2018.07.18

カワイ・レナードがデマー・デローザンを含むトレードでラプターズへ移籍確定か?

トレードが成立すれば、レナード(左)がラプターズ、デローザン(右)はスパーズへ行くことになる[写真]=Getty Images
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サマーリーグ期間中に「トレードはない」とラプターズ上層部に言われたが…

 レギュラーシーズン終了から数か月間というもの、幾度もトレードのウワサが駆け巡ったカワイ・レナード(サンアントニオ・スパーズ)の行先が、ようやく決まることになりそうだ。

 現地時間7月18日、リーグの情報筋が『ESPN』に伝えたところによると、スパーズとトロント・ラプターズのトレードが原則的に成立したという。

 この2チーム間によるトレードの詳細は、早ければ現地時間7月18日には明確になると同メディアは報じており、スパーズはレナード、ラプターズからはオールスター選出4度を誇るデマー・デローザンがこのトレードに含まれることになる。

 デローザンに親しい情報筋が『ESPN』のクリス・ヘインズ記者に伝えたところによると、デローザンはサマーリーグが行われたラスベガスでラプターズの上層部と会って話をし、(デローザンの)トレードはないだろうと伝えたばかりだった。

 昨季までラプターズ一筋9シーズンをプレーしたデローザンは、ここ5シーズン連続で平均20得点以上を記録。ラプターズのエースとしてチームを5年連続プレーオフへと導いてきた立て役者である。

 ラプターズは昨季まで指揮官を務めたドウェイン・ケイシー(現デトロイト・ピストンズHC)を解任し、アシスタントコーチのニック・ナースがHCに昇格。ナースはデローザンに対して「今季はディフェンス面でも多くの役割をこなしてもらいたい」と要求しており、今季もデローザンとカイル・ラウリー中心の布陣で戦うことになるだろうと言われていたやさきだった。

トレード成立となれば、デローザンは完全に巻き込まれた形となる。ラプターズに不信感を抱くのも当然だろう[写真]=Getty Images

成立すれば短期的にはラプターズの戦力アップ、スパーズは戦力保持か

 レナードの契約は2019-20シーズンまでだが、来季終了後(19年夏)に、プレーヤーオプションを破棄して制限なしフリーエージェント(FA)になることができる。そのため、このトレードでラプターズがレナードを獲得できたとしても、1シーズン限りで失う可能性がある。

 一方のデローザンは、契約が20-21シーズンまで残っており、約8,300万ドルという高額契約となっている。スパーズは今オフ、長年チームを支えてきたポイントガード、トニー・パーカーがシャーロット・ホーネッツへ移籍。シューティングガードのダニー・グリーンはプレーヤーオプションを行使して残留したものの、大ベテランのマヌ・ジノビリの去就は不透明のままとなっており、引退してしまう可能性も否定できない。そのため、スパーズがデローザンを獲得できれば、戦力の保持には成功する。

 この報道が出た直後、デローザンは自身のSNS(インスタグラム ストーリー)で、「彼らのことは信用できない。このゲームに忠誠なんてない」といった意味深な言葉を投稿しており、この報道は信ぴょう性が高いと言えるだろう。

 レナードとデローザン、両者ともオールスターに複数回選出されたスター同士だが、実績面では前者が大きく上回る。レナードは14年の優勝とファイナルMVP、2度の最優秀ディフェンシブプレーヤー賞を獲得しているからだ。ディフェンス面ではリーグ最高級の実力を持ち、オフェンス面でもデローザンを上回る能力を誇る。

 そのため、短期的に見れば、このトレードが正式に成立すればラプターズの方に分があるトレードとなるだろう。もっとも、複数の現地メディアによれば、レナードとデローザンの両者とも、このトレードに対して快く思ってはいないという。NBAはシビアな世界といえども、今後の両者のモチベーションに少なくとも影響を与えることは間違いなさそうだ。

レナードは昨年まで2年連続でオールNBAファーストチームとオールディフェンシブファーストチームに選出された実力者[写真]=Getty Images

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