2018.11.07

ナゲッツ戦終了後にボールを観客席へと放り投げたカイリーへ2万5,000ドルの罰金処分

マレー(奥)の行動に怒りを爆発させてしまったカイリー(手前)[写真]=Getty Images
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勝敗が決まった場面で2度も50得点超え狙いのショットを放ったマレー

 11月7日(現地時間6日)、NBAはボストン・セルティックスのオールスターガード、カイリー・アービングに2万5,000ドル(約282万5,000円)の罰金を科した。

 事の発端となったのは、6日(同5日)にペプシ・センターで行われたデンバー・ナゲッツ戦。ナゲッツ勝利が確定した終盤、この試合でキャリアハイの48得点を挙げていたジャマール・マレーが50得点超えを狙って終盤にショットを放ったことで、カイリーが怒りを爆発させたのである。

 今季、50得点超えを記録した選手は4人。クレイ・トンプソンの52得点、ステフィン・カリー(共にゴールデンステイト・ウォリアーズ)の51得点、さらにはブレイク・グリフィン(デトロイト・ピストンズ)とデリック・ローズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)が50得点を挙げている。

 トンプソンとカリーは50得点以上を挙げた試合で大差がついていたため、第3クォーター途中でベンチに戻り、グリフィンとローズが50得点を挙げた試合は終盤まで勝敗がわからないクロスゲームの末に残した数字だった。

 セルティックスとナゲッツの試合は、マレーが第4クォーターだけで19得点を奪ったこともあり、残り31.0秒にニコラ・ヨキッチがフリースロー1本を決めて115-107と、ナゲッツがほぼ勝利を手中に収めていた。

 残り28.0秒にテリー・ロジアーの3ポイントが外れ、ナゲッツのポール・ミルサップがリバウンドを獲得した時点で、決着がついていたのだが、そこからマレーがレイアップ、さらにカイリーのターンオーバーから獲得した最後のポゼッションにマレーが残り1.0秒ながら3ポイントを放ってしまい、カイリーの逆鱗に触れたのである。

マレーは大勢のファンの前で冷静さを失ってしまった[写真]=Getty Images

 試合終了直後、観客席へボールを投げ込んだカイリーはマレーの行動に対して「バスケットボールでああいうプレーをしてはいけない」と『ESPN』へコメント。さらに「シンプルなこと。やってはいけないんだ。これは伝統であり、このリーグに限らず、どんなバスケットボールゲームでもリスペクトしなければならない。試合に勝ったとわかったら、そこはもう暗黙の了解のようなもの。せっかくすばらしいゲームをしたのに、ああいったことをしてしまっては、さすがにおとなげないね」と続けた。

反省するマレーに対して理解を示すカイリー、来年3月の再戦に注目

 一方、マレーは試合後、こんな言葉を残している。

 「ボストンという組織とファンに対して、リスペクトしていないということはない。僕はただ、頭の中で50得点に届きそうだったから、(ホームのファンも)理解してくれると思ってショットを放ったんだ。でも、あの場面でやるべきじゃなかった」。

 カイリー自身も、マレーがそのことを知らなかったとは捉えていない。50得点という大台、そしてホームの観客を前に起きてしまったと認識しているようだ。カイリーは言う。

 「彼は知っていたとは思う。だからこれを機に、今後は同じようなことをやらないでほしいね。どんなゲームであろうと、相手チームをリスペクトすることが大切なんだ。試合後に僕はそれを感じることができなかった。だからキャリアハイの得点を挙げた試合のボールが観客席に行ってしまったのさ」。

 ナゲッツはウエスタン・カンファレンス、セルティックスはイースタン・カンファレンスに所属しているため、この両チームが今季戦うのはあと1試合。試合後に問題が勃発してしまったとはいえ、ゲームとしてはきっ抗した展開で、スリリングなものだった。そのため、来年3月19日(同18日)の再戦でカイリーとマレーがどんなマッチアップを見せてくれるのか。注目していきたいところだ。

カイリーはこの試合、7割を超える高確率でショットを決めてシーズンハイに並ぶ31得点をマークしていた[写真]=Getty Images

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