8月29日から9月1日にかけて武蔵野の森総合スポーツプラザで開催される「三菱電機 WORLD CHALLENG CUP 2019」。3回目を迎える今年、及川晋平ヘッドコーチ率いる男子日本代表は、オーストラリア、イラン、韓国と対戦する。ここでは6人の男子日本代表注目選手を紹介する。3人目は秋田啓（岐阜シャイン）。

　U23世代の台頭ともに、この選手なしに現在の日本の強さはないと言っても過言ではないだろう。身長190センチ超の高さを武器とする秋田啓だ。

　日本のセンターと言えば藤本怜央（宮城MAX）ほぼ一人に頼っていた時代が長く続いた日本代表としては、秋田の存在は大きい。高さがある上に持ち点が3.5である彼の台頭によって、日本のラインナップによりバリエーションが出たことは間違いない。

　2017年に代表入りした秋田は、スピードは課題ではあったものの、攻防にわたってゴール下の強さでチームに大きく貢献。徐々にプレータイムを伸ばし、今や主力の一人に躍り出ている。昨年の世界選手権では、全5試合でエース香西宏昭（NO EXCUSE）に次ぐ67得点を挙げ、大きく貢献。もちろん、リバウンドの強さはチームでも一、二を争う。

　しかし、世界選手権以降、やや伸び悩んでいる感がある。特にシュートチャンスになることの多いゴール下よりも距離のあるキーエリアでのシュート確率に課題を抱えているような印象を持つ。

　ただ、それは逆に言えば、秋田に対する世界の評価が高いことの証でもある。警戒すべき選手としてマークが厳しくなっていることは間違いないからだ。だが、もちろん秋田はそれを言い訳にするつもりはない。彼が果たす役割が、海外勢に高さで劣る日本にとっていかに重要であるかは、彼自身が最も感じているはずだ。

　東京2020パラリンピックで史上初のメダル獲得を目指す男子日本代表。その高い目標を達成させるために秋田の力は不可欠だ。

　今年6月のアメリカ遠征ではコーチから「もっとわがままに、自己主張していい」と言われたという秋田。MWCCでは、ぜひ大暴れしてほしい。

文＝斎藤寿子