2019.10.05

サンダーのクリス・ポール「どんなチームやシステムであろうと僕はアジャストする」

今夏サンダーへと移籍したポール[写真]=Getty Images
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「ここに来れていい気分。ボールをもっとたくさん動かす機会を得たんだから」

 昨季までの2シーズン、クリス・ポールは優勝候補のヒューストン・ロケッツでジェームズ・ハーデンと共にプレーしていたものの、今夏のトレードでオクラホマシティ・サンダーへと移籍。

 ポールは昨夏、ロケッツと4年1億6,000万ドル(約169億6,000万円)という超高額契約を締結している。来季終了後(2021年夏)にプレーヤーオプションを破棄して制限なしフリーエージェント(FA)になることができる権利を持っているとはいえ、今後2シーズンで約8,000万ドル(約84億8,000万円)という契約が残る。

 サンダーはポールとのトレードでラッセル・ウェストブルック(現ロケッツ)、さらにはポール・ジョージ(現ロサンゼルス・クリッパーズ)を放出したことにより、再建へと踏み出しており、優勝を望む34歳のポールにとってはプレーオフ出場の可能性が薄いサンダーでプレーすることは複雑な心境と言っていいだろう。

 それでも、現地時間10月5日に地元メディア『The Oklahoman』へ掲載された記事の中で、ポールは「僕はここに来ることができていい気分だ。ボールをもっとたくさん動かす機会を得たんだから」と、ポジティブな言葉を口にしていた。

ポールは現役トップの 9,181アシストを記録する生粋の司令塔[写真]=Getty Images

 ここ2シーズン、サンダーはウェストブルックとジョージを中心に戦い、2年連続でプレーオフへ出場したものの、結果は2年連続の1回戦敗退。どこかで現行体制に限界を感じる部分があったのかもしれない。

 事実、過去4シーズンにおいて、サンダーの1試合平均のパス回数はいずれもリーグワースト。ウェストブルックとジョージという“ゴー・トゥ・ガイ”こそいたものの、相手ディフェンスをパスで崩すよりも、個人技で突破していたケースが多かった。

 それに対して、今季はポイントガードとして安定感抜群のコントロールを誇るポールがおり、ジョージとのトレードでクリッパーズから加入したシェイ・ギルジアス・アレクサンダーがいるため、ボールムーブメントの面では大きく改善することが期待できる。

 スコアラーとしてはポール、ダニーロ・ガリナーリデニス・シュルーダーがいるものの、勝負どころで誰にボールを託すかは気になるところ。また、チーム最古参のスティーブン・アダムズはトレード候補に挙がっており、今季終了後に制限なしFAになるガリナーリもトレード候補となる可能性もある。

 だが、キャリア15シーズン目のポールは動じない。「どこでプレーしようと、どんなシステムであろうと構わない。僕はアジャストしてみせる」と口にしており、自身が今後トレードになったとしても、司令塔として正しいプレーをしていくことができるに違いない。

 今季サンダーという再建チームでプレーするとなれば、ポールがチャンピオンシップを勝ち取ることは絶望的なのは否定できない。それでも、神経質な表情でフラストレーションを押し殺しながらプレーしていたここ数年よりも、精神的な余裕を持って若手を指導するポールは、バスケットボールを楽しんでプレーすることができるのではないだろうか。

ポール(右)は今季、21歳のギルジアス・アレクサンダー(左)とプレーすることとなる[写真]=Getty Images

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