バトラー離脱により、04年以来となるプレーオフ出場に黄信号?
2003-04シーズン。ミネソタ・ティンバーウルブズはケビン・ガーネット、サム・キャセール、ラトレル・スプリーウェル(いずれも元ウルブズほか)を中心に、ウエスタン・カンファレンストップとなる58勝24敗を挙げ、8年連続のプレーオフ出場を果たした。
この年はシーズンMVPを獲得したガーネットを中心にカンファレンス・ファイナルまで勝ち上がり、ロサンゼルス・レイカーズ相手に2勝4敗で敗れ、NBAファイナルまであと2勝まで迫った。
あれから約14年。今季のウルブズは久々となるプレーオフ進出を見据えて戦っていた。ところが、2月24日(現地時間23日)のヒューストン・ロケッツ戦で、リーダーであるジミー・バトラーが右膝半月板損傷により戦線離脱。4~6週間の欠場が決まった。
バトラー離脱後、ウルブズは3月2日(同1日)終了時点で2勝1敗と勝ち越し、38勝27敗でウエスト3位をキープしている。しかし、バトラーの復帰は早くても3月下旬になる見込みで、ウルブズは現有戦力で戦わなければならない。
はたして、ウルブズはバトラー抜きでウエスト4位以内をキープできるのだろうか?
ここでは、『NBA.com』が現地記者に投げかけて得た回答を紹介していきたい。
■デイビッド・オルドリッジ記者
チームのベストディフェンダー不在は厳しい
もしカワイ・レナード(サンアントニオ・スパーズ)が復帰するとなれば、タフになるだろう。スパーズ(現在5位)はシーズンで重要な時期に健康な状態で迎えている。ポートランド・トレイルブレイザーズ(現在4位)はまるで貨物列車のように向かってくるし、オクラオマシティ・サンダー(現在7位)も勢いを増してくると私は見ている。ミネソタのディフェンスはシーズンとおして決して良くなかった中、チームのベストディフェンダーであるバトラーがいないのだから厳しいのではないだろうか。
■スティーブ・アシュバーナー記者
今はアグレッシブにガンガン行くべき
ウルブズはできるのか? 今のところはできている。では今後もできるのか? おそらく答えはノーだ。ウエストのプレーオフ出場争いは非常に肉薄しているからだ。トム・シボドーHCが率いるチームは、ベストプレーヤーがケガで離脱していても印象的な成績を残してきた。シカゴ・ブルズを指揮していた時は、デリック・ローズ(現未所属)不在でもそれなりに勝っていた。だがウルブズで同じことはできないのではないだろうか。バトラー不在はあまりにもダメージが大きすぎる。14年ぶりとなるプレーオフに進むことはできるだろうが、今の彼らに必要なのは、アグレッシブにガンガン向かっていくことだ。
26 PTS on 10 shots.
In case you've been sleeping under a rock, @KarlTowns is a monster.
Here's the proof… #AllEyesNorth https://t.co/F24MK5zq7n— Minnesota Timberwolves (@Timberwolves) February 27, 2018
■タス・メラス記者
他チームより数試合多く消化している点は良いこと
ウエストのプレーオフ出場争いはタフだ。しかしウルブズはラッキーな面もある。このチームはすでにほかのチームより数試合多くプレーしている(65試合消化)からだ。ジョン・シューマン(記者)が指摘したように、バトラー離脱後、カール・アンソニー・タウンズ、アンドリュー・ウィギンズ、ジェフ・ティーグ、タージ・ギブソンはディフェンス面で苦しんでいる。だが、彼らには十分なオフェンス力があるため、何とかしのぎ切れる可能性がある。
■ショーン・パウエル記者
ライバルチームがギアを上げてくる時期にバトラー離脱は痛恨
ジミー・バトラーがいない中、ウルブズがウエスト3位の座を守れるとは思えない。これから先はプレーオフに向けて各チームがギアを上げてくるからね。サンダーが順位を上げ、カワイ・レナードが復帰できる可能性があるスパーズも上昇する気配が十分ある。その中で、ウルブズのバトラー離脱は、大きなダメージとなってしまった。
■ジョン・シューマン記者
勝率5割超えチームとの連戦が上位確保のカギ
バトラー離脱後、ウルブズはラッキーなスケジュールだった。勝率5割未満のシカゴ・ブルズとサクラメント・キングスが相手だった。しかし今後の彼らは、勝率5割超えしている8チームと戦わなければならない。バトラーがコートにいないと、彼らのディフェンシブ・レーティングは、シーズン平均(108.3/リーグ26位)から114.0失点まで悪化してしまう。現時点でウルウズは、ヒューストン・ロケッツとゴールデンステート・ウォリアーズに次ぐ勝ち星を手にしているが、カギとなるのはやはり、3月21日(同20日)まで続く勝率5割超えチームとの連戦となるだろう。
■セコウ・スミス記者
タウンズとウィギンズのステップアップに期待
ウエストのトップ4にいるウルブズは今後、リーダー役をこなしていたバトラー不在により、きわめて困難なチャレンジに挑むこととなる。ただしその反面、カール・アンソニー・タウンズとアンドリュー・ウィギンズにとっては、全盛期へと成長する良い機会だと断言できる。私はバトラー不在の期間、彼らがどのように自分たちをコントロールしていくのか、楽しみにしている。
現地記者の意見を総体的に見てみると、やはりウルブズが4位以内をキープすることは厳しいと見るべきだろう。それでも、ディフェンス面の踏ん張り、そしてタウンズやウィギンズがステップアップすることができれば、その可能性は十分あると言えるだろう。