2018.07.12

レイカーズのペリンカGM「我々はレブロンの周囲を万能ディフェンダーで囲みたかった」

今夏の補強について語ったレイカーズのペリンカGM[写真]=Getty Images
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タフで万能なディフェンダーを複数人獲得したレイカーズ

 今夏のフリーエージェント(FA)市場で、ロサンゼルス・レイカーズは積極果敢に戦力増強を遂行している。

 リーグ最強プレーヤーのレブロン・ジェームズ獲得を皮切りに、ランス・スティーブンソン、ジャベール・マギーラジョン・ロンドとベテラン選手を獲得してきた。

 7月12日(現地時間11日)、レイカーズのロブ・ペリンカGMは、現地メディア『ESPN』へ今夏のプランについて「チャンピオンシップを勝ち取ることをゴールとするならば、これまでのチャンピオンたちがどのように構築されたのかを見ていく必要がある」と語った。これはレイカーズのバスケットボール運営部門代表を務めるアービン“マジック”ジョンソン(元レイカーズ)とペリンカGMが話し合ったことだという。また、レブロンは両者に対して、こう持論を語ったという。

 「ウォリアーズ相手に、彼らのスタイルでプレーしようとするのはトラップだと思います。彼らのスタイルでプレーしようとしても、打ち負かすことはできないでしょう」。

 そこでペリンカGMはスティーブンソンやマギー、ロンドといった個性が強いベテランを数人獲得した。「それこそが、我々がディフェンスとタフネス、そして選手層の厚さをチームに加えた理由なんだ。どこかでアドバンテージを得ることができるエリアを見つけようとしたんだ」とペリンカGM。

 レイカーズが獲得したベテランは、いずれもプレーオフでインパクトを残してきた経験豊富な選手である。ロンドはプレーオフを105試合も経験し、2008年には優勝、10年にはファイナル第7戦まで戦っており、レブロンが所属していたキャブスやヒートとのシリーズでも活躍し、何度も勝利の立て役者になっている。昨季のプレーオフでもニューオリンズ・ペリカンズの司令塔として、ポートランド・トレイルブレイザーズの戦術を分析し、陰のシリーズMVPとして攻防両面で大活躍した。

昨季プレーオフでウォリアーズと対戦したロンドは、シリーズ平均9.6得点7.6リバウンド11.4アシスト2.0スティールを挙げた[写真]=Getty Images

 マギーはウォリアーズの2連覇において、主にベンチスタートでディフェンスにリバウンド、ブロックで相手チームにダメージを与え、オフェンスではリング下のフィニッシャーとしてチームを勢いづけた。スティーブンソンは57試合のプレーオフ出場経験があり、レブロンと何度もマッチアップしてきたタフで強じんなディフェンダー。オフェンス面でもインパクトを与えることができる実力の持ち主である。ペリンカGMは、スティーブンソンについてこう評している。

 「過去に成功したチャンピオンチームやプレーオフチームを見てみると、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)にはデニス・ロッドマン(元デトロイト・ピストンズほか)、コービー・ブライアント(元レイカーズ)にはメッタ・ワールドピース(元インディアナ・ペイサーズほか)というように、スーパースターのチームにはランス(・スティーブンソン)のような、ゲームに鋭い切れ味を持ち込むタフなプレーヤーがいた。このチームにいるヤングコアには、レブロンによるリーダーシップが浸透していくだろう。それと共に、ランスの持つ自信にあふれたスタイルとタフネスも浸透していくと私は考えている」。

スティーブンソンが持つ万能性とタフネスは、レイカーズの若手選手に好影響をもたらすはずだ[写真]=Getty Images

昨季のロケッツからヒントを得たレイカーズ、ヤングコアの成長も加速させると期待大

 また、レイカーズは今夏、スペシャリストではなく、万能な選手を獲得したとペリンカGMは口にしていた。

 「我々は『おぉ、この選手はショットを決めることができる』といってスペシャリストとサインしたいとは思わなかった。我々が求めていたのはハイレベルなタフネスを持ち、ディフェンスができるだけでなく、ショットを決め切ることができるような、タフな2ウェイプレーヤーだった。昨季はウォリアーズが優勝したが、(ウエスト決勝で)ロケッツが見せたディフェンス面におけるタフネスは、(ウォリアーズに対して)アタックするに値すると思った」。

 ロケッツにはPJ・タッカークリス・ポールエリック・ゴードントレバー・アリーザ(現フェニックス・サンズ)といった、ディフェンス面におけるタフネスを備えた選手が多くいた。ペリンカGMは彼らがウォリアーズを大いに苦しめたと判断したようだ。レイカーズが獲得、あるいは再契約した選手たちについて、ペリンカGMはこう評している。

昨季プレーオフ。ロケッツはウォリアーズとの第4、5戦に連勝。その背景にはフィジカルコンタクトを多用した肉弾ディフェンスがあった[写真]=Getty Images

 「KCP(ケンテイビアス・コールドウェル・ポープ)はタフなディフェンダー兼シューター、ジョシュ・ハートは獰猛なディフェンダーとして成長しており、ショットを決めることができている。ロンドは歴史上で見ても粘り強く、タフな選手でスティールにも定評がある。我々は彼の持つメンタリティーを求めていた。ランスについても、ディフェンス面でタフなだけでなく、オープンコートでプレーでき、得点できる選手だからだ」。

 今夏の補強により、レイカーズの選手層は格段に増した。開幕までに、チーム内でし烈な先発争いが繰り広げられることだろう。その過程でも、新加入のベテラン陣が持つタフネスが、ブランドン・イングラムロンゾ・ボールカイル・クーズマといったヤングコアの成長を加速させると言っていい。

 新生レイカーズが、大混戦のウエストでどんなチームと化して戦いに挑むのか。やはりレイカーズから目を離してはならない。

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