2018.02.06

【NBA COLUMNS from LA】突如として新天地ピストンズへ移籍したグリフィン「これからにもの凄くエキサイトしている」

突如クリッパーズからピストンズへと移籍することとなったグリフィン[写真]=Getty Images
ロサンゼルス在住。1995年に渡米、現在は通信社の通信員として、MLB、NBAを中心に取材を行っている。

 ブレイク・グリフィンが1月30日(現地時間29日)、8年半所属したロサンゼルス・クリッパーズからデトロイト・ピストンズへトレードされた。ピストンズのトバイアス・ハリスエイブリー・ブラッドリーらと3対3、またクリッパーズはピストンズから今年のドラフト1巡目指名権と来年の2巡目指名権を獲得した。

 ドク・リバースヘッドコーチが、「クリッパーズに名声をもたらしたのは、ブレイクだ」と話したように長年ドアマットチームだったクリッパーズがプレーオフ常連チームとなったのは、まさにグリフィンがきっかけで、昨夏にはフリーエージェント(FA)になったグリフィンと5年約1億7,100万ドルで再契約も結んでいた。ESPNによると、クリッパーズはグリフィンとの再契約のために、ホームのステープルズセンター内に迷路を作り、グリフィンと息子のフォードくんを歩かせた。迷路の壁にはグリフィンが子どもの頃からクリッパーズに至るまでの写真が飾られ、グリフィンの永久欠番を掲げる演出までして、「生涯クリッパーズ」をアピールした。

クリッパーズ躍進の立て役者グリフィン(左)は、リバースHC(右)ら球団と別々の道を進むこととなった[写真]=Getty Images

 そこまでして再契約したにも関わらず、7カ月でトレードとなった。リバースは「我々は、他チームとこのチームを見比べ、自分たちは十分ではない、何かをしなければならないと感じた。完全な再建ではない。選手を入れ替えて、(将来FA選手獲得のために)資金の準備をし、なおも勝てるチームと言った方が適している」と話し、ローレンス・フランク球団社長は「優勝するための編成だ」と強調した。

 しかし明らかなのは、その構想からグリフィンは外れたということだ。

 それとは対照的にピストンズのジェフ・バウアーGMは「このチームが前進するために非常に意味のあるトレード」と満足感いっぱいに話し、グリフィンは「この球団はNBA史で語り継がれるような歴史があるチームで、すばらしい成功を収めている」と話した。その歴史で代表的な “バッドボーイズ”時代からピストンズを愛するファンにとっては、グリフィンの血の気の多い戦いぶりは、頼もしい限りだろう。

新たにコンビを組むこととなったドラモンド(左)との関係も上々だというグリフィン(右)[写真]=Getty Images

 クリッパーズはトレードの翌日に早速ホームで試合があったが、会場のファンからグリフィンを惜しむリアクションがなかったことは、少し寂しく感じられた。

 一方グリフィンはピストンズのデビュー戦となるメンフィス・グリズリーズ戦のスターター紹介で名前がアナウンスされた時に大歓声で迎えられた。同試合、24得点10リバウンドでチームを勝利に導くと、「(チームの)これからにすごく、ものすごくエキサイトしている」と笑顔を見せた。 

 「生涯クリッパーズ」から「放出」と手のひらを返された。しかし、この経験がグリフィンのキャリアを好転させる可能性は十分にある。

文=山脇明子

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