2019.07.23

車いすバスケ男子日本代表、MWCC連覇で2020メダル獲得へ

8月下旬の「三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP 2019」に臨む車いすバスケットボール男子日本代表 [写真]=斎藤寿子
新潟県出身。大学卒業後、業界紙、編集プロダクションを経て、2006年よりスポーツ専門ウェブサイトで記事を執筆。車いすバスケットボールの取材は11年より国内外で精力的に活動を開始。パラリンピックは12年ロンドンから3大会連続、世界選手権は14年仁川、18年ハンブルク、アジアパラ競技大会も14年仁川、18年ジャカルタの各大会をカバーした。

 7月22日、都内で車いすバスケットボール男子日本代表国際強化試合「三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP 2019」(MWCC)の開催記者発表が行われた。「日本代表の強化」、「国際審判員やボランティアを含めた運営スタッフの育成」、「2020年に向けてのムーブメント拡大」の3つを主なテーマに掲げ、2017年にスタートしたMWCCは今年で3回目。オーストラリア、イラン、韓国の3カ国を迎えて、8月29日から9月1日の4日間にわたって行われる今大会、日本は前回大会に続く全勝での連覇を目指す。

「世界のベスト4」オーストラリア、イランと激突!

「思い返せば、昨年は2020で思い描いているシーンのような感動的な大会となった」

 会見の冒頭で、及川晋平ヘッドコーチはこう1年前の前回大会を振り返った。

日本代表を率いる及川HC [写真]=斎藤寿子

 昨年、オーストラリア、カナダ、ドイツの3カ国との予選リーグを一つも落とすことなくトップ通過し、オーストラリアとの決勝でも勝利を挙げて、日本は“全勝”という最高の形で大会初優勝を達成した。

 3日間での観客数は、約1万2800人を数え、決勝では「大勢の観客に背中を押していただいた」と指揮官が語るとおり、大歓声が響き渡る中で優勝を遂げたシーンは、日本代表の強化とともに2020年に向けたムーブメント拡大の実現へと着実に進んでいることが示された。

 しかし、その2カ月後に行われた8月の世界選手権で日本は「ベスト4以上」という目標を達成することができなかった。予選リーグでは当時ヨーロッパ王者だったトルコを破るなど、世界の強豪国にも勝つ力を身につけたことを証明したものの、決勝トーナメント1回戦で2016年リオデジャネイロパラリンピックで銀メダルのスペインにわずか2点差で敗れた。

 一方、日本が目標としていた「ベスト4以上」という結果を残したのが、オーストラリア(3位)とイラン(4位)だった。

「世界でベスト4のイランに勝って、日本にその力があることを証明する」ことを最大の目標として臨んだ昨年10月のインドネシア2018アジアパラ競技大会では、決勝でイランに2点差で敗れた。

 来年の2020年東京パラリンピックまで、公式戦ではそのチャンスは残り1回。今年11月27日から12月8日にタイで開催される「アジア・オセアニア・チャンピオンシップス」(AOZ)だ。MWCCは、その大事な前哨戦とも言える。

「昨年、僕らは世界選手権、アジパラと悔しい思いをしてきた。だから今大会では韓国も含めて3カ国すべてに勝って、AOZ、そして来年の東京パラにつなげたい」と香西宏昭は意気込む。

2020年東京パラリンピックを見据えるエースの香西宏昭 [写真]=斎藤寿子

 今年のテーマは“地力”と“粘り強さ”という男子日本代表。「少しずつ地力がついてきていると感じているので、最後まで粘り強く戦って、勝ち切れるようにすることが成長につながる」と及川HC。MWCCでは、その強い姿を日本の車いすバスケファンに披露する絶好のチャンスとなる。

文・写真=斎藤寿子

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