2019.08.31

【三菱電機ワールドチャレンジカップ】日本は世界選手権・銅の豪州に敗れ初黒星

エースとしての働きを見せた香西宏昭[写真]=斎藤寿子
新潟県出身。大学卒業後、業界紙、編集プロダクションを経て、2006年よりスポーツ専門ウェブサイトで記事を執筆。2011年よりパラリンピック競技を中心に、国内外で精力的に活動を開始。パラリンピックは12年ロンドン、16年リオ、18年平昌、アジアパラ競技大会も14年仁川、18年ジャカルタの各大会をカバーした。

 8月30日、車いすバスケットボール国際強化試合「三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP」の第2戦が武蔵野の森総合スポーツプラザで行われ、及川晋平ヘッドコーチ率いる男子日本代表はオーストラリアと対戦した。
 
 昨年の世界選手権3位の強豪相手に日本は互角に渡り合う。しかし、最後は引き離され60-77で敗れた。また、イランが韓国に快勝し2連勝。これでイランがトップに立ち、日本とオーストラリアが1勝1敗で並んだ。

文・写真=斎藤寿子

世界3位に劣らない日本の攻防

 開始早々にエース香西宏昭が鮮やかな3Pシュートを決め、日本は最高のスタートを切った。しかしその後、約3分間はオーストラリアが次々とシュートを決める中、追加得点を奪えずに苦しい展開となる。

 そんな嫌な流れを払拭したのは、この試合チーム最多の21得点を叩き出したエースだった。香西はミドルシュートを決めたかと思えば、ドリブルで自ら切り込みレイアップシュートを決め、チームに流れを引き寄せた。そして、この香西のプレーに呼応するかのように、藤本怜央も躍動。片方の車輪を上げて高さを出す“ティルティング”という高度なテクニックを駆使し、ゴール下で相手に囲まれながらのタフショットを何度もねじ込んでみせた。

 また、日本の守備も光った。特に国内随一のスピードを誇り、守備力が買われている川原凜、赤石竜我らが入ったラインナップはオーストラリアを翻弄。オールコートで厳しくプレッシャーをかける日本のディフェンスに、オーストラリアがパスコースを見い出せずにミスや8秒バイオレーションを取られるシーンも見られた。そのまま前半は、29-32と日本が3点ビハインドで終えた。

メッセージが書き込まれたフラッグ。日本は声援を背に戦う[写真]=斎藤寿子

最後まで戦う姿勢を見せ続けた及川ジャパン

 第3クォーターの序盤、日本はまたも得点が伸びずに苦しい時間帯が続いたが、中盤に追い上げを見せ、41-44と再び3点差に迫る。しかしその後引き離され、8点ビハインドで最終クォーターへ。なかなかその差が縮まらない中、残り5分となって指揮官は最後の勝負に出た。この試合2度目となる香西と藤本の2人がそろうラインナップのカードを切ったのだ。

 ところが、その直後に連続でターンオーバーを犯した日本は波に乗り切ることができなかった。それでも最後に投入された “オール20代”の若手が顔をそろえたラインナップが粘りを見せる。鳥海連志が今大会初の3Pシュートを決めれば、古澤拓也も相手ファウルで得た3本のフリースロー見事にすべて決めてみせた。

 結果的には60-77で敗れた日本は通算1勝1敗となり、オーストラリアと並んだ。31日のリーグ戦最終戦は世界選手権4位のイランと対戦する。日本が勝利を挙げ、オーストラリアが韓国に勝った場合は、日本、イラン、オーストラリアの3カ国が2勝1敗で並ぶ。その場合は得失点差で決勝に進出する上位2チームが決まる。

「チームのコンディションはとても良い状態にある。気持ちでイランに勝って、最終日には決勝で優勝したいと思います」と及川HC。大会3日目は、連覇に向けた“大一番”を迎える。