2019.06.14

激戦を制したラプターズが創設24年目で初優勝、ウォリアーズ3連覇の夢を敵地で砕く

フランチャイズ史上初優勝を成し遂げたラプターズ[写真]=Getty Images
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絶好調ラウリーが前半だけで21得点6アシストを挙げてラプターズをけん引

 6月14日(現地時間13日)、トロント・ラプターズ(3勝2敗)とゴールデンステイト・ウォリアーズ(2勝3敗)による「NBAファイナル2019」の第6戦が行われた。

 この日の会場はウォリアーズのホーム、オラクル・アリーナ。来季から「チェイス・センター」へとホームアリーナが変更となるため、この日は47年の歴史に幕を閉じる正真正銘のラストゲーム。

 ラプターズに追い込まれているウォリアーズだが、第5戦でアキレス腱を断裂したケビン・デュラントへの思いも込めて、ホームで負けられない一戦となった。

 試合序盤はカイル・ラウリーのスコアリングショーが開演。ドライブからレイアップを決めて先取点を挙げると、3本連続で3ポイントを放り込み、開始からわずか2分16秒で11得点。『Elias Sports Bureau』によると、NBAファイナル史上、最速で2ケタ得点を挙げた選手に。

ラウリーはこの日チームトップタイの26得点を挙げる大活躍を見せた[写真]=Getty Images

 対するウォリアーズは、この日先発入りしたケボン・ルーニーのダンク、アンドレ・イグダーラのレイアップで加点して対抗するも、過去4戦で3ポイントがリムに嫌われ続けていたパスカル・シアカムが約30秒間で長距離砲を2発決める復調ぶりを見せ、第1クォーター残り8分4秒でラプターズが9点リード。

 するとウォリアーズはイグダーラとクレイ・トンプソンのショットなどで2点差まで追い上げる。だがラプターズもフレッド・バンブリートの長距離砲やマルク・ガソルのフリースローで加点し、6点リードすると、デマーカス・カズンズがレイアップを決めてウォリアーズが4点差とする。

 そこでウォリアーズは、ゾーンディフェンスを敷いてラプターズのショットミスやターンオーバーを誘発。カズンズの3ポイントプレーやドレイモンド・グリーンのジャンパーで逆転に成功。

 しかし、絶好調ラウリーが3ポイントを沈めると、サージ・イバカカワイ・レナードのショットも続き、ラプターズ1点リードで最初の12分間を終える。

 続く第2クォーター。ラプターズはステフィン・カリーが3ポイントエリアでボールを受けると2、3人がチェックに入り、ドライブを仕向けるディフェンスを徹底。そんな状況の中、ウォリアーズはイグダーラやトンプソン、カズンズらが加点。対するラプターズは、シアカム、バンブリートの3ポイントで応戦し、僅差の攻防が続く。

 同クォーター中盤にイグダーラの2本連続ダンクを含む8連続得点をマークし、残り4分52秒でウォリアーズが3点をリードすると、ラプターズはレナードとシアカムのショットですぐさま逆転。

 その後トンプソンのフリースロー3本でウォリアーズがリードを奪い返すも、イバカのフックショットとダンクでラプターズがまたもや逆転と、シーソーゲームの展開に。だが前半終盤にレナードの3ポイントプレー、ラウリーのショットも決まってラプターズが60-57の3点リードで試合を折り返す。

3Qだけで12得点を挙げていたトンプソンが負傷、王者が最後まで粘るも惜敗

 第3クォーター。ラプターズはバンブリートとシアカムのショットが決まると、前半9得点とおとなしかったレナードが3ポイントと3ポイントプレーを決めて残り8分12秒で6点差をつける。

 負けられないウォリアーズは、ホームの熱狂的な大歓声を味方につけ、カリーやイグダーラ、トンプソンの3ポイントで盛り返す。

 しかし、残り2分22秒にトンプソンがファストブレイクでダンクする場面でファウルされると、着地時に左膝を痛めるアクシデント。一度ロッカールームへ向かうも、コートに戻ってフリースロー2本を確実に決め切り、ウォリアーズは5点のリードを手にしたのだが、チーム側がトンプソンはこの試合に復帰できないことを発表。

