2022.06.18

これまでの対戦成績は2戦2敗…ディフェンスに定評のあるトルコに対して日本はいかに戦うか!?/三井不動産カップ

三井不動産カップ2022で対戦する日本とトルコ[写真]=Getty Images, fiba.com
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「三井不動産カップ2022(千葉大会)バスケットボール女子日本代表国際強化試合」が、いよいよ6月18日(土)、19日(日)に開催される。

「FIBA女子バスケットボールワールドカップ2022」(9月22日〜10月1日)に向けて強化中の日本。今回の三井不動産カップは、千葉ポートアリーナ(千葉市)を舞台に、女子トルコ代表と対戦する。相手となるトルコは、FIBAランキング9位のチーム(日本は8位/2月15日時点)。日本は、公式戦ではトルコと過去に2度対戦しているが、いずれも敗戦となっている。

 最初の対戦は2012年のロンドン・オリンピック世界最終予選(以下OQT)。この大会はトルコの首都アンカラで開催され、日本は予選ラウンドでトルコと対戦。試合は、第1クォーターを8得点に抑えられたことが響いてしまい、49-65で敗れた。

 2度目の対戦は、それから約4年後の2016年、リオデジャネイロ・オリンピック。同じグループAに属し、予選ラウンドの3戦目で対戦した。このときも第1クォーターで9-24といきなり15点のビハインドを負う展開に。第2クォーター以降は互角の戦いとなったが、リードをキープしながら試合を進めていくトルコの前に62-76で黒星を喫した。このオリンピックでは日本が8位、トルコは6位となっている。

 今回の三井不動産カップに臨む日本選手の中で、この2大会に参加していた選手は少ない。2012年のOQTは髙田真希(デンソーアイリス)のみ。トルコ戦では37分の出場で11得点7リバウンド3アシストを記録している。

 2016年のリオデジャネイロ・オリンピックでは髙田、そして宮澤夕貴(富士通レッドウェーブ)が参戦。しかし、宮澤はトルコ戦は不出場。髙田も16分の出場時間で2得点4リバウンドに留まっている。

リオ五輪で対戦した日本とトルコ。当時の試合には髙田らが出場していた[写真]=Getty Images


 トルコは、2012年のロンドン・オリンピックで5位。2014年の母国開催となった「FIBA 女子世界選手権」(現ワールドカップ)では4位入賞を果たしており、この頃が世界大会でもメダルを狙える位置にいたといえる。その後、リオデジャネイロ・オリンピックで6位、2018年の「FIBA女子バスケットボールワールドカップ2018」では9位に。そして昨年の東京オリンピックと今年のワールドカップはヨーロッパを勝ち抜くことができず不出場となっている。

 長身選手とスキルの高いガードなど、バランス良い布陣で世界の中でも存在感を発揮してきたトルコ。平均年齢30歳で挑んだ2018年のワールドカップ以降は、徐々に世代交代が進み、昨年の行われた「女子ユーロバスケット2021」では、14位に終わった。だが、14位といえど、その大会では3位となったベルギーに2点差の接戦を演じるなどその力の差は紙一重ともとれる。今年6月上旬に行った女子セルビア代表との親善試合では、2戦とも敗れはしたものの僅差を試合を演じている(1戦目70-75、2戦目55-56)。実力伯仲のヨーロッパにおいて、やはり侮れないチームだ。

 トルコのこれまでの戦いを見ると、ロースコアの展開を得意としており、ディフェンスには定評があるチーム。特に4位となった2014年の女子世界選手権では、フランス、カナダ、モザンビークと対戦した予選ラウンドで一試合平均失点が48.67点という数字を残している。

 日本の指揮を執る恩塚亨ヘッドコーチも、「トルコはディフェンスが素晴らしいチーム」と評する。その上で「その(トルコの)ディフェンスを私たちのオフェンスのアジリティで上回ることができるか。そういった視点でゲームをしたいです」と三井不動産カップでの抱負を語った。

 恩塚ヘッドコーチ体制となってからは、選手が相手の状況に応じて判断し、プレーするスタイルを構築してきた日本。秋にワールドカップが控える中、トルコとの2試合はその進捗具合や成果を確認する場となる。もちろん、トルコにはこれまでの対戦で敗れているだけに、勝利も確実につかみたいところだ。

文=田島早苗

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