2018.03.08

ケビン・ラブがパニック障害を告白、自身の想いと内面を話すことの重要性を訴える

11月の試合で突如パニック発作に襲われていたことを明かしたラブ[写真]=Getty Images
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 3月7日(現地時間6日)、クリーブランド・キャバリアーズのケビン・ラブがパニック発作に襲われたことを明かした。

 ラブは同日、現地メディア『The Player’s Tribune』に“Everyone Is Going Through Something(誰もが皆、何かを抱えている)”と題した記事を掲載。11月6日(同5日)のアトランタ・ホークス戦にて突如パニック発作に襲われていたことを明かし、その後、セラピストとの対話を通して学んだ事を告白している。

 ここでは、現在キャブスでアシスタント・アスレティックトレーナー兼パフォーマンスサイエンティストを務める中山佑介氏から引用許可を得て、同氏がブログ内(http://uknakayama.blog.fc2.com/)で和訳した文章の一部を紹介する。

今季は1試合平均17.9得点9.4リバウンドを記録しているが、現在は左手骨折のケガで戦列を離れている[写真]=Getty Images

「11月5日、ホークス戦のハーフタイム直後、僕はパニック発作に陥った。一度も経験した事のないそれは、どこからともなくやってきた。そんな事が本当にあるのかすら知らなかった。でも、それは現実のものだった。手を骨折したり、足首を捻挫したりするのと同じ、現実のものだった。あの日から、精神衛生に対する僕の考えのほぼ全てが大きく変わった」

「29年間、精神衛生は他の誰かの問題だと思ってきた。もちろん、人によっては助けを求めることや他人に心を開くことで恩恵を受ける事ができるくらいの事は知っていた。ただ、僕自身のものだとは、一度も思わなかった。僕にとって、精神衛生上の助けを求める事はスポーツでの成功を邪魔する弱さの一つの形、またはおかしな奴、周りと違う奴、と思われることだった」

「烙印、恐怖、不安――何とでも呼べる。でも僕が抱えていたのは、個人的な内面の苦悶だけでなく、それについて話す事の難しさだった。周りから、頼りないチームメイトと思われたくなかったし、子供の時に学んだ(男らしくあれという)戦術書の事もあった。これは僕にとって新しい領域で、とても混乱した。でも、一つだけ確かだったのは、あの起きた事を埋め隠して前に進む事はできない、ということだった。パニック発作と、その下に潜んでいるものを無かった事にしたいと願う自分もいたけれど、それを許すことは出来なかった。先延ばしにしてより酷くなってから対処したくなかった。それだけは分かっていた」

「精神衛生は、アスリートに限ったものではない。あなたが何を生業としているかは、あなたを定義しない。皆に関することなんだ。どんな状況であれ、誰もが皆、痛みを抱えている。そしてそれを内側に閉じ込めておくと、それはもっと僕達を傷つける。内面を話さない事は、自分自身を本当に知る機会を奪い、助けが必要な人達に手を差し伸べるチャンスをも奪う。だから、もしあなたがこれを読んでいて、何かに苦しんでいるのなら、それがあなたにとってどれだけ大きな事だろうと小さな事だろうと、抱えている事を共有するのは、おかしな事でも変わった事でもないと覚えておいてほしい。むしろ逆で、もっとも大切な事かもしれない。僕にとってはそうだった」(http://uknakayama.blog.fc2.com/より引用)

 現在29歳でインサイドプレーヤーのラブは、2014-15シーズンよりキャブスに加入。在籍4季目の今シーズンは48試合の出場で1試合平均17.9得点9.4リバウンドを記録しているが、1月末に左手骨折のケガを負い、現在は戦列を離れている。

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