2019.07.22

ハーデン、今夏は新技の開発へ「僕の技はトラベリングではない」

ハーデンの新技は果たしてどのようなものになるのだろうか?[写真]=Getty Images
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今夏、新技の開発に取り組むというハーデン

 2018-2019シーズン、多くのエリートプレーヤーたちが活躍を見せる中、ジェームズ・ハーデン(ヒューストン・ロケッツ)の活躍ぶりに息をのんだファンは多かったかもしれない。このレギュラーシーズンに彼はキャリアハイとなる平均36.1得点をマークして得点王となり、2005-06シーズンにコービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)が記録した平均35.4得点を上回る数字をたたき出した。

 ハーデンをここまでアンストッパブルにさせた大きな要因の1つとして、ステップバックが挙げられる。彼の特徴としては3ポイントラインより外からアイソレーションをスタートし、いくつかのレッグスルーやクロスオーバーなどの小刻みなドリブルでディフェンスを惑わせる。そこで相手の一瞬の隙を突いて後方へジャンプし、3ポイントのプルアップジャンパーを放つという動きが、彼が独自に築き上げたシグネチャームーブだ。

 しかし彼のステップバックに対して現地の解説者や多くのNBAファンが、「あれはトラベリングなのでは?」と疑問に思う場面がシーズン通して散見されることもあった。そういった中で『ESPN』によると、地元のヒューストンのメディアによる販売促進イベントの質疑応答のセッションにて、ハーデンはとある子どもから、「なぜトラベリングのステップバックを使い始めたのか?」という質問に対して、以下のように答えた。

「このNBAという特にバスケットボールのレベルが極めて高い環境の中で、毎年自分がより良くなるための活路を見出さなきゃならない。そしてアドバンテージを作り上げることも必要だ。それが今僕がしていること。僕の技はトラベリングではない」

 トラベリングではないことを言い切ったハーデンは、「今年はさらにクリエイティブな何かに挑戦するよ。一見トラベリングに見えるだろう、けれどそれは違う」と続け、今夏は新たな技の開発に取り組むという。

今季は猛威を振るったハーデン(右)のステップバック[写真]=Getty Images

 また彼はステップバックに関して、「僕がヨーロッパや中国などのツアーだけでなく、ここアメリカにいる時でさえ、子供たちはステップバックに取り組んでいるんだ。何故なら他のライバルたちよりも成長ができる機会を得られる要因になるからね。だからそのステップバックがトラベリングと判定されるまで、もし本格的にコールされるようになっても、僕は道を模索し続けるよ、クリエイティブを手にし、ゲームにおける僕のインパクト築き上げるために」と自身の見解を強く示した。

 トラベリングと多くの人々から疑われているハーデンのステップバックのギミックが、例えばギャザーステップ(NBAにおけるトラベリングバイオレーションのルールの1つ。選手はボールを両手で保持してから、シュートかパスのために合法的に2ステップを踏める)による恩恵を受けているとすれば、理論上成立はしていると思われる。しかし彼のダブルステップバックが試合中にトラベリングとしてコールされるなど、どこか彼の技は疑念を抱かせてしまう要因はあるのだろう。

 来シーズン、ハーデンが果たしてどんな新技を披露してトラベリングの疑いを払拭するのか、注目されることになるだろう。

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