2019.06.11

トニー・パーカーが18年のNBAキャリアに終止符「信じられない旅路だった」

キャリア平均15.5得点5.6アシストを残したパーカー[写真]=Getty Images
国内外のバスケ情報をお届け!

優勝4度、オールスターに6度も選ばれたスコアリングポイントガード

 6月11日(現地時間10日)、今季でNBAキャリア18シーズン目を終えたトニー・パーカー(シャーロット・ホーネッツ)が、現役引退を表明した。

 パーカーは同日、現地メディア『ESPN』の“The Undefeated”へ「僕は現役を引退することにするよ。今後はもう、バスケットボールをプレーしないと決断した」とコメントし、キャリアに終止符を打つこととなった。

 ベルギー生まれ、フランス育ちのパーカーは、188センチ83キロのポイントガード。2001年のNBAドラフト1巡目28位でサンアントニオ・スパーズから指名されると、昨季までの17シーズンを同チームでプレー。

 キャリア5試合目からスパーズの先発ポイントガードとして昨季途中まで君臨したパーカーは、電光石火のクイックネスとスピードを駆使し、ドライブからレイアップや芸術的なフローター(ティアドロップ)、ミドルレンジジャンパーを武器に得点とアシストを量産。スパーズの主軸として4度(03、05、07、14年)の優勝に大きく貢献し、07年にはファイナルMVPにも輝いた。

2013年のファイナル初戦で、パーカーは決勝弾となるジャンパーを放り込んだ[写真]=Getty Images

 これまでオールスター選出6度、オールNBAチーム選出4度を誇り、スパーズのフランチャイズ史上トップとなる6,829アシストを筆頭に、数多くの記録を残してきた。フリーエージェント(FA)となった昨夏、ホーネッツと契約を結び、今季はケンバ・ウォーカーのバックアップとして56試合に出場して平均17.9分9.5得点1.5リバウンド3.7アシストをマーク。

 豊富な経験とバスケットボールIQの高さでカバーしてきたものの、37歳となったパーカーは、ケガのため欠場する機会も多くなり、かつての自身とは異なる現状を、引退決断の理由に挙げている。

「いろんなことがこの決断へと導くことになったんだ。結局のところ、僕としてはこの先ずっとトニー・パーカーとしてプレーすることができないならば、そしてチャンピオンシップを勝ち取ることができないのであれば、今後はもうバスケットボールをプレーしたくないと思ったんだ」。

 同日、パーカーは自身のツイッターにて、「いろんな感情がこみ上げている中、僕はバスケットボールから退くことにした。本当に信じられない旅路だったよ! 途方もない夢であったNBAとフランス代表チームで、すばらしい瞬間を送ることができるだなんて思ってもいなかった。すべてにおいて感謝しています!」と投稿。

スパーズ時代の戦友、ダンカンとジノビリとのランチで引退を口にしたパーカー

 昨季までの17シーズンをプレーしたスパーズで、パーカーはティム・ダンカン(元スパーズ/16年に引退)、マヌ・ジノビリ(元スパーズ/18年に引退)と共にレギュラーシーズンで575勝をマーク。これはNBAにおけるトリオとしては史上最多勝記録となっている。

 パーカーをルーキーシーズンから指導してきたグレッグ・ポポヴィッチHC(ヘッドコーチ)は、「トニー・パーカーは間違いなく信じられないキャリアを送ったと思う。彼が19歳の頃から一緒にいることができ、とてもうれしく思っている」と目を細めた。

ポポヴィッチHC(左)指導の下、パーカー(右)はオールスター選手へと成長し、07年にはファイナルMVPに輝いた[写真]=Getty Images

 最近、パーカーはサンアントニオでダンカンとジノビリと共にランチをしたと明かし、引退についても話したという。

「彼らの反応は、『本気か?』というものだったんだけど、僕は『本当さ』と伝えたんだ。そしたらあの2人は『そうか。あめでとう。僕らは(サンアントニオで)すばらしいキャリアを送ってきた。テニスで君を打ち負かすことが待ちきれないね。これからはもっと多くの時間を一緒に過ごせるだろうね』と言ってくれたよ」とパーカー。

 ダンカンとジノビリについて、パーカーは「彼らとこの瞬間を共有できて最高だったよ。僕らは皆、別々の経歴でやってきて、一体となったからね」と振り返っていた。

 スパーズのレジェンドとして輝かしいキャリアを送ってきたパーカーは、早ければ来季にも背番号9が永久欠番となるだろう。そして将来、バスケットボール殿堂入りを果たすに違いない。

 フランチャイズ史上5度の優勝を飾ってきたスパーズの中でも、5本の指に入るほどの名選手となったパーカー。今はただ、世界中のファンへ魅せてくれたすばらしいプレーの数々に心から感謝したい。

スパーズ王朝の主役として長年活躍を続けたビッグ3(左からダンカン、パーカー、ジノビリ)[写真]=Getty Images