった。このチームでどれだけ進んでいけるか、どんな結果を残せるかとワクワクした大会だった。オリンピックメンバーとか関係なく、選手一人ひとりがこのチームで勝ちたいという思いが強かったので、優勝につながったと思います」

 今大会は、東京オリンピックでキャプテンを務めた髙田真希(デンソーアイリス)や町田瑠唯(富士通レッドウェーブ)がメンバー外に。平均年齢わずか23歳と若手中心で臨んだ。若いメンバーをまとめる大役を任された林は、「キャプテンとしてどうやってみんなを引っ張っていくかを考えながらやっていました」と大会を通じて試行錯誤を重ねた。

「最終的にこのチームで勝ちたいという気持ちが本当に強かった。インド戦以外はどの試合もしんどい時間帯が多かったので、勝つということだけを考えた。何がなんでも点を決めてやるとか、走ってどうにか自分たちの流れに持っていこうと思ってずっとやっていました。なので、勝ち切る力をつけられたのが今大会の収穫だなと思っています」

 林の代名詞は高精度の3ポイントシュート。東京オリンピックでは勝負どころで決め切るなど重要な局面で沈めてきたが、そのため厳しいマークが集中してしまい、今大会では満足に打てなかった。自らの武器を封印されてしまう形となったが、そのぶんディフェンスなど献身的なプレーで貢献し続けた。

 「3ポイントは打たせてもらえなかったけど、それでも落ち着いてプレーできていた。チーム全員が焦ることなく、優勝する瞬間まで気を引き締めて戦うことができたのがすごく良かったなと思います。みんなに感謝ですし、よく頑張ったねと伝えたいです」

 5連覇というプレッシャーを跳ね除け、キャプテンとして優勝まで導いた林。苦しみながらも大会を通じて成長し続けたが、チームとしても個人としても課題は山積みのようだ。

「個人的にはもうちょっとボールに絡む部分、絡まない部分と駆け引きを上手くなりたいなと思っている。ボールがもらえない時に、カッティングとかでいいリズムを持って来れるかを、試合を振り返りながら考えていきたいです。チーム的には今回踏ん張れた大会だったんですけど、もっと離せる場面や自分たちに流れが来た時に、そのまま引き離すリズムをどうやって作るかがこれからの課題になっていくと思います」

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