インサイドを主戦場に攻防両面で活躍する超大型ポイントガード、シモンズ
3月10日(現地時間9日)、『news.com.au』に掲載された記事の中で、NBA史上屈指のレジェンド、コービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)がフィラデルフィア・セブンティシクサーズのオールスター、ベン・シモンズについて語っていたので紹介したい。
208センチ104キロの超大型ポイントガードとして昨季新人王に輝いたシモンズは、キャリア2年目の今季はオールスターに初選出されるなど、順調なキャリアを歩んでいる。
シモンズは9日(同8日)終了時点で65試合に出場し、平均34.3分17.0得点9.2リバウンド7.9アシスト1.4スティールをマーク。フィールドゴール成功率は56.1パーセントと、リング下を主戦場とするビッグマン並みの数字を残しているのだが、得点の大部分はリング下に特化。
今季はここまでリング下と近距離からのショットがフィールドゴール試投数の約9割を占めており、シモンズのリング下におけるショット成功率は7割を超えている。ドライブやポストプレー、合わせのプレーからダンクやレイアップ、フローターでほぼすべての得点をたたき出しているというのが現状だ。
そのため、ミドルレンジ(10フィートから16フィート)では成功率25.4パーセント、ロングレンジ(16フィートから3ポイントライン手前)からは6.2パーセントしか決めておらず、3ポイントも4本すべてをミス。
シクサーズ不動の司令塔としてディフェンス面でも効果的な役割をこなすシモンズ。ヘッドコーチ投票によってオールスター選手に選ばれたことは疑いようのない事実だ。しかし、今季を迎えるにあたって、シモンズはアウトサイドシュートも練習してきたものの、ここまではその成果が表れているとは言い難い。
コービーはキッドを引き合いに出してシモンズのジャンパー上達を促進
現地メディア『The Herald Sun』とのインタビューに応じたコービーは、シモンズについて「彼はジャンプショットを身に付けなきゃならない。馬鹿馬鹿しく聞こえるかもしれないが、私は本気でそう思ってる。もしこのままでは、キャリアを終える時にきっと後悔するだろう」と言及。
コービーは昨年9月にバスケットボール殿堂入りを果たした偉大な司令塔、ジェイソン・キッド(元ダラス・マーベリックスほか)を引き合いに出してこう語っている。
「彼が今後成長していくためには、シューティングを改善することが必要だと思う。(キャリアの)どこかの時点で、彼はジャンパーを身に付ける必要がある。ジェイソン・キッドはリーグ入りした時、決して有能なシューターではなかった。でも彼はキャリアの中でシュート力を磨き、このリーグにおけるベストな3ポイントシューターの1人にまで上りつめたんだ」。
9日(同8日)終了時点でシクサーズはイースタン・カンファレンス4位の41勝25敗。ジョエル・エンビードやジミー・バトラー、トバイアス・ハリスやJJ・レディックといった実力者がロースターに並ぶ中、コービーはシモンズの働きを評価しつつ、さらなる成長を期待しているという。
「確かに、ジャンパーなしでも彼はゲームを支配することができ、長い間低迷していたフィラデルフィアという街を好位置へと導く活躍を見せている。でも、ジャンパーを身に付けることで、彼のゲームはさらに進歩することになるはずだ」とコービー。
シモンズはアウトサイドシュートに難があるとはいえ、現時点においても攻防両面でチームにポジティブな要素を持ち込むことができる。ただ、大の負けず嫌いであるシモンズにとって、このままジャンパーを身に付けずにキャリアを終えることはないはず。
遅かれ早かれ、シモンズが偉大な選手となるべく、ジャンパーを身に付ける日が来ることだろう。これが実現すれば、シクサーズは本物のタイトルコンテンダーへ昇華すると期待したい。