2019.02.10

オールスター出場選手紹介⑬/アンソニー・デイビス(ペリカンズ)

6年連続6度目のオールスターとなったデイビス[写真]=Getty Images
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2月18日(現地時間17日)に迫った「NBAオールスターゲーム2019」。今年もイースタン・カンファレンスとウエスタン・カンファレンスによるゲームではなく、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)がキャプテンを務める「TEAMヤニス」と、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)がキャプテンを務める「TEAMレブロン」というオリジナルチームの対決という形で行われる。そこでバスケットボールキングでは、今年のオールスター出場選手を紹介していく。

■オールスター出場選手⑬ TEAMレブロン
アンソニー・デイビス(ニューオーリンズ・ペリカンズ)

フォワード-センター/208センチ/114キロ/キャリア7年目
Twitterアカウント:@AntDavis23
Instagramアカウント:@antdavis23

<NBAにおける主な記録・功績>
オールNBAファーストチーム選出:3回(2015,17,18)
オールNBAディフェンシブファーストチーム選出:1回(2018)
オールNBAディフェンシブセカンドチーム選出:2回(2015,17)
オールスターMVP選出:1回(2017)
オールスター選出:6回(2014~19)
ブロックショット王:3回(2014,15,18)

<2018-19シーズン 個人成績>
平均36.8分29.4得点13.2リバウンド4.3アシスト1.7スティール2.6ブロック
※2月9日(現地時間8日)終了時点

トレード志願で世界中の注目を集めたリーグ最高級のビッグマン

 昨年9月下旬のこと。デイビスは現地メディア『The Times-Picayune』へ掲載された記事の中で、「僕の目には、自分こそがリーグのベストプレーヤーだと映っている。今、僕は本当にそう感じているんだ。それが間違っているとは誰にも言わせない」と自信満々に宣言。

 昨季リーグ唯一となるオールNBAファーストチーム、オールディフェンシブファーストチーム入りを果たしたデイビスは、代理人をリッチ・ポールへと変更し、意気揚々と今季を迎えた。

 ペリカンズは昨夏にデマーカス・カズンズ(現ゴールデンステイト・ウォリアーズ)やラジョン・ロンド(現レイカーズ)が移籍。ジュリアス・ランドルやエルフリッド・ペイトンを加え、新たな布陣となったのだが、開幕4連勝と絶好のスタートを切る。

今季は平均4.3アシストと、自己最高のペースでチームメートたちの得点機会を演出[写真]=Getty Images

 ところが、ペリカンズはそこから6連敗。その直後に3連勝で勝率5割へと巻き返すも、チームは勝ったり負けたりと安定せず、12月下旬には5連敗を喫してしまう。12月22日(同21日)のレイカーズ戦前には、ポールという同じ代理人と契約するレブロンと一緒にプレーすべく、デイビスのトレードに関するウワサが渦巻く。

 レイカーズ戦に敗れた後、「僕はお金よりもレガシーを手に入れたい。僕のことを尊敬してくれる小さな子どもたちに、ADのレガシー(コートで残した功績)を伝えたいんだ。このコミュニティーと、良きチームメートと共にハードにプレーし、チャンピオンシップを勝ち取ること、それが僕にとって最も重要なことなんだ。確かにお金はとんでもないもの。でも僕は、お金よりもレガシーが重要だ。僕のレガシーというのは、毎回戦って勝利していくことになると思ってる」とデイビスは『Yahoo Sports』へコメント。今季終了後に“スーパーマックス契約”と呼ばれる超巨額契約をペリカンズと結ぶことができるデイビスは、お金よりも勝利を重ねてコート上で残すレガシーを重要視していると明かした。

 だが、デイビス擁するペリカンズは1月になってもチームの調子はなかなか上がらず、負け越しの戦績になると、現地時間28日に代理人ポールを通じてリーグ全体に衝撃が走る。

 デイビスがペリカンズと再契約するプランはなく、「コンスタントに勝利することができ、チャンピオンシップを競い合うことができるチーム」へのトレードを要求したのである。

 公の場でトレードを志願したことで、NBA側から罰金処分を受けたものの、リーグベストと言っても過言ではないビッグマンのトレード志願に、レイカーズをはじめとする複数のチームが動き出したことは言うまでもない。

ブロック王にも3度輝くなど、ディフェンス面でも相手チームへ脅威を与えるデイビスは、攻防両面でリーグトップレベルを誇るビッグマンだ[写真]=Getty Images

 しかし、2月8日(同7日)のトレードデッドラインまでにデイビスのトレードは成立せず、今季はペリカンズの一員としてプレーすることとなった。9日(同8日)のミネソタ・ティンバーウルブズ戦、ホームのスムージー・キング・センターに姿を現したデイビスへ、観客は容赦なくブーイングを浴びせる。

 それでも、デイビスは約25分のプレータイムながら両チームトップタイとなる32得点に9リバウンド3ブロックをマークし、大黒柱としてチームに勝利をもたらした。選手紹介から試合開始後もブーイングは続いていたものの、デイビスがショットを決めていくたびに減っていった。

 「俺はゲームを愛している。プレーするのが大好きなのさ。俺とチームメートたちは特別な関係を構築している。だから俺は、彼らと共にコートへ立ちたい。彼らもそれを望んでくれた。シンプルなことさ」と試合後に『AP』へコメント。

 デイビス争奪戦は今季終了後に再び幕を開けることとなる。だがそれまでは、2年連続プレーオフ出場を目指し、攻防両面でゲームにインパクトを与えることができるビッグマンはペリカンズをけん引していく。

<オールスターモーメント>
17年のMVP、今年はプレーよりもチームメートとの“会話”が最も注目されそう

 ペリカンズのホーム、スムージー・キング・センターで行われた17年のオールスター。デイビスは約32分に出場し、オールスター史上最多となる52得点を奪う大暴れを見せてMVPに輝いた。この時のインパクトを考えると、昨年はプレータイムも約17分と短く、12得点2リバウンドでフィニッシュ。

 今年は2年連続で「TEAMレブロン」の一員としてプレーするデイビス。だがトレード志願した経緯があるだけに、プレーよりも今季終了後に向けたやり取りに注目が集まるはず。特にレブロンとの会話は、デイビス本人がプレーに集中したくとも、数多くのメディアからSNSを通じて拡散されることが濃厚だ。

今年のオールスターでは、デイビスが鮮やかなダンクを連発しようとも、それ以外の部分ばかりが注目されそう[写真]=Getty Images

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