2018.07.19

今季B1参入の福岡は3連敗でサマースーパー8予選敗退決定

新潟から移籍の遥天翼は持ち味の泥臭いプレーでチームに貢献[写真]=ASIA LEAGUE
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

 7月19日、3日目を迎えたサマースーパー8(マカオ東アジア大会ドーム開催)、日本から唯一参戦するライジングゼファー福岡はフィリピンのブラックウォータ・エリートと対戦。「今大会で色々と試したい」と福岡の河合竜児ヘッドコーチが語っていたとおり、先発PGに石谷聡を起用。薦田拓也加納誠也遥天翼波多野和也のスターターでティップオフを迎えた。

 第1クォーター、福岡は小気味よくシュートが決まり、5-0とスタートダッシュに成功する。しかし、フィジカルな激しいプレーを見せるブラックウォーターが次第にペースをつかみ、じりじりと点差を詰めて一進一退の展開に持ち込んでいった。第2クォーターには津山尚大からのパスをコーナーでキャッチした小林大祐が3Pシュートを決めるなど、随所に好プレーを見せる。しかし、終盤、福岡は16連続失点を喫するなど、次第にリバウンドを支配され、7点ビハインドで前半を折り返した。

琉球から移籍の津山尚大はPGに挑戦中[写真]=ASIA LEAGUE


 反撃を試みる福岡は、後半、2-3のゾーンディフェンスやセンター陣のハイ・ローの合わせで反撃を試みる。しかし、ブラックウォーターはピントが3本の3Pシュートを決めるなど、ゾーンでマークが甘くなかった外角からシュートを確実に決め、ペースを渡さない。

 福岡はシュートチャンスを何とかクリエイトしようとするが、ボールがリングを弾き点差を縮めることができない。第4クォーターに入っても攻撃の手を緩めなかったブラックウォーターが90-66と24点差をつけて、福岡を退けた。

 この結果、3敗の福岡は予選リーグ敗退が決まった。今シーズン、新潟アルビレックスBBから移籍した遥は、「リバウンドやこぼれ球など、フィジカル部分で勝てないところがあったので、ここが敗因だったのは重々感じた」と試合を振り返った。しかし、全体練習が3回のみでこの大会に臨んだことで、「練習よりも試合の方がわかりやすい部分がある。初めて一緒にプレーする選手がいる中、これができる、あれができないことが分かりあえた。また、アジアのいろいろなチームと戦うことはなかなかないので、いい経験を積めたと思う」と今大会を総括。「それらを持ち帰って、外国籍選手の合流後、さらにチームのケミストリーを作っていきたい」と、前向きにとらえた。

 河合HCは「1試合ごとにチームが出来上がっていることを感じている」と率直な感想を語った。さらに「まだまだ徹底できていない部分がある。リバウンドのところで大きな開きができてしまった。また、チームでシュートをクリエイトすることはできていたが、それを決めきるだけの足がなかった。それがすべてだった」と敗因を言及。その中で、「今大会は城宝匡史がオフに行ったオペのため欠場。出場できたのは8人だったが、そのメンバーで頑張ることができたのは、非常に今後が楽しみ。ここをスタートラインにできれば。今後の可能性を感じて、ここから帰ってからいろんなことをピックアップして、チームに還元したい。負けて悔しいが、コーチ陣も選手もポジティブにとらえているので、いいきっかえになったと思う」と開幕に向けての指針ができたことを強調した。

「今大会で経験したことをチーム作りに還元させたい」と語った河合HC[写真]=ASIA LEAGUE


 大会を終了した福岡は、明日7月20日に帰国の途に就く。このサマースーパー8で得た経験をチーム作りに反映させ、9月7日に開催される西日本アーリーカップでどのような戦いぶりを見せるかに注目したい。

文=入江美紀雄

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