2017.12.05

【NBA COLUMNS from LA】“ツイッター王”エンビード、破天荒な言動とコートでの活躍

シクサーズの顔として活躍が期待されているジョエル・エンビード [写真]=Getty Images
ロサンゼルス在住。1995年に渡米、現在は通信社の通信員として、MLB、NBAを中心に取材を行っている。

 11月21日(現地時間20日)に行われたユタ・ジャズ対フィラデルフィア・シクサーズ。シクサーズが13点をリードしていた第4クォーター残り4分13秒にジャズのルーキー、ドノバン・ミッチェルがドライブしてレイアップに持ちこもうとしたが、ゴール下で待ち構えていたシクサーズのジョエル・エンビードにブロックされた。フロアに倒れたミッチェルに悪態をつき、睨みつけたエンビード。すると怒ったミッチェルがエンビードを後ろから押した。わざと大げさに倒れこんだエンビードはテクニカルファウル・コールのゼスチャーをすると、立ちあがって両手を広げて上下に動かし、ファンにさらなる歓声を煽った。シクサーズのホーム、ウェルズファーゴ・センターは、画面を通しても会場が揺れるほどの歓声に包まれているのがわかるくらいだった。

 ここまで読むと、エンビードを悪者のように思う人もいるだろう。だが実際に同試合を中継していたテレビの解説者は「彼は本当に愉快な奴だ。ミッチェルはすっかり(エンビードの罠に)ハマってしまった」と陽気に話した。実際、ミッチェルもこの試合後「エンビードは試合中ぺちゃくちゃ喋って本当にうるさかった。でもこれもゲームの一部。自分が間違いだった。いい教訓になった」とエンビードを責める様子は全くなく、エンビードもミッチェルに押されたあと倒れこんだことについて「あれは演技。楽しませるためにやったんだ」とのんきな発言をした。

[写真]=Getty Images

 同16日(同15日)のレイカーズ戦で46得点15リバウンド7アシスト7ブロックショットと怪物のようなプレーを発揮したあとも「ロサンゼルスは大好き。ここでショーを披露したかった」と言ってのけた。実はセレブ好きでも知られており、かつてツイッターをとおしてリアリティー番組のスター、キム・カーダシアンや歌手のリアーナへアプローチしている。レイカーズ戦の次のウォリアーズ戦では24点リードを覆されて逆転負けを喫したのだが、この試合後、ケビン・デュラントが「特にエンビードには負けたくなかった。彼のことだから、すぐにツイッターでくだらないことをつぶやくだろうからね」と言って記者を笑わせていた。  

 今やNBA界の“ツイッター王”とも言えるエンビード。ロサンゼルスに来た時、そのことについて聞かれると、「自分のままで、楽しんでいるだけさ」と話していたが、このおちゃらけとコートでの活躍の“ブレンド”に「シャキール・オニール(元ロサンゼルス・レイカーズ他)以来のエンターテイナー・プレーヤー」との呼び声も高い。

 注目ルーキー、ベン・シモンズとのコンビでチームへの期待も高まっており、アレン・アイバーソン氏が去って以来、長く沈黙していたシクサーズファンに新たなエネルギーを与えている。

文=山脇明子