12月7日(日本時間12月8日)、Gリーグのメンフィス・ハッスルはホームでアイオワ・ウルブズと対戦した。スターターに名前を連ねた渡邊雄太は試合序盤から攻防全般にわたり、チームをリード。渡邊は第1クォーター残り9分16秒にこの試合の初得点となる3ポイントを沈め、チームを逆転に導いた。
その後も渡邊は速攻を2本決めるなど、チームのロケットスタートに貢献した。第1クォーターにいったんベンチに戻った渡邊はガードとのマッチアップを命じられるなど、ディフェンスの要としてヘッドコーチに高い信頼を得ていることが分かる起用だった。
渡邊はディフェンスではマッチアップの相手だけでなく、カバーやリバウンドに労を惜しまない。この試合、試合開始当時は4番でプレーをしていたが、状況に応じて2番、3番もこなし、相手にペースを渡さなかった。
しかし、好事魔多しとでも言うべきか、第2クォーター残り6分過ぎ、自身が奪われそうになったボールを追いかけた時、それを奪おうとした相手選手の肘が顔に入るアクシデントに見舞われる。プレー直後は左目あたりを押えていて、そのあたりの打撲と思われた。しかし、渡邊はプレーに戻ることができず、ヘッドコーチがタイムアウトを請求。渡邊はそのままロッカールームに下がってしまった。
ハーフタイムが終わり、渡邊はベンチに戻ってきたが、その後は全くプレーすることなく、ゲームセットを迎えることとなった。ハッスルは攻防の要、渡邊を欠くものの後半もリバウンドを支配。ディフェンスでは相手のミスを誘発させ、118-98で今シーズン7勝目を挙げた。メンフィスはこれで2連勝を果たすとともに、ホームでの戦績を6勝3敗とした。
心配される渡邊の症状だが、脳震盪の疑いがあるということで後半のプレーを回避したと、試合後ヘッドコーチが語っている。この試合、14分の出場で11得点を挙げた渡邊本人の取材もキャンセルに。渡邊は翌日に予定されているレイカーズ戦にベンチ入りする予定だったが、改めて医師の診断を受け、プレーの可否を決定することとなった。
文=入江美紀雄