渡邊雄太選手のNBAデビューの際、にわかに話題となったのがその渡邊雄太選手の写真が掲載されたトレーディングカードだった。NBAプレーヤーの証とも言えるトレーディングカードは毎年様々なシリーズが発売される。その歴史は古く、NBAのファンの間ではNBAを楽しむアイテムとしても知られている。でも、それがどのようなものかを分からない人も多いのではないだろうか。この連載ではトレーディングカードで知っておきたいことをまとめていきたいと思う。そして、渡邊選手がプレーするNBAをより楽しんでほしい!
文=soma
写真協力=株式会社ミント
2018年10月27日、渡邊雄太選手(メンフィス・グリズリーズ)がNBAのレギュラーシーズンゲームのコートに立ち、史上2人目となる日本人NBA選手が誕生した。そしてその1カ月後に発売されたNBAカード”2018-19 Panini PRIZM”(以下PRIZM)において、Yuta Watanabeの初NBAカードが封入された。
この渡邊選手のPRIZMのカードはNBAファンであればぜひとも手に入れたい1枚だが、NBAカードに詳しくない人にはそもそもコレが何なのか、どこで手に入れたらいいのか分からない人も多いのではないだろうか? 今回はそういった基本的な情報を渡邊選手のカード画像を元にして説明していきたい。
まず「NBAカードとはなんぞや?」というところから。これは特に説明するまでもなくNBA選手のカードということになるのだが、さらにに詳しく記述すると「そのシーズンにNBAに所属した選手を対象にしたカードセット」となる。
このPRIZMは”2018-19″という表記から分かるように、2018-19年シーズンにNBAでプレーする選手のカードが入っている。選手カードの総数は実に300枚。このセットを全て揃えることができれば、PRIZMというカードによる2018-19年シーズンのNBA選手名鑑が完成するわけだ。
じゃあ渡邊選手のカードを手に入れるためにはその300枚からなるセットを丸々手に入れなければいけないのか? と言えばそうではない。よくコンビニやおもちゃ売り場でカードゲームのパックが販売されているが、NBAカードもそれと同様に中身が見えないパックの中に複数枚のカードがランダムで封入され販売されている。
なので運よく1パック目で渡邊選手のカードを引き当てることができれば、セット全部を揃えなくても1パック分の購入金額で済むことになる。このパックから特定のカードを引き当てる確率は、パックに”12 cards are per pack”と書いてあるので、ダブリのカードが出ないと仮定すれば300分の12の確率。つまり25分の1の4%で、確率的には25パック開封したら渡邊選手のカードが1枚出てくる計算となる。
1枚のカードのためにそんなにパックを開けられないという方はこういったカードを専門的に扱っているカードショップに問い合わせてみるといいだろう。お目当ての選手のカードの在庫があれば単品で1枚から販売してもらえるし、遠方の人のために通販に対応しているショップもある。
ショップでお目当てのカードを単品で買えるなら別にパックを開ける必要はないのでは? と思えるが、パック開封にはパック開封の醍醐味があるのだ。
まず第一に「何が当たるか分からない」楽しさを味わうことができる。自分が知らない選手やリーグを代表するスター選手まで、誰のカードが出るのかという楽しさはパック開封ならではのものだ。
次に「思わぬお宝カードを引き当てる」可能性があること。今年MLBの大谷選手のカードがオークションに出品され2000万円以上の値で落札されたニュースが世間を騒がせたが、そのカードも元はと言えば誰かが引き当てたもの。「もしかしたら今自分が開けようとしているパックにそんなカードが眠っているかも?」と考えるとワクワクしてこないだろうか。
最後に「自分でカードを引き当てる」、その行為そのものがパックを開封する最大の魅力と言える。
例えばあなたがパックを開封して、その中で1枚金色に輝くカードが出てきたとしよう。しかしそのカードの選手は名前も聞いたことがないような無名の選手。ショップで売られていてもまず自分からは買わないような選手だ。
ところが、ある日NBAを見ているとその選手が試合に出てきた。その時、おそらくあなたは今まで興味もなかったその選手のプレーを目で追っている自分に気がつくだろう。
このように自ら引き当てたカードはそれがどんな選手でも特別な思い入れを持つようになる。それが元々自分が欲しいと思っていた選手のカードならば、自分が直接引き当てたという思い入れも含めた宝物となるはずだ。
今回は記念すべきNBAデビューを飾った渡邊選手のカードを中心にしてNBAカードの紹介をしていったが、次回からはテーマ別にNBAカードの魅力をもっと掘り下げて伝えていきたいと思う。