2019.02.20

リーグ屈指のセンターとなったジョエル・エンビード「ジョーダンはG.O.A.T.じゃない」

今季リーグトップとなる48回のダブルダブルを誇るエンビード[写真]=Getty Images
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エンビードが“G.O.A.T.”と評したのは伝説の巨人チェンバレン

 フィラデルフィア・セブンティシクサーズの大黒柱ジョエル・エンビードは、2年連続でオールスターゲームのスターターに選出されたリーグ屈指のセンター。今年のオールスターでは約23分に出場し、10得点12リバウンドのダブルダブルをマークした。

 今季のレギュラーシーズンではここまで54試合に出場し、平均33.7分27.3得点13.5リバウンド3.5アシスト1.9ブロックを記録し、ダブルダブルの回数ではリーグトップの48回を記録している。

 キャリア3年目のエンビードは213センチ113キロの24歳。カメルーン出身のビッグマンはポストプレーからドライブ、ジャンパー、3ポイントまでこなす万能型で、大きな歩幅から軽やかにユーロステップを繰り出し、フェイドアウェイジャンパーも難なくこなすスキルを持っている。

エンビードはキャリア3年目にしてリーグ有数の攻防に秀でたビッグマンとなった[写真]=Getty Images

 2月20日(現地時間19日)にYouTubeへ公開された『The Ringer』の動画の中で、そのエンビードが自身の“G.O.A.T.論”について語っていたので紹介したい。

 “Greatest Of All Time(史上最強)”を意味するこの“G.O.A.T.論”において、最も多く挙がる選手はやはりマイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)だろう。6度の優勝とファイナルMVPをはじめ、ジョーダンがNBAで残した偉業の数々は枚挙にいとまがない。

 最近では現役最強の評価を誇るレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)やNBA歴代2位となる1試合81得点を残したコービー・ブライアント(元レイカーズ)の名前をよく目にする。

 そんな中、「ジョーダンはG.O.A.T.じゃない」とエンビードがコメント。自身と同じポジションというのもあるかもしれないが、エンビードはウィルト・チェンバレン(元フィラデルフィア・ウォリアーズほか)の名前を挙げていた。

 「俺からすれば、(G.O.A.T.は)ウィルト・チェンバレンだ。その理由は、彼が数多くの記録を保持しているということ。それらは決して破られていないものなんだ。これまで、1試合100得点を記録した選手なんて見たことがない。だからこそ、彼がG.O.A.T.なんだ」。

 チェンバレンは1試合100得点をはじめ、キャリア14シーズンで平均45.8分30.07得点22.9リバウンド4.4アシストを残した伝説の巨人。平均リバウンドは歴代トップであり、平均30.07得点はジョーダン(平均30.12得点)に次ぐ僅差の2位に君臨するチェンバレンは、7年連続得点王に加え、11度のリバウンド王、フィールドゴール成功率では9度もリーグトップに立つなど、とてつもない記録をたたき出してきた。

 通算3万1,419得点は歴代6位、2万3,924リバウンドは歴代トップを誇っており、1961-62シーズンには前人未到の平均50.4得点を残している。また、ジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)が31試合連続30得点以上を挙げてチェンバレンと並ぶ歴代2位タイの記録を残したが、1位はこのシーズンにチェンバレンが残した65試合。

 これらの記録を見ていくと、まるで非現実的な存在のように映ったとしても決しておかしくはないだろう。ただ、現役選手のみならず、大御所のメディアや関係者でも、チェンバレンのプレーをリアルタイムで見たことがある者は少ない。

 また、ブロックの統計を始めたのはチェンバレンの引退直後(73-74シーズン)だったこともあり、さらに驚愕のスタッツを残していた可能性は十分ある。

 チーム成績や優勝回数といった功績を含めると、優勝2回のチェンバレンはジョーダンやコービーよりもインパクトが弱い点は否めない。

 それでも、1選手が残した数字としては、70年以上の歴史を誇るNBAにおいても、チェンバレンが1、2を争う選手なのは間違いない。

NBAで数々の偉業を成し遂げたチェンバレン[写真]=Getty Images

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