再建中のサンダーでプレーするポール「いつだってハイレベルで競い合おうとしている」

若手中心のサンダーを束ねるポール[写真]=Getty Images

「僕はいつだって良きチームメートでありたいとトライしているんだ」と明かす

 今夏のトレードで、クリス・ポールはヒューストン・ロケッツからオクラホマシティ・サンダーへと移籍し、今季は若手ぞろいのチームで先発ポイントガード(PG)としてプレーしている。

 サンダーは今夏にポールとのトレードでラッセル・ウェストブルック、ロサンゼルス・クリッパーズとのトレードでポール・ジョージを手放し、直近2シーズンにおける2枚看板が退団。

開幕前に移籍することもウワサされたポールだが、ここまでは先発PGを務めている[写真]=Getty Images

 複数のドラフト1巡目指名権を手にしたサンダーは今季、ジョージとのトレードで獲得したシェイ・ギルジアス・アレクサンダー、デニス・シュルーダースティーブン・アダムズを中心に戦っており、ここまでウェスタン・カンファレンス12位の4勝7敗。上位ではないものの、戦前の予想よりも勝ち星を手にしているのではないだろうか。

 その要因と言っていいのは、ここまで全試合でスターターを務めているポールとダニーロ・ガリナーリという2人のベテランの存在だろう。サンダーのロースターには20代の若手が多いものの、ポールはキャリア15年目の34歳、ガリナーリはキャリア11年目の31歳で、数少ない30歳以上の選手でもある。

 12日(同11日)終了時点で、ポールは平均29.9分16.1得点3.6リバウンド5.2アシスト1.7スティール、ガリナーリは平均29.3分18.6得点5.0リバウンド1.7アシストと、トップスコアラー(平均21.0得点)のギルジアス・アレクサンダーをサポートする第2、3の選手として支えている。

 特にポールは司令塔兼リーダーとしてロッカールームでもヴォーカルリーダーとなっており、ビリー・ドノバンHC(ヘッドコーチ)にとっても貴重な存在と言っていい。

 だが、ロースターの中には何度もプレーオフを経験しチャンピオンシップ争いをこなしてきたポールのスタイルにまだなじんでいない選手もいるようだ。

 俳優、コメディアンとして活躍し、NBAオールスターではほぼ毎年登場するほど大のバスケットボールファンでもあるケビン・ハートの“Cold as Balls”のYouTubeへ参加したポールは、「何人かの選手たちは、たぶん僕とプレーすることに対して難しいと思っている」と認めている。

 もちろんこれはチーム内で不仲だから、という理由ではなく、あくまでポールのスタイルになじみきれていないから、というもの。

「僕はいつだってハイレベルに競い合おうとしているし、良きチームメートでありたいとトライしている。もし(チームメートたちを)指揮することができれば最高さ。もしできなければ? 自分ができることをするまでさ」とポールは言う。

 ギルジアス・アレクサンダーやハミドゥ・ディアロ、ダリアス・ベイズリーといった若手が全盛時を迎える時、おそらくポールはNBAの舞台から引退しているだろう。現時点ではキャリアに大きな差異があり、プレーしづらいと感じたとしてもおかしくはない。

 それでも、リーグ屈指の司令塔として長年プレーしてきたポールから学べることは多いはず。ポイントガードの仕事だけでなく、豊富な経験を持つポールならば、成長過程にある若手たちへ、メンター(助言者)として大きな影響を与えることができるはずだ。

持ち前の正確なシュート力とフットワークを活かして得点を挙げるポール[写真]=Getty Images

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