得点力だけでなくパサーとしての魅力も兼備した今季の新人王有力候補
今年のドラフトで、アトランタ・ホークスは1巡目3位でルカ・ドンチッチを指名後、ダラス・マーベリックスへとトレード。代わりにトレイ・ヤングと2019年のドラフト1巡目指名権(条件付き)を手にした。
11月15日(現地時間14日)終了時点で、ドンチッチは平均19.1得点6.4リバウンド4.2アシスト、ヤングは平均17.5得点3.4リバウンド8.2アシストを記録中。得点ではドンチッチ、アシストはヤングがルーキートップとなっている。
ドラフト当日にトレードされたことで、ドンチッチとヤングは今後何度も互いのパフォーマンスを比較されることになるだろう。
11月15日(同14日)に『Sports Illustrated』へ掲載されたインタビューの中で、ヤングはドンチッチについてこう語っている。
「彼(ドンチッチ)はすごい選手だ。だから僕は(アトランタがドラフトで失敗したと)しょっちゅう耳にする。彼は本当に優秀な選手になるだろうね。でもそれと同時に、僕は(ドンチッチよりも)良い選手になってみせる。僕が持つ能力を最大限に発揮して、進歩してみせる。僕にはそれができると思ってるんだ」。
ヤングは広いシュートレンジを誇り、クイックリリースでリングを射抜くことができるシュート力があるのだが、パサーとしての魅力も兼備している。特に見事なのはラップアラウンドパス(身体に巻き付けるようにして繰り出すパス)だ。ホークスのロイド・ピアースHCは言う。
「左手、右手、どちらからも繰り出すラップアラウンドパスは驚くべきものだ。(ディフェンダーの)身体に巻き付けるかのようにして見せるパスは、そう多くの選手ができるものではない。ヤングはペリメーターからさまざまな角度へと繰り出すことができるんだ」。
ヤング自身もパスについては自信を持っており「(ラップアラウンドパスは)僕のお気に入りさ。僕のパスについて誰かが話しているのを聞くのが大好きなんだ」と認めている。
ピック&ロールからスムーズにパスを繰り出すドンチッチも見ていて優雅だが、ヤングのパスも針の穴に糸を通すように正確で、華やかさも持っている。
ルーキーということもあり、互いに平均4本近くのターンオーバーを犯しているものの、パスで魅せることができる点もこの2人の魅力と言っていいだろう。
現時点で今季の新人王争いは、ドンチッチとヤング、そしてルーキートップの平均10.6リバウンドに16.0得点2.9アシストを記録するディアンドレ・エイトン(フェニックス・サンズ)の3人に絞られたと見る向きが強い。
今後どこまでそのパフォーマンスを高めることができるか。とても楽しみである。