各チームが45試合以上のスケジュールを終えたNBA。来月9日(現地時間8日)にはトレード・デッドラインがあり、2月17日(同16日)から22日(同21日)まではオールスターブレークとなり、オールスターに出場する選手たちを除くと丸6日間はオフになる。
そこで、ここまでのNBAを振り返り、シーズン終了後に発表される主要アワードの候補選手を見ていきたい。1月20日(同19日)に現地メディア『Sports Illustrated』へ掲載されていたアワード予想を紹介しよう。6名による記者投票で、6つの主要アワード予想を伝えている。
■Most Valuable Player(最優秀選手)
1.レブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ):3票
2.ジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ):1票
3.ケビン・デュラント(ゴールデンステート・ウォリアーズ):1票
※1名は該当なし
レブロンが自身5度目のシーズンMVP獲得か?
レブロンが最も多い票を獲得。「クリーブランドはNBAのベストチームではないが、レブロンがベストプレーヤー」(ジェレミー・ウー記者)、「33歳のレブロンが、NBAで最も相手に恐れられている選手だ(ロハン・ナドカーニ記者)と評している。ただ、まだレブロンが本命かと言われると、そうではなさそう。キャブスのチーム成績がこのまま下降するようであれば、どれだけ個人成績が優秀でもMVP獲得はないため、ハーデンやデュラントが獲得する可能性は十分残されている。
■Rookie Of the Year(新人王)
1.ベン・シモンズ(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ):5票
2.ドノバン・ミッチェル(ユタ・ジャズ):1票
シモンズ圧倒も、今後の活躍次第でミッチェルとテイタムにも可能性あり
シモンズが圧倒的得票数を得た。「21歳で平均16.8得点8.0リバウンド7.3アシスト以上をNBAで記録したのは1981年のアービン“マジック”ジョンソン(元ロサンゼルス・レイカーズ)だけ」(ベン・ゴリバー記者)というように、オールラウンドな成績を残すシモンズの評価が頭一つ抜けている。しかし、アンドリュー・シャープ記者が「ミッチェルはユタ(・ジャズ)で信じられないほど見事な活躍をしており、ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)もあきらめたりはしないはず。このレースはさらに面白くなるだろう」と言っているように、今後の活躍次第でミッチェルとテイタムにもチャンスがありそうだ。
■Defensive Player Of the Year(最優秀ディフェンシブプレーヤー)
1.アル・ホーフォード(ボストン・セルティックス):5票
2.ドレイモンド・グリーン(ゴールデンステート・ウォリアーズ):1票
“最も重要な選手”ホーフォードが最多票を獲得
候補の常連となっているカワイ・レナード(サンアントニオ・スパーズ)とルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ)がケガで欠場していることが多いため、大本命の選手はいないと思われたが、ホーフォードが5票を獲得。「NBAトップのディフェンスを誇るチームにおいて、最も重要な選手」(ゴリバー記者)、「グリーンとホーフォードが有力だが、私の中ではホーフォードが一番だ」(シャープ記者)と評価が高い。セルティックスはイーストトップの勝率で、リーグトップのディフェンシブ・レーティング(100回のディフェンスにおける平均失点)、99.8を記録している。
■6th Man Of the Year(最優秀シックスマン)
1.ルー・ウィリアムズ(ロサンゼルス・クリッパーズ):5票
2.エリック・ゴードン(ヒューストン・ロケッツ):1票
スターターからベンチ出場に戻ればウィリアムズがほぼ確実か
「ウィリアムズはNBA史上、ベンチプレーヤーとしては最も高得点を挙げるペース」(ロブ・マホニー記者)、「これまでもベンチから高得点を挙げてきたが、今季は自身の活躍が勝敗のカギを握っていることが昨季までとの違い」(ディアンテ・プリンス記者)といった意見のとおり、ウィリアムズが他を圧倒。46試合中スターター出場が14回と若干多めのため、スターターに定着せず、平均20得点以上をキープできれば受賞はほぼ確定だろう。
■Most Improved Player(最優秀躍進選手)
1.ビクター・オラディポ(インディアナ・ペイサーズ):5票
2.クリスタプス・ポルジンギス(ニューヨーク・ニックス):1票
5年目でオールスター選出を果たしたオラディポ
「オールスターのスターターまであと一歩のところまで成長した」(シャープ記者)、「オラディポがこれほどまでのインパクトを与えると想像できた者はいない。彼がこの賞を獲得するはずだ」(ナドカーニ記者)といった意見があるように、昨夏、オクラホマシティ・サンダーから加入したペイサーズで、今季大活躍しているオラディポが5票を獲得した。
■Coach Of the Year(最優秀コーチ)
1.ブラッド・スティーブンズ(ボストン・セルティックス):3票
2.グレッグ・ポポヴィッチ(サンアントニオ・スパーズ):2票
3.エリック・スポールストラ(マイアミ・ヒート):1票
接戦の中、スティーブンズが最多得票
最も票が割れたのが最優秀コーチ部門。最も得票数を得たのはスティーブンズ。「開幕戦でゴードン・ヘイワードが負傷離脱してもつまずきはしなかった。それに、残り5分で5点差未満の試合において、20勝8敗を記録している」(ゴリバー記者)と高評価。一方、ポポヴィッチに対しては「カワイ・レナードが50試合のうち41試合に欠場したのをはじめ、トニー・パーカーやルディ・ゲイ、ダニー・グリーンを複数試合で欠いた中で、スパーズをウエスト5位に導いた」(マホニー記者)とこちらも高評価を得ている。この賞の行方は終盤まで混戦となりそうだ。
ここまでの流れを見てみると、どの最多得票者でも“絶対的本命”ではなさそうだ。そのため、後半戦で強烈なインパクトを残す選手が現れれば、ここで紹介した予想と最終結果は大きく変わることになるかもしれない。引き続き、個人賞の行方にも注目したい。