2018.06.17

シャックが優勝を追い求めるレブロンへアドバイス「君はすでにレジェンドだ」

09ー10シーズン、シャック(左)とコンビを組んでいたレブロン(右)[写真]=Getty Images
国内外のバスケ情報をお届け!

今後レブロンが優勝する必要はない?

 6月16日(現地時間15日)に行われたプレドラフトのイベントで、シャックことシャキール・オニール(元ロサンゼルス・レイカーズほか)が、現地メディア『ESPN』のインタビューに応じた。

 シャックはそのインタビューにおいて、自身のキャリア、そして今夏の動向で注目を集めるレブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ)について語っている。

 NBAで19シーズンをプレーしたシャックは、キャリア初期のオーランド・マジック在籍時となった1995年に初のファイナル出場。この年はヒューストン・ロケッツにスウィープで負けたものの、96年夏にレイカーズへと移籍し、コービー・ブライアント(元レイカーズ)らと共に2000年から02年にかけて3連覇を達成。3年連続でファイナルMVPに輝き、現役最高選手という評価を手に入れた。

レイカーズでは3連覇の立て役者となったシャック[写真]=Getty Images

 04年オフにマイアミ・ヒートへ移籍すると、06年にドウェイン・ウェイド(ヒート)らと共にヒート史上初の優勝を経験し、自身4度目のチャンピオンに。216センチ147キロの巨漢として、シャックはペイント内を陣取り、数多くの勝利と実績をチームにもたらしてきた。

 だが意外にも、シャックはキャリア晩年について少し後悔しているという。当時についてシャックはこう明かしている。

 「キャリア終盤、俺にとって問題となっていたのは、周りの批判的な声を黙らせるべく、(さらなるチャンピオンシップを獲得すべく)どん欲になりすぎたことだった」。

 06年に優勝後、年を重ねたことと故障に悩まされたシャックはしだいに支配力が低下。08年2月にはフェニックス・サンズへとトレードされ、09年オフにはキャブス、10年オフにはボストン・セルティックスといったように所属先を転々とし、11年に現役引退となった。シャックは優勝を求めてプレーし続けた要因についてこう語っている。

 「3度目のタイトルを獲得すると、皆がそろって『もう1度優勝することはできないだろう』と言っていた。そして俺は4度目の優勝を勝ち取ってみせた。すると今度は『これ以上優勝することはできない』と言われてきた。だから5度目の優勝を勝ち取るべく、所属先を変えてトライした。フェニックス、クリーブランド、ボストンといったようにな」。

 結局、06年に4度目の優勝を勝ち取った後のシャックは、プレーオフにこそ出場したものの、優勝はおろか、ファイナル進出にも届くことなく現役生活を終えている。

 「だいぶ前のことだが、誰かが俺に対して『お前の記録はすでにセットされている。キャリア終盤に新たな功績を加えようとも、すでに歴代有数の選手として出来上がっている』と言ってきたんだ。それはレブロンに対しても、同じことが言えると思う。彼はすでに、歴代のレジェンドの中でも上のほうにいる。3つものチャンピオンリングを持ち、いくつもの記録を塗り替えてきた」とシャックは言う。

 とはいえ、「マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)の亡霊を追っている」と語っているように、レブロンは6度の優勝経験を誇るジョーダンを上回るべく、優勝することを最大の目標とし、第一線でプレーしている。

2016年のファイナルではキャブスに初優勝をもたらしたレブロン[写真]=Getty Images

誰もが覇権奪回に挑むレブロンを見たいはず

 そんなレブロンにとって、現在のターゲットは、直近4シーズンで3度目の優勝を飾ったゴールデンステート・ウォリアーズのステフィン・カリーではないかとシャックが指摘。

 「今の彼は多分、カリーが4度目の優勝をする前に、自らが4度目の優勝を手にしたいと思っているはず。だが俺がレブロンだったら、4つ目や5つ目のリングを勝ち取ろうとはしないだろう。それが問題になるとは思わないからだ。これからさらに功績を加えようと、レブロンがレジェンドであることに変わりはない。レブロンはMJ(ジョーダン)と共に、史上最高の選手として比較される位置にいるんだ」とシャック。

 キャリア15シーズン目を終えたレブロンは、すでに史上唯一となる通算3万得点8,000リバウンド8,000アシスト以上を達成していることをはじめ、プレーオフやファイナルでも数多くの記録を残している。今年で8年連続となったファイナル出場記録でも史上6人目となっており、33歳ながらNBA史上でも10本の指に入るほどの名選手と言っても過言ではない。

今年のファイナルでは4連敗を喫したものの、レブロンは両チームトップとなる平均34.0得点と奮闘[写真]=Getty Images

 確かにシャックが指摘するとおり、レブロンが現時点で引退しようとも、歴代有数のレジェンドとして記憶され、将来の殿堂入りも確実だろう。

 ただし、かつてキャブスでチームメートとして戦ったシャックの言葉がレブロンの耳に届くかどうかは難しいところ。

 というのも、レブロンのゴールは今後も優勝を勝ち取るだけではない。将来、息子とコートで対決するという壮大な夢を持っており、その夢を現実のものにすべく、来季以降も一線級でプレーすることが濃厚だからである。

 2010年代がこのままウォリアーズ王朝として続いた場合、レブロンがこのまま覇権奪回できずにキャリアを終える可能性があるかもしれない。

 それでも、レブロンには打倒ウォリアーズを果たすべく、来季以降もトップレベルで頂上決戦へ挑んでほしいというのが世界中のファンの思いではないだろうか。

 今夏プレーヤーオプションを行使して制限なしフリーエージェント(FA)となることがウワサされているレブロン。自身のキャリアに新たな功績を加えるべく、どのような決断を下すのか。今後も目が離せない。

BASKETBALLKING VIDEO