2018.02.27

【NBA COLUMNS from LA】新加入のアイザイア・トーマスがレイカーズにもたらすポジティブな要素

レイカーズ加入後、トーマスは5試合で平均13.2得点4.2アシストを記録している [写真]=Getty Images
ロサンゼルス在住。1995年に渡米、現在は通信社の通信員として、MLB、NBAを中心に取材を行っている。

子どもの頃から大好きだったチームに加入、新人ロンゾ・ボールとは良好な関係を構築

 ロサンゼルス・レイカーズのアイザイア・トーマスが2月24日(現地時間23日)のダラス・マーベリックス戦で、クリーブランド・キャバリアーズからトレードで移籍して以来、初めてのホームゲームを迎えた。

 第1クォーター途中、トーマスがコートに立つとスタンディングオベーションが起こり、「とてもうれしかった。僕の家族も喜んでいるはず。そして何より試合に勝った」と声を弾ませた。

 この日は左膝の故障で1か月以上戦線離脱していたルーキー、ロンゾ・ボールの復帰試合でもあった。ともにコートに入った2人は、出場時間が限られていたボールがプレーした約17分半、常に一緒にプレー。その結果レイカーズは32アシストを記録して124-102で勝ち、ルーク・ウォルトンHCも「2人のポイントガードを入れて、期待していた通りボールの動きが良かった。誰かがオープンになる状況が多くあり、その選手にパスが回っていた」と喜んだ。

 トーマスのレイカーズ移籍を受けて、さまざまな噂が飛んだ。「トーマスは契約のバイアウトで他チーム移籍を狙う。レイカーズもトーマスとの再契約は考えていない」。「今オフ、フリーエージェント(FA)になるトーマスにとって、レイカーズでの残り試合は新契約のための見せ場でしかない」など、ネガティブな噂だ。

 しかし実際には、ポジティブなことも多くある。

 オールスターブレイク前、トーマスの携帯電話にボールからメッセージが入った。休みの間、ジムで練習するかどうかの質問だった。それにトーマスは「休まない」と返事し、自らがジムへ行く時間を告げると、ボールが一緒に練習してもいいか聞いてきた。そして、オールスター明けのレイカーズ最初の練習には、2人はすでに互いを知り合った状態でやってきた。

 トーマスは「彼はパスを出し、ボールを前へ進めるのが好き。そして僕はプレーをメイクしスコアするのが好きだ。だから彼とプレーすることは難しいことではないし、そこからどうやってアドバンテージを取っていくかだ」と言うと、ボールも「(トーマスとプレーするのは)好き。2人でプレーすることで利点がある」とした。

ホームデビュー戦となった現地時間2/23のマブス戦。トーマスは17得点4アシストをマークし勝利に貢献[写真]=Getty Images

 実は、トーマスは子どもの時からレイカーズファンで、レイカーズのユニホームを着ることを「言うまでもなく特別なこと」とした。トレード後、すぐにトーマスにメッセージを送ってきた中の1人が元レイカーズのレジェンド、コービー・ブライアント氏で、「とにかく、ロサンゼルス(レイカーズの選手)となった君のことはもっと好きだ」と告げられた。

 このトレードの行く先は不透明だ。ただ、トーマスがレイカーズでプレーすることを軽くは受け止めていないということは、確かだと言える。

文=山脇明子

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