2019.04.03

カードマスターへの道【第4回】正しいカードの収納方法

せっかく手に入れたカードだから大切に保存したい。今回は保管法をアドバイス [写真提供]=株式会社MINT
ライター/イラストレーター。長年カード関連の企画・出版物に記事を寄稿しているライターであると共に自身も1990年代初頭から四半世紀に渡りカード収集を続けているカードマニア

 カードを本格的に集めている人でもそうじゃない人でも、ある程度の期間カード収集を続けていたら、それなりに整理が必要になるほどの枚数が溜まってくる。カード10枚入りのパックを10パック開けたら100枚。それを何回か繰り返していれば1000枚突破もあっという間だ。

 またそれだけの量のカードが集まると、「これは他のものとはちょっと違う」というような貴重なカードも1枚や2枚は持つようになっているだろう。そんなカードはいつまでもキレイな状態のまま保存したいもの。ディスプレイ用のケースの中に入れて部屋に飾っておくのも良いかも知れない。

 今回はカード収集を始めるうえで最初に突き当たる壁、「カードの収納方法」について話していこうと思う。

基本中の基本、いいカードはスリーブへ

 カードを保護するうえで一番大事なことと言えば、「まずはスリーブに入れる」ことだろう。スリーブとはカードがピッタリと納まるように作られた透明のポリ袋のことで、最も簡易的なカードの収納用品となる。スリーブに入れることによってカードへのあらゆる直接的なダメージを避けることができる。

基本中の基本、いいカードはスリーブへ [写真提供]=株式会社MINT

 しかし、スリーブは単なるポリ袋なのでカードを物理的に保護するものにはなり得ない。もっとしっかりとカードを保護したい人には、硬質プラスチック製のカードケースであるトップローダーがおススメだ。

 トップローダーにカードを入れておくと、ちょっとやそっとの衝撃が加わっても中のカードはキズつかない。だがカードをトップローダーにそのまま入れてしまうと、硬質プラスチックとカードの表面が擦れて細かなキズがついてしまうので、それを防ぐためにもカードをスリーブに入れた後にトップローダーに入れるのが鉄則だ。だからこそ貴重なカードは「まずはスリーブに入れる」ことが大事なのである。

もっとしっかりとカードを保護したい人には、硬質プラスチック製のカードケースであるトップローダーがおススメ [写真提供]=株式会社MINT

今のトレンドはマグネットホルダー

 貴重なカードの保護に関しては、上述の「スリーブ+トップローダー」での収納方法が過去20~30年ほどのトレンドだったが、近年はマグネットホルダー(以下マグホ)に入れるコレクターが多くなってきた。

 マグホは下の写真のような感じで透明なホルダーの中にカードを納める収納用品。カードをスリーブにも入れずにそのまま納めるため、カードを直に見ている感覚に近くとても見栄えが良い。

今のトレンドはマグネットホルダー [写真提供]=株式会社MINT

「スリーブに入れなくて大丈夫なのか」という心配はあるだろうが、トップローダーのようにカードを滑らせてケースに入れるわけではないので、スリーブ無しでもカード表面が擦れてキズがつく心配はない。またマグホのカドの部分はカードと直接当たらないようにダイヤモンド状に切り取られていて、カードそのものをキズつけない配慮が十分に施されている。

たくさんのカードを収納するには?

 ここまでは貴重なカード、大事なカードの収納方法について言及してきたが、持っているカードがそういうカードばかりとは限らない。普段からパックを開けている人や、特定のセットのコンプリートを目指している人は、数百枚、数千枚レベルの「普通のカード」を持っているわけで、それらを1枚1枚保護していたらきりがない。

 そんな場合は、ストレイジボックスと呼ばれるカードを収納するために作られた特別な箱の中にカードをゴッソリと入れて管理するのが一番だ。ただのダンボール箱と違い、カード用に作られたストレイジボックスはカードを立てて収納することができ、イチイチカードを取り出すことなく上から覗き込んで目当ての1枚を探すことができる。

ストレイジボックスで大量のカードを管理する [写真提供]=株式会社MINT

 ストレイジボックスで大量のカードを管理する場合は、予め年代別に分けておいたり、アルファベット順や選手別に分けておくなりして、そこにカードよりも少し背が高い仕切りを入れておくと真っ先に目当てのカードにたどり着けるだろう。

自分で見る&誰かに見せるための収納用品

 せっかく集めたコレクション、「どうせなら他の人にも見てもらいたい!」という人にはアルバムに入れて持ち歩くのもひとつの手だ。この形式の収納用品はポートフォリオ型とバインダー型に分かれている。

 どちらも「9ポケットシート」と呼ばれる透明なシートにカードを入れるのだが、ポートフォリオ型はこの9ポケットシートが最初から固定で10枚ついている。一方、バインダー型はまずはバインダーだけの購入となるが、別売りの9ポケットシートを買い足すことによりいくらでも収納枚数を増やせる仕組みになっている。

自分で見る&誰かに見せるための収納用品だ [写真提供]=株式会社MINT

 そしていつでも見られるところに飾りたいカードは「スクリューダウン」と呼ばれるクリスタル素材のケースに入れて飾っておくといいだろう。ただし、直筆サインカードは蛍光灯などの部屋の光でもインクが色褪せて来てしまうので、見る時以外は必要以上に光が当たらないようにする工夫も必要だろう。

 またカードを美しくディスプレイするための商品をショップ独自で販売しているところもあったりするので、それらを使って自分のコレクションをどう美しく展示するか頭を悩ませ考えてみるのも、カード収集におけるひとつの楽しみ方だと言えるだろう。

 カード収集は息の長い趣味。ある時期では全く無名だった(例えばヤニス・アデトクンボのような)新人選手のカードが、時が経つと信じられないくらいに貴重なカードとして注目されることもある。「確かにあの時持っていたのに…」と後悔しないためにも、手に入れたカードはしっかり保管・管理しておきたい。

※注意
一般的なカードのサイズは63mm×88mmだが、ジャージーカードや高プレミアのカードの場合、縦横のサイズは同じでもカードの厚さが通常の2~5倍あるものが存在する。スリーブやトップローダー等を購入する際はちょうどそのカードが入る大きさなのか、事前に確認することが大切だ。

文=soma

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