バスケットボールの日本代表選手として活躍し、引退後は古巣の熊谷組、大和証券、日立(現サンロッカーズ渋谷)などでヘッドコーチを歴任。現在は早稲田大学スポーツ科学学術院教授を務め、NBA解説者としての肩書きも持つ倉石平(くらいし・おさむ)氏に、2016-17シーズンのNBAで注目すべき5選手を挙げてもらった。
NBA見るならこの5選手に注目! その⑤カワイ・レナード(サンアントニオ・スパーズ)
「正直5人だけ選ぶのは難しいし(苦笑)、それ以外にも素晴らしい選手がたくさんいます。そこであえて、5人目を選ぶならカワイ・レナード(サンアントニオ・スパーズ)ですね。僕は今シーズン、スパーズが不気味な存在になると見ています。ヘッドコーチがアメリカ代表を率いるグレッグ・ポポヴィッチですしね。そのスパーズが勝ちあがってくるとしたら、レナードの活躍は不可欠でしょう。
彼はディフェンスもうまいですけど、やっぱりオフェンスがすごい。アウトサイドも打てるし、ドライブもできる。ゴール下も強いですし、バランス良く何でもできるんですよ。あまり派手じゃないんですけどね(笑)。でも玄人好みというか、いつも落ち着いているし、安心して見られる選手です。
カール・マローン(元ユタ・ジャズ)は昔、当たり前のようにシュートを決める、ゴールにボールを届けるというところから“メールマン”と呼ばれていました。レナードも同様に、当たり前のように仕事をするんです。ああいう選手がチームに1人いたら、それだけで強いチームが作れると思います。
普通に考えれば、昨シーズンのファイナルを戦ったクリーブランド・キャバリアーズとゴールデンステート・ウォリアーズが、今シーズンもファイナルに行く可能性が高い。その2チームを脅かす存在があるとすれば、スパーズかロサンゼルス・クリッパーズあたりでしょうね。レナードのゲームメークでがっちりインサイドの勝負をしたら相当強いと思いますよ。ラマーカス・オルドリッチがいるし、パウ・ガソルも移籍してきましたから」