バスケットボールの日本代表選手として活躍し、引退後は古巣の熊谷組、大和証券、日立(現サンロッカーズ渋谷)などでヘッドコーチを歴任。現在は早稲田大学スポーツ科学学術院教授を務め、NBA解説者としての肩書きも持つ倉石平(くらいし・おさむ)氏に、2016-17シーズンのNBAで注目すべき5選手を挙げてもらった。
NBA見るならこの5選手に注目! その③クリス・ポール(ロサンゼルス・クリッパーズ)
「ポイントガードから1人選ぶとしたらクリス・ポールです。ステフィン・カリーも同じぐらい推したい選手ですけど、PGとして“一番うまい”のはクリス・ポールです。
いつでも自分で点が取れる選手なんですけど、周りの使い方もすごくうまい。ゲームコントロールが抜群で、空いているところがしっかり見えて、相手が一番嫌がることができるんですよ。ヘッドコーチの戦術や考えを反映する能力もすごく高いですね。
ゲームコントロールの部分だけ言えば、ジョン・ストックトン(元ユタ・ジャズ)のようにきっちり仕事をしてくれます。ストックトンがカール・マローン(元ユタ・ジャズ)とのコンビで得点を量産したように、クリス・ポールは味方とのコンビネーションで得点を積み重ねる。クリッパーズには、ブレイク・グリフィンのような特徴がはっきりした選手が何人かいるんですけど、彼らの持ち味を出す、ここしかないっていうパスが出せるのは本当に大きいですね。ゴール下しかできないチームメートをスターにしちゃうわけですから(笑)、これは誰にも真似できないですよ。
だからどのチームも欲しい選手だと思いますし、実際どこに行っても重宝されると思います。夢みたいな話ですけど、ゴールデンステート・ウォリアーズに行ったら本当に面白いなと。毎試合150点取っちゃうんじゃないですかね(笑)」