「FIBA女子バスケットボールワールドカップ2022」（オーストラリア・シドニー開催）に出場している女子日本代表。9月25日にはグループフェーズ（Bグループ）の第3戦に臨み、カナダと対戦した。

　試合は、第1クォーターから相手にバランス良く得点を許し、ビハインドの状態に。日本は第2クォーター以降も自らのミスなどで波に乗れず、逆に安定した強さを発揮するカナダの前に点差は広がっていくばかりとなる。それでも、第4クォーター序盤には連続得点で巻き返したが、最後は56ー70で敗れ、大会成績を1勝2敗とした。

　試合後、ミックスゾーンにてメディアの質問を受けた恩塚亨ヘッドコーチは、56点にとどまり、得点が思うように伸びなかったことに対して「ポイントガードに対する（相手の）プレッシャーで、ガードがゲームを作るところで停滞してしまいました。また、そこに対する適応も遅れてしまったり、慌ててしまったりして、リズムを失ってしまったことが大きなポイントとしてあると思います」とコメント。

　さらに、「ボールマン以外のサポートであったり、次のオフェンス、息が詰まらないようなアクション、プレーを準備して臨んだのですが、そこでも慌ててしまい、息が合わずにチャンスを取り損ねてしまいました」とも付け足した。

カナダのフィジカルなディフェンスに苦しみ、オフェンスのリズムをつかめなかった日本[写真]=Getty Images

　カナダ戦では27分34秒の出場で11得点と気を吐いたキャプテンの髙田真希（デンソーアイリス）は、試合をこう振り返る。

「自分たちのミスと、リバウンドのところで少しずつ点差を離されてしまい、なかなかリズムをつかめませんでした」

　また、堅いディフェンスから勝機を見出したかった日本だが、終わってみればカナダに70点を献上。これについても髙田は、「プレッシャーをかけて、ヘルプでしっかり中に寄るというのは意識していました。でも、（試合の）最初の方で、ボールに対して仕掛ける動きが、相手のボールキープもあったことで、2人がディフェンスにいってしまい、中が空いてしまいました。あと、1対1のところでも結構やられてしまったので、そういったところをアジャストしきれなかったと思います」と語った。

カナダのオフェンスにアジャストしきれず、得点を抑えることができたのは22点ビハインドで迎えた第4クォーターのみとなった[写真]=Getty Images

　攻防においていくつもの課題が浮き彫りとなっているが、それでも大会は進んでいく。グループフェーズはあと2試合。気持ちの切り替えが必要だからこそ、今大会で4大会連続出場となるキャプテンの髙田は、「一つミスが起きてしまうと、そこから慌ててしまったり、落ち着きがなくなったりしてしまうので、自分がコート出ているときは、（チームの徹底することを）率先してやっていかなくてはいけないと思います。そこがまだまだ自分たちの足りないところです」と、自分自身に言い聞かせるように言葉を発した。

「相手がどうこうというよりも、自分たちのミスを少なくしてリバウンドを全員で取り切るところが重要になってくると思います。一つも落とすことができないのでしっかり次に向けて頑張りたいです」と髙田。

　崖っぷちの状況となったが、チャンスが潰えたわけではない。キャプテンを筆頭に12名の精鋭たちは、今日（26日）、大きなカギを握るフランス戦へと挑む。運命の一戦のティップオフは現地時間16時、日本時間は15時だ。

取材・文＝田島早苗