2020.02.04

ロケッツがウイングとセンター補強のためカペラをトレードか?

ロケッツの主力として活躍しているカペラ[写真]=Getty Images
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トレードの噂が広まるカペラ

 2月3日(現地時間2日)、『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者によると、ウェスタン・カンファレンスの強豪であるヒューストン・ロケッツが、センターのクリント・カペラのトレードについて、イースタン・カンファレンスの複数のチームと話し合いを行っているという。その中にアトランタ・ホークスとボストン・セルティックスが含まれており、ロケッツ側は今後のウイングプレーヤーとセンタープレーヤーの取引のために、1巡目指名権を見返りに求めているそうだ。そしてそのウイングを補強する上で、ターゲットとされているのはロバート・コビントン(ミネソタ・ティンバーウルブズ)と、アンドレ・イグダーラ(メンフィス・グリズリーズ)だという。

 また『NBC Sports』によれば、ロケッツのオーナーであるティルマン・ファティータ氏はラグジュアリー・タックス回避を望んでおり、チームのサラリーを削るように球団へ命じているそうだ。もともとロケッツのゼネラルマネージャーであるダリル・モーリーは、勝利を前提条件に今季タックスの支払いをファティータ氏から許可されていた。だが昨年の中国系スポンサーの撤退によってリーグの収益が減少することが見込まれ、状況は一変。来季のサラリーキャップは、当初予定されていた1億1600万ドルから1億1300万ドルに、タックスラインは1億4100万ドルから1億3800万ドルへの引き下げが現時点では予想されている。ロケッツは来季2020-21シーズンのサラリー総額は約1億3854万ドルとされており、これでは来季のタックスラインを超えてしまう。チームが巨額のサラリーによって強力なロースターを維持するには、タックスラインを超過すればリーグへタックスを支払わなければならない。これはリーグの戦力均衡を目的としたルールであるが、オーナーによっては多額の税金の支払いを好まない者も存在する。

ローラーとして優秀なプレーヤーであるカペラ(右)[写真]=Getty Images


 ファティータ氏のタックス回避の要求によって、今回カペラがトレードの候補になっているかは不透明だ。だが『heavy.』は興味深いデータを公表している。カペラは過去数年間において、ロールマンとしてピックアップロールの攻撃から、リーグ8位に並ぶ平均4.4得点を64.4パーセントという確率で達成。しかし今季ラッセル・ウェストブルックの加入で2.4得点まで減少しているそうだ。そういった意味でも今季平均13.9得点13.8リバウンドを記録している彼を、アセット獲得に向けて放出し、同時に来季のタックスラインを下回るように取引成立を目論んでいるとすれば納得はいく。またカペラは25歳とまだ若く、スクリーナーとして貢献度の高い彼の獲得を、他球団は魅力的に捉えているかもしれない。

 今季終了後のマイク・ダントーニHC(ヘッドコーチ)の去就も噂されているだけに、ロケッツは何としてでも優勝に向けて補強を成功させたいことだろう。リーグを代表するカワイ・レナードポール・ジョージ(ともにロサンゼルス・クリッパーズ)、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)やヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)といったフォワード陣を抑えるには、守備力に優れた優秀なウイングが必要となる。ここまで強豪ロケッツを支えてきたカペラがトレードの対象にされることは非常に惜しいことかもしれないが、7日(同6日)のトレードデッドラインまでの彼らの動きに注目していきたい。

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