難しい態勢でも難なくショットを決め切ったトンプソンだったが、最後はケガに泣くことに[写真]=Getty Images

 ウォリアーズはその後、イグダーラの3ポイントでなんとか2点リードでこのクォーターを終えるも、デュラントとトンプソンを失ったことでラプターズのディフェンスはカリーに集中し、苦しい展開に。

 最終クォーター。カズンズとクイン・クックの得点でリードしていたウォリアーズに、バンブリートの長距離砲が襲い掛かる。ラプターズがバンブリートの3ポイントで残り9分6秒に同点へ追いつくと、ショーン・リビングストンのショットをはさんでバンブリートがまたもや3ポイントを放り込む。

 だがオラクル・アリーナのラストゲームで勝利を収めたいウォリアーズが王者の意地を見せつける。ドレイモンド・グリーンのティップイン、リビングストンのダンク、カリーのフローターで加点し、逆転を許さずに試合を進めていく。

 ところが、この日絶好調のバンブリートが残り3分46秒にまたもや3ポイントをねじ込んでラプターズが逆転。さらにイバカがオフェンシブ・リバウンドをもぎ取って押し込むと、残り3分3秒に5点差をつけた。

 カリーが厳しいマークに遭う中、ウォリアーズはカズンズのフリースローやドレイモンド・グリーンの3ポイントでなんとか食らい付き、残り46.9秒にカズンズがユーロステップからショットを決めて1点差の射程圏内へ追い込んだ。

 その直後にシアカムがドレイモンド・グリーンをかわしてショットをねじ込めば、カリーがフリースロー2本を決めていき、試合は最終盤へ。

 残り18.5秒で迎えたオフェンスで、ラプターズはダニー・グリーンが痛恨のターンオーバー(バッドパス)。ウォリアーズは残り9.6秒で1点差という場面で第7戦へと持ち込む最大のチャンスを手にする。

 イグダーラのスローインからパスを受けたドレイモンド・グリーンは、右45度付近へ回り込んできたカリーへ渡し、逆転をかけた3ポイントを放った。

 しかし、オラクル・アリーナに駆け付けたファンの思いもむなしく、ボールはリングに嫌われてしまい万事休す。ルーズボールをつかんだドレイモンド・グリーンがすでに使い切っていたタイムアウトを要求したためテクニカルファウルをコールされてしまい、レナードが冷静沈着にフリースローを沈めて最終スコア114-110でラプターズに軍配。フランチャイズ史上初の優勝を飾ることとなった。

ウォリアーズ3連覇の偉業を打ち砕いたラプターズ、MVPはレナードが獲得

 見事な戦いを見せたラプターズでは、ラウリーが26得点7リバウンド10アシスト3スティール、シアカムが26得点10リバウンド、レナードが22得点6リバウンド2スティール、バンブリートが3ポイント5本成功を含む22得点、イバカが15得点、ガソルが9リバウンド4アシストをマーク。

 3連覇を狙った王者ウォリアーズは、デュラント、トンプソン、ルーニーがシリーズ中の欠場を余儀なくされ、イグダーラも故障を抱えていたとはいえ、ラプターズはレナードを中心に攻防両面でまとまりを見せて王者の反撃をかわしてみせた。

 なお、ファイナルMVPに輝いたのはレナード。攻防両面でラプターズをけん引したレナードは、平均28.5得点を挙げる活躍で、ラプターズのフランチャイズ史上初優勝の立て役者となった。

 一方のウォリアーズでは、左膝の前十字じん帯断裂という大ケガを負ったトンプソンがゲームハイの30得点に5リバウンド2スティール、イグダーラが22得点、カリーが21得点7アシスト2スティール、ドレイモンド・グリーンが11得点19リバウンド13アシスト3スティール2ブロック、カズンズが12得点5リバウンドを挙げるも一歩及ばず。

 ケガ人続出でゲームプランを練ることも困難な状況となったウォリアーズだったが、王者として最後まで戦い切ったことは称賛すべきだろう。

 今年の頂上決戦は4勝2敗でラプターズに軍配が上がったのだが、勝敗以上にとても見ごたえがあるシリーズになったと言っていい。来季に向けて、ラプターズとウォリアーズのロースターが変動する可能性は十分あるものの、今はここ2週間ですばらしいシリーズを戦い切った両チームへ大きな拍手を送りたい。

すばらしいシリーズを見せたラプターズ(右/写真はレナード)とウォリアーズ(左/写真はカリー)[写真]=Getty Images