NBAはレギュラーシーズン82試合のうち、ほとんどのチームがその半分にあたる41試合を消化した。
そこで、1月12日(現地時間11日)に現地メディア『Sporting News』の中で掲載されていた記事を一部紹介しよう。記事内では、現時点におけるNBAのパワーランキングを作成し、後半戦に向けて各チームへ疑問点を投げかけている。
ここではその中から、上位10チーム、イースタン・カンファレンスとウエスタン・カンファレンスからそれぞれ5チームを紹介したい(チーム名の右にある丸数字は全体ランキング)。
※データは1月11日(同10日)終了時点のもの
■イースタン・カンファレンス
1.ボストン・セルティックス(②)
ゴードン・ヘイワードはプレーするのか?
今季の開幕戦で左足首を脱臼し、脛骨を骨折するという重症を負い、欠場を続けているヘイワード。昨季はユタ・ジャズのエースとしてオールスターに選出されたオールラウンダーは、今季絶望と見られていた。しかし、懸命なリハビリを続けており、現地メディアの中には今季中(4月末または5月の見込み)に復帰できる、という報道も流れている。ヘイワード復帰によって、セルティックスはクリーブランド・キャバリアーズの4年連続ファイナル進出をストップできるかもしれない。
2.トロント・ラプターズ(③)
デマー・デローザンは覚醒したのか?
これまでドライブやミドルシュートなどで平均20得点以上を稼いできたデローザンだが、3ポイントシュートは苦手としており、今季も12月半ばまでは25.0パーセントという成功率だった。ところが、ここ11試合では51.9パーセントと一気に上昇し、平均36.9得点を記録。もし後半戦も同等のペースを保てるのならば、デローザンはMVP候補になるだろう。
3.クリーブランド・キャバリアーズ(④)
ディフェンス面の問題は本当なのか?
今季ここまでの戦績で勝率4割未満、リーグ下位に低迷するサクラメント・キングス、アトラタ・ホークス、オーランド・マジック、シカゴ・ブルズ、フェニックス・サンズと同等のディフェンシブ・レーティング(100回のディフェンスに対する平均失点)となる109.0を記録している。はたしてプレーオフまでに改善できるのだろうか。
4.マイアミ・ヒート(⑧)
昨季のように後半戦で圧倒できるか?
昨季のヒートは、前半戦終了時点で11勝30敗ながら、後半戦を30勝11敗と巻き返しに成功。最後は惜しくもプレーオフ出場を逃したものの、驚異的な追い上げだった。今季は12月14日(同13日)以降の14試合で11勝を挙げているのだが、チーム2位の得点源ディオン・ウェイターズが長期欠場になる可能性が高いため、せめて勝率5割はキープしたいところ。
5.ワシントン・ウィザーズ(⑩)
下位チーム相手の取りこぼしをなくせるか?
ウィザーズはここまで、勝率5割を上回るチームに対して11勝7敗と大きく勝ち越している。ところが、勝率5割以下のチームには12勝11敗。つまり、取りこぼしがあるということ。プレーオフに向けて好シードを得るためにも、下位チームから確実に勝利を奪いたい。
■ウエスタン・カンファレンス
1.ゴールデンステート・ウォリアーズ(①)
主軸選手たちに休息を与えられるか?
ステフィン・カリー、ケビン・デュラント、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンといった主軸を、プレーオフまでに休養を与えること。これがウォリアーズにとって必要なことだろう。今季は42試合終了時点でカリーが14試合、デュラントが8試合、グリーンは6試合に欠場しているが、ケガによる欠場をしていたと考えると、後半戦はさらに休息が必要なのかもしれない。
2.ミネソタ・ティンバーウルブズ(⑤)
現有戦力のディフェンスは構築できたのか?
新戦力が多いウルブズは、ディフェンシブ・レーティング(同上/キャブス参照)でリーグ16位の106.2と平均レベル。しかし、ウルブズは過去18試合で13勝しており、その期間だけで見るとリーグ5位の103.6とジャンプアップ。さらに、直近7試合ではすべて100失点未満に抑えており、リーグ2位の96.6と驚異的な上昇カーブを描いている。主軸選手に長期欠場がなく、現在と同等のペースを保てるならば、勝率はさらにアップする。
3.サンアントニオ・スパーズ(⑥)
アウェーの連戦で生き残ることができるか?
現在、スパーズは28勝15敗でウエスト3位と高位置にいる。しかし12月31日(同30日)からの11試合のうちロードが9試合、そして2月8日(同7日)からオールスターブレークを挟んでロード6試合というハードなスケジュールが待っている。スパーズはレギュラーシーズン全体を通してロードで負け越したのは96-97シーズンが最後なのだが、今季はここまでロードで10勝13敗と負け越している。今が踏ん張りどころである。
4.ヒューストン・ロケッツ(⑦)
ジェームズ・ハーデンは今季こそMVP獲得なるか?
過去3シーズンのうち、2シーズンでMVP投票の2位に入ったハーデン。今季は開幕から全試合で20得点以上を記録し、リーグトップの平均32.3得点、リーグ2位の9.1アシストと絶好調だった。しかしハムストリング(太ももの裏)を痛めたことで、ここ5試合は欠場を余儀なくされている。ハーデン不在時のロケッツは対戦カードにも恵まれて3勝2敗と勝ち越したが、ウエスト上位でシーズンを終えるためにはハーデンは不可欠な存在。この男の欠場が長引かなければ。MVP獲得の可能性は十分あるだろう。
5.ポートランド・トレイルブレイザーズ(⑨)
フロントコート陣のサイズ不足は解決できるのか?
ブレイザーズはリーグでも屈指のバックコート陣をロースターに持つ。しかし、先発センターのユスフ・ヌルキッチが今季はやや期待はずれで、フロントコート陣が安定していない。ノア・ボンレーとエド・デイビスでは物足りない。現在は、アル・ファルーク・アミヌとエバン・ターナーをフォワードとして起用している。アミヌはパワーフォワードで奮闘しているものの、ラマーカス・オルドリッジ(現スパーズ)移籍後、このポジションが弱点となっている。
今季のトレード・デッドラインは2月9日午前5時(同8日午後3時/東部時間)と、例年よりも早い。そのため、トレードしたとしてもプレーオフまでには時間がある。ここに挙げた10チームの中でも、トレードによる戦力増強を狙っているチームはあるだろう。これからどのような動きを見せるのか、引き続き注目していきたい。
※データは1月11日(同10日)終了時点のもの