NBA2017-18シーズンのオープニングナイトである現地時間10月17日に、このカードがいきなり実現。
ボストン・セルティックスとクリーブランド・キャバリアーズは、昨季、イースタンカンファレンスのトップ2であり、プレーオフ・カンファレンスファイナルでも対戦。今オフには、カイリー・アービングがトレードの要求をし、キャブスからセルティックスへ移籍。多くのファンに衝撃を与えた。そんな因縁ある2チームの対戦はどのような展開を見せるのか。
セルティックスは、新エースとなったカイリー、ブラッド・スティーブンスヘッドコーチと大学時代に師弟関係であったゴードン・ヘイワード、そしてアル・ホ―フォードの“BIG3”に加えて、才能ある若手たちという布陣。カイリー、ヘイワード、ホ―フォードは、オールスター出場経験もあり、実績は十分なので、ある程度の活躍は計算できる。
そのため、ゲームの行方を左右するのは、彼らをサポートする若手選手たちになるだろう。特に、プレシーズンで全試合20分前後の出場時間を得ていた、ジェイレン・ブラウンとテリー・ロジアーはキープレーヤーとして挙げられる。ブラウンは、昨プレーオフでルーキーながら臆することなくレブロン・ジェームズにマッチアップしており、ゲーム2では19得点をあげる活躍も見せた。ウィングに優秀な選手が多いキャバリアーズ相手にディフェンスでどれだけ貢献できるかに注目したい。
一方ロジアーは、10月10日に行われたフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦で15得点10リバウンドを記録する大活躍で勝利に貢献。スティーブンスHCの戦術を理解しているという点では、カイリーより勝るものがあるので、ゲーム重要な場面での活躍も期待できる。
対するキャバリアーズは、トレードでやってきたアイザイア・トーマスが欠場予定。加えて、エースのレブロンも左足首の負傷で欠場の可能性があるという報道も出ている。苦しい状況ではあるものの、今季のキャバリアーズは、デリック・ローズ、ドウェイン・ウェイドという元スーパースターを獲得し、選手層という点でNBAの中でもトップレベル。ローズは、全盛期とまでは言えないものの、近年に比べると彼本来のキレも戻ってきており、状態はいいようだ。ウェイドも、スピードこそ落ちているものの技術は全く衰えておらず、プレシーズンを見ても、ジェームズ不在のチームを引っ張っている。
さらに、ケビン・ラブ、ジェイ・クロウダー、トリスタン・トンプソン、カイル・コーバーなど、安定して仕事を行える選手とJR・スミスやジェフ・グリーンなど勢いに乗せると厄介な選手を擁しており、総合的な戦力は整っているので心配はいらないだろう。
プレシーズンの成績を見てみると、セルティックスは4勝0敗、キャバリアーズは1勝4敗。成績だけを見ればセルティックス優勢とも言えるが、キャバリアーズも要所で連携の取れた場面を見せているので、この成績が勝敗に直結するとは考えられない。既に4勝を挙げているセルティックスも新加入選手が多く、チームケミストリー構築は発展途上。もちろんキャバリアーズも同様だ。安定したチームバスケットが確立されていない限り、先に勢いに乗ったチームが突き放す展開になっても不思議ではない。NBA屈指の個の力を誇る両チームの選手たちが、チームとしてまとまることができるかが、勝負の分かれ目になるだろう。
文=中野知馬