2018.05.22

アーロン・ベインズがスティーブンズとポポヴィッチという名将の共通点を語る

セルティックスで貴重なロールプレーヤーとして活躍するベインズ[写真]=Getty Images
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指揮官とのシューティングを機に3ポイントを武器に加える

 今季でキャリア6シーズン目をプレーするアーロン・ベインズは、ニュージーランド生まれでオーストラリアの国籍を持ち、国際大会の経験も豊富なビッグマン。208センチ117キロの巨漢を誇り、主にペイントエリアにおける献身的な働きで、チームに貢献するロールプレーヤーである。

 ボストン・セルティックスに加入した今季は、出場81試合のうち67試合で先発センターを務め、平均18.3分のプレータイムで6.0得点5.4リバウンド1.1アシストを記録。

今季から加入したセルティックスで、若き名将スティーブンズHC(中央)の下でプレーするベインズ(左)[写真]=Getty Images

 シーズン中は3ポイントシュートの平均試投数が0.3本、成功率も14.3パーセントと低かったものの、プレーオフに入ると成功率が急激にアップ。16試合を終えて平均試投数は1.3本、成功率は52.4パーセントをマークし、新たな武器を披露。

 セルティックスのブラッド・スティーブンズHCは現地メディア『ESPN』に対し、こんなことを話していた。

 「彼(ベインズ)が初めてここに来て、いつだったか私が彼の近くでシューティングをしていたんだ。彼のショットはミドルレンジがメインなんだけど、32本打って30本も決めたんだ。私は彼がそんなにショットを決めることができるだなんて知らなかった。その時の彼を見て、コーナーからの3ポイントは簡単に決めることができるとわかったんだ」。

 それもそのはず、ベインズは昨季までの5シーズンで、3ポイントシュートを放ったのはわずか7本。そのうち1本しか決めていなかった。スティーブンズHCが選手の現状を把握し、チームへプラスとなるように3ポイントシュートをレパートリーに加えさせたことは、ベインズにとって大きな一歩となったと言っていいだろう。

豊富なプレーブックと冷静沈着さを2人の共通点として挙げたベインズ

 なお、スティーブンズは41歳ながら、すでに名将の1人として高評価されている。今年のプレーオフではエースのカイリー・アービングが不在の中、セルティックスを2年連続となるカンファレンス・ファイナルへと導いている。

 キャリア最初の3シーズンをサンアントニオ・スパーズでプレーし、14年には優勝も経験したベインズにとって、スパーズの名将グレッグ・ポポヴィッチHCとスティーブンズHCの共通点は何なのだろうか。ベインズが『ESPN』に対して話していたので紹介しよう。

 「両者とも、すばらしいプレーブックを持っている。戦術の宝庫みたいなものさ。僕がこれまでのバスケットボールキャリアで学んできたことよりも、彼らはずっと多くのことを知っていた。だから僕は、できる限り彼らから学ぼうとしているんだ」とベインズ。

 ポポヴィッチHCとスティーブンズHCの試合中における共通点を聞かれると、ベインズは“落ち着き”と答えた。

 「彼らが試合をとおして見せる落ち着きは、他の誰にもないものだ。コート上で何が起ころうと落ち着いている。そしてチーム全体を落ち着かせるために、メッセージを送ってくれるんだ」。

右からポポヴィッチHC、ティム・ダンカン、ベインズ。プレータイムこそ短かったものの、ベインズは優勝チームの一員となった[写真]=Getty Images

 スパーズと現在のセルティックスは、とても良くコーチングされたチームとして知られている。そのため、スターターがベンチにいる時間帯でセカンドユニットが登場しても急激に戦力ダウンすることが少なく、欠場する選手がいたとしても、他の選手がステップアップして勝利を手にする力が備わっていると言っていいだろう。

 2人の名将の下でプレーし、NBAデビューから主にロールプレーヤーとして活躍しているベインズ。現在はセルティックスの一員として、スティーブンズHCの下でチームに不可欠な選手となり、攻防両面で献身的なプレーを見せている。

 選手としてさらに成長するためには、ベインズにとってセルティックスはベストな環境のようだ。

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