2021.09.04

熱視線を浴びる車いすバスケ代表ユニ…その完成秘話を担当者に聞いた

車いすバスケ男女代表が着用するユニフォームの前面には富士山、背中には鷹が描かれている [写真]=Getty Images
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 東京パラリンピックは明日最終日を迎えるが、バスケファンなら何と言っても車いすバスケ男女日本代表の快進撃に注目を集めているはず。特に男子日本代表は男女を通じてパラ史上初となる決勝進出を決めた。

 その選手たちがまとうユニフォームのデザインコンセプトは、古くから日本に伝わる「一富士二鷹三茄子」のことわざから来ていることをご存知だろうか。赤と黒の2色を基調とし、日本の象徴である富士山と大きく羽ばたく鷹が前面に、襟ネームには茄子のグラフィックがプリントされ、ゲン担ぎの意味が込められている。

 2014年より、日本車いすバスケットボール連盟のオフィシャルサプライヤーとして車いすバスケットボール日本代表へのウェアサプライを行っているChampion(ヘインズブランズジャパン株式会社)がBEAMS(ビームス)にデザイン協力を依頼して出来上がったというこのユニフォームについて、担当者に詳しく話を聞いた。

取材協力=ヘインズブランズジャパン株式会社

BEAMSとの共同デザインで出来上がった『一富士二鷹三茄子』

−−そもそも車いすバスケの代表チームのサポートを始めた経緯は?
「チャンピオンは、1990~2002年のNBAへのユニフォーム提供や現在のBリーグのサンロッカーズ渋谷やWリーグのシャンソンVマジックへのサポートなどバスケットボールという競技に常に寄り添いサポートし続けているオーセンティックアメリカンアスレチックウェアブランドです。

 ウェアサプライをさせていただく前、当時はまだプレイヤーだった現車いすバスケットボール男子日本代表ヘッドコーチの京谷(和幸)さんへのウェアサポートや京谷さんが所属されていたチームのユニフォームを製作させていいただいておりました。スピード感にあふれ、エキサイティングな試合が繰り広げられる車いすバスケットボールの魅力やそこで自分の目標のために努力されている選手たちの魅力に惹かれ、選手がより高いパフォーマンスを発揮するためにそして、車いすバスケットボールをもっと多くの方々に知っていただくために我々ができることはないかという想いを持っておりました。

 そういったところに、車いすバスケットボール日本代表へのユニフォームサプライの機会をいただき、常にバスケットボールと共に成長してきたブランドとして車いすバスケットボールも応援したいという、先の想いからサポートさせていただくことになりました」

−−今回の東京パラリンピックで着用しているユニフォームはBEAMSとの共同デザインとうかがいました。
「今回のものは5代目のユニフォームです。ウェアサプライヤーとして車いすバスケットボールやその魅力をより多くの方々に知っていただくためBEAMS様へご協力いただきたいとご相談をさせていただきました。

 BEAMS様は、ファッションだけにとどまらず様々な分野で新しい価値を提供され、新しいライフスタイルを提案し続けておられます。また、車いすバスケットボール女子日本代表の網本麻理選手が所属しており、BEAMS様にデザインをしていただくことにより、コアな車いすバスケットボールファンから一般の方まで幅広い方々にご着用頂けるようなウェアを作ることができたと考えております。

−−デザインコンセプトが決まったわけは?
「江戸時代から伝わる諺の1つで、初夢に見ると縁起が良いとされる『一富士二鷹三茄子』をデザインのコンセプトとしています。日本の象徴である崇高な富士山と、大きく高く羽ばたく鷹をモチーフとしてチームの力強さを表現し、襟ネームには茄子のグラフィックを入れ、世界の舞台へ向かう選手たちを後押しするべく、縁起の良さもあわせたデザインにいたしました。

 ユニフォームのデザイン候補としては、いくつかBEAMS様に作成していただきました。その中から、コアな車いすバスケットボールファンから一般の方々までがご着用いただけるように、とにかくカッコよくファッションとしても取り入れて、車いすバスケットボールを盛り上げられるよう日本らしさを表現できるデザインになると考え決定いたしました」

茄子は2つのブランドロゴと一緒に襟元に[写真提供]=ヘインズブランズジャパン株式会社

−−ユニフォームの配色もこだわった?
「濃色については、日本車いすバスケットボール連盟より『ONE BASKETBALL』の考えのもと、当時の健常のバスケットボール日本代表のユニフォームと同じ配色で新しいユニフォームを製作したいというご要望をいただき、赤と黒を使用しました。淡色については、ユニフォームの規定内で今までにない配色にてBEAMS様にご提案いただきました」

−−選手や関係者の反応は?
「新型コロナウイルス感染の影響により選手の方々とゆっくりお話をさせていただける時間がないので詳しくは聞けておりませんが、これまでのバスケットボールのユニフォームにはない、斬新なデザインであるため驚かれているようだとは聞いております。SNSでは多くのファンの方々からポジティブな感想をいただいているので、落ち着きましたらぜひ、うかがってみたいと考えております」

−−レプリカユニフォームの背番号が20番である理由。
「このユニフォームは、2020年の車いすバスケットボール日本代表のユニフォームとして日本車いすバスケットボール連盟の皆様と協議を重ね製作を進めていたためです。本来、選手に実際に着用いただき、新デザインの発表と同時に発売としたかったのですが、新型コロナウィルス拡大の影響を受け、昨年度中に実行できませんでした」

−−ファンからの反応もかなり良いと聞きました。
「選手の活躍をサポートし、また、より多くの方々に車いすバスケットボールを応援する一助となっているのであればとてもうれしく思います。そして、より多くの方々に共感と興味関心を持っていただけるようなコンセプトでデザインしていただいたBEAMS様にとても感謝しております。

 このユニフォームはこの期間だけのものではなく、車いすバスケットボール日本代表の選手の皆様がこれからもご着用されるウェアですので、引き続きより多くの方々と一緒に着用して応援し続けていければと考えております」

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