2018.01.26

【NBA】現地メディアが選出した相手チームを“最も撃沈させた一発”10選

1位は2016年NBAファイナル第7戦終盤に飛び出したカイリーの決勝弾となった[写真]=Getty Images
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 NBAには、ほぼ毎試合と言っていいほど強烈なインパクトを残すプレーが生まれる。

 相手チームから所属チームへと一気に流れを引き寄せるスラムダンク、相手を意気消沈させる強烈なブロック、思わず相手チームが白旗を揚げて降参してしまうようなテクニックなどその種類も豊富。

 今回は、1月26日(現地時間25日)に現地メディア『CLUTCHPOINTS』へ掲載されていた記事を紹介したい。その名も、NBA史上“最も相手チームを意気消沈させた一発”。それでは、ここからTOP10形式でお届けしよう。

■10位:リラードが決めたシリーズ決着ブザービーター
 2014年プレーオフ、ウエスタン・カンファレンスのファーストラウンドで、ポートランド・トレイルブレイザーズはヒューストン・ロケッツと対決。ブレイザーズの3勝2敗で迎えた第6戦、ロケッツのチャンドラー・パーソンズ(現メンフィス・グリズリーズ)に得点を許し、残り約1秒で96-98と2点ビハインド。しかし、両チームがタイムアウトを取った後のポゼッションで、デイミアン・リラードが値千金の3ポイントブザービーターを鮮やかに決め、ブレイザーズが劇的逆転勝利でシリーズを制した。

■9位:悪夢再び…カイリーがクリスマスゲームでウォリアーズを撃沈
 2016年のクリスマスゲーム。ゴールデンステート・ウォリアーズ対クリーブランド・キャバリアーズの試合は、第4クォーターにウォリアーズが2ケタリードを奪うも、レブロン・ジェームズカイリー・アービング(現ボストン・セルティックス)を中心にキャブスが追い上げる。残り1分14秒、ステフィン・カリーが長距離砲を決めて108-105とウォリアーズがリードする。しかしカイリーは残り約38秒に得点して1点差に詰め寄ると、残り約3秒には、クレイ・トンプソンの厳しいマークをあざ笑うかのようにターンアラウンドジャンパーをヒット。キャブスのホーム、クイックン・ローンズ・アリーナに集まった2万562人のファンへ、逆転勝利というすばらしいクリスマス・プレゼントを送ったのである。

■8位:絶好調カリーがハーフコート近くから決めた決勝弾
 2016年2月28日(同27日)に行われた、ゴールデンステート・ウォリアーズ対オクラホマシティ・サンダーの一戦。この日はステフィン・カリーが試合をとおして16投中12本の3ポイントシュートを決めるなど46得点と絶好調。そしてこの日12本目の長距離砲が、延長残り約1秒にハーフコート付近から決めた決勝弾となった。延長残りわずか、118-118の同点の場面で、サンダーの選手の不意を突くような形で飛び出した見事な一発だった。

この試合、NBA最多タイ記録(当時)となった12本目の3ポイントがこのショットだった[写真]=Getty Images

■7位:ヒート連覇の夢を間一髪でつなげたアレンの劇的同点弾
 2013年のNBAファイナル第6戦。マイアミ・ヒートは2勝3敗でサンアントニオ・スパーズに王手をかけられ、試合時間残り約28.2秒で89-94と5点を追う厳しい展開だった。そこからレブロン・ジェームズ(現クリーブランド・キャバリアーズ)が3ポイントシュートを決め、カワイ・レナードがフリースロー1本を決めて点差は3点。最後のポゼッションでレブロンが3ポイントをミスすると、「スパーズ優勝か…」と思われたやさき、クリス・ボッシュ(現未所属)がオフェンシブ・リバウンドをもぎ取り、バックステップで3ポイントラインへと向かったアレンヘパス。稀代の名シューター、アレンは残り5.2秒で劇的同点弾を決めた。延長戦を制したヒートは、翌第7戦にも勝利し連覇を果たした。

アレンが土壇場で沈めたこの同点弾は、文字どおり‟歴史を変えた一発”となった[写真]=Getty Images

■6位:コービーがウェイド越しに決めた逆転ブザービーター
 2009年12月5日(同4日)。ロサンゼルス・レイカーズのコービー・ブライアント(元レイカーズ)が、マイアミ・ヒート相手に逆転ブザービーターとなるタフショットを決めた。ヒート2点リードの場面で、ドウェイン・ウェイド(現クリーブランド・キャバリアーズ)のガードに遭いながら決めたコービーのスーパーショット。ホームのステープルズ・センターの観客が大騒ぎしたのは言うまでもない。

