バスケットボールの日本代表選手として活躍し、引退後は古巣の熊谷組、大和証券、日立(現サンロッカーズ渋谷)などでヘッドコーチを歴任。現在は早稲田大学スポーツ科学学術院教授を務め、NBA解説者としての肩書きも持つ倉石平(くらいし・おさむ)氏に、2016-17シーズンのNBAで注目すべき5選手を挙げてもらった。
NBA見るならこの5選手に注目! その④マルク・ガソル(メンフィス・グリズリーズ)
「5番(センター)の選手から1人選びたいんですけど、これは迷いますね。まず今のNBAでははっきりした5番が少ないんです。アンソニー・デイビス(ニューオーリンズ・ペリカンズ)、ラマーカス・オルドリッチ(サンアントニオ・スパーズ)、デマーカス・カズンズ(サクラメント・キングス)、マルク・ガソル(メンフィス・グリズリーズ)とか、4番(パワーフォワード)の能力を備えた5番が多い。
例えば、アンソニー・デイビス、デマーカス・カズンズ、カール=アンソニー・タウンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)はみんなケンタッキー大学出身で、1年だけ在学してアーリーエントリーでNBAに入ってきました。ヘッドコーチのジョン・カリパリが手塩にかけて育てた選手たちで、今までのセンターとは違う、シュートとボールハンドリングがうまくて走れるセンターなんです。
そういうバランスの良いセンターが増えてきた中で、本当に迷いますけど、あえて 1人を挙げるならスペイン人のマルク・ガソルですかね。パウ・ガソル(サンアントニオ・スパーズ)の弟で、ヨーロッパらしい特徴を持った選手です。3ポイントが打てるし、スクリーンが得意だし、インサイドのポジション取りもうまい。
ヨーロッパでは子どもたちにまずシュートを教えます。だからみんなシュートがうまいんですよ。最たる例で言えば、ラトビア人のクリスタプス・ポルジンギス(ニューヨーク・ニックス)なんかはわかりやすい。221センチあるのに3ポイントが打てますから。マルク・ガソルのインサイドの強さももちろんですけど、そういう外からのシュートもぜひ見てほしいですね」