ハーデンのMVP獲得を確信するKD
2009-10シーズンから3シーズンの間、オクラホマシティ・サンダーには、KDことケビン・デュラント(現ゴールデンステート・ウォリアーズ)、ラッセル・ウェストブルック、そしてジェームズ・ハーデン(現ヒューストン・ロケッツ)がいた。
12-13シーズンの開幕直前にハーデンがロケッツに移籍後、デュラントは13-14シーズンに、ウェストブルックは16-17シーズンに、それぞれシーズンMVPを獲得。デュラントは昨季ウォリアーズで初優勝を経験したとはいえ、選手個人のパフォーマンスとしては、いずれもMVP級と言っていいレベルにある。
そんな中、4月3日(現地時間2日)に現地メディア『The Athletic』へ、ケビン・デュラント(ゴールデンステート・ウォリアーズ)が今季のMVP最有力候補ハーデンのパフォーマンスに対して口を開いた。
「彼(ハーデン)の番だ。彼に(MVPを)与えるべきだね。彼が勝ち取る時が来たのさ」。
直近で、1チームにシーズンMVPが3人も所属していたのは03-04シーズンのロサンゼルス・レイカーズくらいだろう。カール・マローン(元ユタ・ジャズほか)が97年と99年、シャックことシャキール・オニール(元レイカーズほか)が00年、コービー・ブライアント(元レイカーズ)が08年に、それぞれシーズンMVPを獲得している。
もっとも、このチームはファイナルでデトロイト・ピストンズに1勝4敗で惨敗。マローンはケガを抱え、シャックとコービーの不仲は限界に達していたため、シーズン終了後にマローンは退団、シャックはマイアミ・ヒートへトレードとなった。
プレーオフで激突すれば事実上のNBAファイナル
主役級のスーパースターを集めても、優勝できるほどNBAは甘くない。サンダーのケースでは、ハーデンがもっと多くの報酬と活躍の場を求めていた。そのため、自身の特徴を最大限に発揮できるロケッツへの移籍は吉と出た。
今季のハーデンは、ロケッツをリーグトップの成績へと導き、自らは平均35.5分30.6得点5.4リバウンド8.8アシスト1.8スティールと大活躍。平均得点でリーグトップなだけでなく、フリースロー試投数(689本)と成功数(593本)、3ポイントシュート試投数(693本)と成功数(251本)でもリーグトップに立っている。
サンダー在籍時は主にシックスマンだったハーデンが、ロケッツ在籍6シーズン目にして、押しも押されもせぬNBAのスーパースターとなった。デュラントは続けてこう語った。
「夏の間、ジェームズ(・ハーデン)と一緒にワークアウトしていたことを思い出すよ。朝6時から始めて、バスケットボールのゲームについて取り組み、スキルを向上させ、ベストになろうと競い合ったんだ」。
デュラントとハーデン——。今では現役NBAプレーヤーの中でも、5本の指に入るほどの実力者となった両選手だが、キャリアが浅い頃は互いを高め合うべく、激しいワークアウトを行っていたのである。
デュラントが所属するウォリアーズと、ハーデン率いるロケッツが今年のプレーオフで直接対決するのであれば、事実上のNBAファイナルになる可能性が高い。そして、近年最高級の名シリーズとなるのではないだろうか。