■5位:最終試合でコービーが魅せた“意地の逆転弾”
 2016年4月14日(同13日)。ロサンゼルス・レイカーズ対ユタ・ジャズの一戦は、ジャズに主導権を握られる展開の中、第4クォーター中盤から、‟最終試合“となったコービーが怒濤の得点ラッシュで1点差まで詰め寄る。そして残り約32秒。右エルボー付近からプルアップジャンパーをネットに突き刺して97-96と、見事逆転に成功。コービーはこの後もダメ押しのフリースロー2本を決めて60得点をマーク。特に最後の場面では、17連続得点でレイカーズをけん引。何が何でも勝利にこだわるコービーの‟意地”を体現した、すばらしい一発だった。

■4位:ブルズを2度目の3連覇へと導いたMJの“ラストショット”
 1998年6月15日(同14日)。シカゴ・ブルズとユタ・ジャズによるNBAファイナル第6戦で、MJことマイケル・ジョーダン(元ブルズほか)が決めた“ラストショット”。85-86とジャズ1点リードの場面で、カール・マローン(元ジャズほか)の背後からスティールしたジョーダンは、そのままフロントコートに持ち込み、ジャズのディフェンス陣形を確認し、ブライオン・ラッセル(元ジャズほか)との1対1へ。ドリブルでリングへと向かうと見せてクロスオーバーでラッセルをかわして見事なプルアップジャンパーを放った。するとボールは吸い込まれるかのようにリングを通過し、残り約5秒で87-86と逆転。ジョーダンは、ブルズ在籍時の最終試合、最後のショット(ラストショット)で1990年代2度目の3連覇へと導いた。

この試合、ジョーダンが挙げた45得点目が、このラストショットとなった[写真]=Getty Images

■3位:ピストンズを奈落の底に突き落としたMJの3Pブザービーター
 ジョーダンの決定的な一発と聞くと、1989年のプレーオフ1回戦。2勝2敗で迎えた第5戦(当時の1回戦は3戦先勝)で決めた‟ザ・ショット“と呼ばれるブザービーターや、91年のNBAファイナル第2戦で魅せたダンクの態勢から空中で左手に持ちかえて華麗に決めたレイアップなど、枚挙にいとまがないのだが、ここでピックアップしたのは92年11月12日(同11日)のデトロイト・ピストンズ戦だった。延長にもつれ込み、終盤に入っても僅差でしびれる展開が続いたこの試合は、残り4.1秒でピストンズが96-95と1点リード。そして最後のポゼッションで、右45度からジョーダンが3ポイントブザービーターを決め劇的勝利を飾ったのである。

■2位:デュラントが昨季ファイナルで決めた逆転3ポイント
 2017年6月8日(同7日)に行われた、昨季のファイナル第3戦。2連敗を喫したクリーブランド・キャバリアーズはホームで何とか勝利すべく、レブロンが39得点11リバウンド9アシスト、カイリー(現セルティックス)も38得点と両輪が爆発。残り3分9秒でキャブスが113-107と6点リードを奪った。するとステフィン・カリーが得点し、ケビン・デュラントがそこから7連続得点を挙げて一気に3点リードへと導き、シリーズ3連勝とし、優勝に王手をかけた。特に圧巻だったのは、残り約52秒でディフェンシブ・リバウンドを奪ったデュラントがそのままボールをフロントコートへ運び、何のためらいもなくレブロンの頭上から3ポイントシュートを決めた場面。「6点もリードしていたのに…」と、ファンが唖然とするほど1人で逆転劇を演じきったデュラント。MVPにふさわしいパフォーマンスだった。

逆転へと導いたデュラントのショットは、シリーズの行方を決定づけたと言っても過言ではない[写真]=Getty Images

■1位:キャブス初優勝を決定づけたカイリーの劇的3P
 2016年のNBAファイナルは、ゴールデンステート・ウォリアーズが第4戦を終えてクリーブランド・キャバリアーズに対して3勝1敗と王手をかけ、早々にシリーズが終わるかと思われた。しかし、レブロンとカイリー(現セルティックス)が爆発し、キャブスが2連勝で逆王手。第7戦は世界中で大きな注目を集めた。6月20日(同19日)に行われた最終戦は、リードチェンジ20回、同点11回という激戦となる。残り4分39秒に89-89と同点で迎えた終盤、残り1分50秒にはレブロンが超人的な速さでアンドレ・イグダーラのレイアップを封殺。そして残り約53秒、ステフィン・カリーとの1対1からサイドステップでかわしたカイリーが右45度付近から3ポイントシュート。これが見事に決まり、キャブスが3点をリード。最後はレブロンのフリースローが1本決まって93-89とし、長かったシリーズを劇的な結末で終えた。

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