ドンチッチの競争心はジノビリと似ている？

　6月22日（現地時間21日）に開催される「NBAドラフト2018」の注目株の1人と称されているルカ・ドンチッチが、21日（同20日）にニューヨークへ到着した。

　『NBA Draft』の公式ツイッターアカウントへ、「ここに来ることができて僕は本当にハッピーだ」「この瞬間を楽しみたい。僕にとって、（ドラフトされてNBA入りすることは）夢が実現することだからね」と語っていたドンチッチ。

　今季、レアル・マドリードの主力としてユーロリーグのタイトル獲得に大きく貢献し、ファイナル4のMVPにも選ばれた19歳のガードは、今年のドラフトで上位指名が確実視されている逸材である。

　ここでは、21日（同20日）に現地メディア『HoopsHype』に掲載されていた記事から一部を紹介したい。この記事にはユーロリーグでドンチッチと対戦した選手たちのドンチッチ評が掲載されていた。

■ユーロリーグで対戦した選手たちが語るドンチッチ評
※選手名の右側にある数字はドンチッチとの対戦試合数

1.ドレル・ライト：2度
（NBAで11シーズンプレー。今季からユーロリーグへ移籍。トロント・ラプターズでプレーするデロン・ライトは実弟）

彼の持つチャレンジ精神が好きだね

「彼はすばらしい競争者であり、自身のゲームに対してとても自信を持っている。それに、彼はどんなことでもチャレンジしようとする。俺が好きなのはそこだね。その自信と競争心があれば、リーグが変わろうと、今後も彼の成長を手助けしてくれるだろう」。

ウォリアーズに在籍した2シーズン、ライトは平均13.8得点を挙げた[写真]=Getty Images

2.ブラッド・ワナメイカー：11度
（フェネルバーチェに所属。NBAチームも獲得に興味を持つガード）

ドンチッチはすべてをこなせる選手だ

「彼はスペシャルな選手だ。彼はすべてをこなすことができるんだ。コンスタントにプレーし、クラッチタイムでもプレーを決め切ることができる。（NBAでも）彼はうまくやっていけると思う」。

今年のユーロリーグ決勝でもマッチアップしたドンチッチ（左）とワナメイカー（右）[写真]=Getty Images

3.タナシス・アデトクンボ：11度
（ミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボの兄。昨季からユーロリーグでプレー）

今後もハードワークを続ければ、彼はNBAでもスターになれる

「ルカはオールラウンドプレーヤーで、いろんなやり方で相手を打ち負かすことができる。1つのことを遂行するだけじゃないんだ。ゲームの中で、彼は信じられないほどチームを良い方向へと導くことができる。NBAでスターになれるかどうかは、彼が今後もハードワークを続けることができるかにかかってる。それができれば、何だって起こりうるさ」。

高い身体能力を誇るアデトクンボ（左）とマッチアップを繰り広げるドンチッチ（右）[写真]=Getty Images

4.シェーン・ラーキン：5度
（今季はボストン・セルティックスでプレー。昨季はスペインのバスコニアに所属）

彼はあらゆるスキルが備わった万能型選手

「彼がヨーロッパにおいて、あの年齢（19歳）で成し遂げてきたことは、ただただ信じられない。多くの面で、（ヨーロッパでは）経験が才能を上回ってきたから、すごく難しいことだったはずだ。彼は年齢のわりにとても成熟している。彼について印象的なのは、決してフラストレーションをためこんだようにイライラした様子を見せないこと。NBAで十分なサイズと高い身体能力を誇る選手たちとマッチアップするのは興味深いね」。

今季はセルティックスで控えガードを務めたラーキン[写真]=Getty Images

　さらに、ラーキンはドンチッチについてこう評していた。

　「対戦してみて思ったのは、彼には必要とされるあらゆるスキルが備わっていること。シュートもできるし、パスやドリブルだってできる。ポイントフォワードとしてもプレーできる能力がある。プレーするリーグがNBAに変わろうと、どんなポジションでも対応できるんじゃないかな。俺が今までに見てきた中で、彼はポイントガードからパワーフォワードまでスイッチできる数少ない選手の1人なんだ。相手選手にとって、マッチアップで悪夢を見させることになると思う」。

5.アーロン・ジャクソン：3度
（昨季までユーロリーグでプレー。今季終盤にヒューストン・ロケッツと契約したガード）

彼の競争心はジノビリをほうふつさせる

「数年前、彼がユーロリーグでプレーした初めの方の試合で、俺が所属するCSKAモスクワと対決したんだ。当時は彼に関する情報が不足していて、最初のポゼッションではショットを放たなかった。でも次のポゼッションで見事なディープ3ポインターを決めてね。次も同じことが起きたんだ。末恐ろしい16歳だった」と語ったジャクソン。

31歳でNBA入りし、プレーオフのロースターにも残ったジャクソン[写真]=Getty Images

　今季終盤にロケッツと契約し、プレーオフでも7試合に出場した男は、ドンチッチの競争心を称えていた。

　「ドンチッチとほかの選手たちとの違いとして挙げたいのが、競争心だ。プレー中であろうが映像を見るときだろうが、彼はすべてのポゼッションに注意を払って見ている。彼の持つ競争心はとても好きだね。マヌ・ジノビリ（サンアントニオ・スパーズ）に似ているものがある」。

　その一方で、「クイックなディレクション・チェンジが欠けているかな。特にNBAでは求められるスキルの1つだから」とジャクソンは語っていた。

　NBAではポイントガードでプレーするというウワサもあるドンチッチ。はたして、どのチームが即戦力として迎え入れるのか。22日（同21日）のドラフト当日が楽しみだ。