2018.04.23

大ベテランのジノビリが終盤に猛攻を見せ、スパーズがウォリアーズに初勝利!

第4Q残り約6分間に10得点と大活躍し、シリーズ初勝利をもたらしたジノビリ[写真]=Getty Images
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大ベテランが終盤に貴重な得点を挙げたスパーズ

 4月23日(現地時間22日)、ゴールデンステート・ウォリアーズ(3勝)とサンアントニオ・スパーズ(0勝)のシリーズ第4戦が、スパーズのホーム、AT&Tセンターで行われた。

 試合序盤。スパーズがリードし、ウォリアーズが追いかける展開の中、第1クォーター残り4分40秒にルディ・ゲイのジャンパーを皮切りに、カイル・アンダーソンのフリースロー2本、パティ・ミルズの3ポイントシュートでスパーズが引き離しにかかる。

 ウォリアーズはケビン・デュラントらのショットで食らい付こうとするも、スパーズはラマーカス・オルドリッジやパウ・ガソルが加点。スパーズがリードを8点に広げ、30-22で最初の12分間を終える。

オルドリッジは3本放った3ポイントをすべて決めるなどチームトップの22得点をマーク[写真]=Getty Images

 第2クォーター。スパーズはガソルのアシストでアンダーソンがアリウープを連発で決めるなどさらにリードを広げていく。ショーン・リビングストンやクイン・クックのショットでウォリアーズが対抗するも、スパーズはトニー・パーカーやゲイ、マヌ・ジノビリが加点し、ウォリアーズに主導権を握らせない。前半はスパーズが14点リードの56-42でハーフタイムへ。

 第3クォーター。ウォリアーズはクレイ・トンプソンの3ポイントシュートとデュラントのプルアップ・ジャンパーで5点を先取し、ようやくスパーズとの点差を1ケタまで縮めていく。しかし後がないスパーズは、オルドリッジが2本の3ポイントシュートを決めるなど、点差を2ケタに戻していった。

 それでも、ウォリアーズはデュラントを中心に追い上げ、同クォーター残り0.4秒にデュラントがステップバック・ジャンパーをヒット。71-77と、6点ビハインドで最終クォーターを迎えた。

 第4クォーター。ウォリアーズはデュラントやリビングストン、ドレイモンド・グリーンが加点し、残り5分57秒で2点差(86-88)とし、1ポゼッション差でスパーズを捕らえる。

 スパーズがウォリアーズに追い込まれる中、40歳の大ベテラン、ジノビリが立ちはだかった。残り約6分で2本の3ポイントシュートを含む10得点を挙げる大活躍を見せ、ウォリアーズを撃破。最終スコア103-90で王者ウォリアーズに一矢報いたのだった。

この試合、40歳の大ベテラン、ジノビリの活躍が勝敗を決めた[写真]=Getty Images

プレーオフ史上最多勝デュオとなったパーカーとジノビリ

 勝利したスパーズでは、オルドリッジが3本の3ポイントシュートをすべて決めるなど22得点に10リバウンド。ゲイが14得点7リバウンド2スティール、デジャンテ・マレーが12得点4リバウンド。ベンチからジノビリが16得点5アシスト、アンダーソンが10得点をマーク。

 この日のスパーズは、アウトサイドシュートが冴え、3ポイントシュートを28投中15本成功、成功率53.6パーセントを記録した。

 ウォリアーズでは、デュラントがゲームハイとなる34得点に13リバウンドと活躍するも、ほかに2ケタ得点を挙げたのはトンプソン(12得点)とリビングストン(10得点)のみ。グリーンが9得点18リバウンド9アシストを挙げるも、チーム全体でフィールドゴール成功率37.8パーセント、3ポイントシュート成功率25.0パーセントと絶不調に終わる。

 リバウンド数では61-34とスパーズに大差をつけ、オフェンシブ・リバウンドではグリーンの8本を筆頭に24本も奪ったが、最後までショットが決まらずシリーズ初黒星。

ウォリアーズではデュラントが34得点と孤軍奮闘[写真]=Getty Images

 試合後、現地メディア『ESPN』に対して、オルドリッジは殊勲の活躍を見せたジノビリを「彼は究極のコンペティター(競争者)なんだ」と称した。

 ジノビリはこの試合について「我々はリーグベストのシューティングチームではない。でも毎試合20パーセントしか決められないようなチームでもない。今日は良いシューティングをすることができた。次の試合でも続けていきたいね。決してできないことじゃない。今日やったように、チームメートを探し出し、できる限りベストなショットを放つようにしていく」と語った。

 ホームに集まった大観衆から「マヌ!」コールを浴び、試合終盤に大活躍を見せたジノビリ。40歳ということもあり、この試合がサンアントニオにおける“ラストゲーム”と思う方もいるかもしれない。だが、ここまでインパクトを放ち、貴重な1勝をもたらすことができる選手はリーグでもなかなかいない。

 なお、『NBA.com/Stats』によると、この日の勝利で、ジノビリとパーカーはプレーオフ史上最も多くの試合(132)に勝利したデュオとなった。これまでの最多記録はパーカーとティム・ダンカン(元スパーズ)の131試合で、2位がダンカンとジノビリ(126試合)と、勝者としての経験は現役選手の中でも屈指。ジノビリが勝利への執念を爆発させた試合となった。

 スパーズの選手たちとコーチ陣は、妻エリンを亡くし、家族と共に過ごすべく戦列を離れているグレッグ・ポポヴィッチHCへ最高の勝利を捧げることができたと言っていいだろう。

 舞台をウォリアーズのホーム、オラクル・アリーナに移して行われる第5戦は、25日(同24日)。ホームでシリーズ決着を狙うウォリアーズに対し、スパーズが連勝することができるのか。この勝利で自信を得たスパーズの若手選手たちが躍動すれば、きっ抗したシリーズになるかもしれない。

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