2020.02.08

復帰2戦目で17得点6リバウンドを挙げた八村塁「最初からアグレッシブに行きました」

復帰後、マブス戦で初勝利を飾った八村[写真]=Getty Images
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得意のプルアップジャンパーにダンク、フックショットと積極果敢に攻め立てる

 2月8日(現地時間7日、日付は以下同)。ワシントン・ウィザーズはホームのキャピタル・ワン・アリーナでダラス・マーベリックス戦に臨んだ。

 復帰2戦目となった八村塁は、試合序盤から抜群のシュートタッチを見せ、フィールドゴールを6本連続で成功させる好パフォーマンスでウィザーズをけん引。左コーナー付近からノーマークで長距離砲をリングへ突き刺すと、ファストブレイクではアイザック・ボンガのアシストから豪快なワンハンドダンクをたたき込む。第1クォーター残り約6分には、リング下からコーナーへ通そうとしたキックアウトパスをスティール。そのまま周囲の状況を見つつ、自らボールプッシュしてドライブでフィニッシュ。

 この日、マブスはルカ・ドンチッチを右足首捻挫のため欠いており、221センチのビッグマン、クリスタプス・ポルジンギスを中心にゲームを組み立てていたものの、強心臓のルーキーが第2クォーターに襲い掛かった。ポルジンギス相手にスイートスポットを見つけた八村は、プルアップジャンパーを放り込む。第2クォーターもスタートから出場した八村は、センターのポジションもこなしていた。

 八村は攻撃の手を緩めず、3ポイントラインからドリブルでペイントエリアに持ち込んでターンアラウンドジャンパー、ファストブレイクでトロイ・ブラウンJr.のパスを受け取るとリング下へと持ち込んで迷わずフックショットを鮮やかに決める。さらに、右45度付近からポルジンギス相手に1対1を仕掛けた八村は、ポルジンギスから3つ目のファウルを誘いだし、相手チームのエースをベンチへ追いやる好プレー。

 だが、マブスはコートニー・リーやセス・カリーらが効率よくショットを沈めていき、前半を終えて64-62と2点をリード。後半に入ってウィザーズは八村の3ポイントで逆転するも、両チームはリードチェンジを繰り返し、僅差の攻防が続いていく。八村は後半に入って3ポイントを決めた後は得点がストップ。それでも、パワーフォワードまたはセンターとしてコートに立ち、リバウンドやディフェンスで奮闘。試合は終盤まで勝敗の行方が分からない中、残り1.8秒で1点ビハインドのウィザーズがタイムアウト。

 逆転をかけた最後のチャンスに、ウィザーズはこの日もアウトサイドショットが当たっていたダービス・ベルターンスを囮に使うと、トップ・オブ・ザ・キーでモリッツ・ヴァグナーがブラッドリー・ビールへスクリーン。するとリング下へ入り込むビールへトロイ・ブラウンJr.のパスが通り、劇的なレイアップ。長身選手をコートに送り出し、残り0.2秒からティップインで逆転を狙うマブスのオフェンスをしのいだウィザーズが、119-118で接戦を制し、今季18勝目(32敗)を手にした。

ビールの逆転レイアップに歓喜するウィザーズの選手たち[写真]=Getty Images

劇的勝利のウィザーズ、次戦で八村と渡邊による“日本人対決”第2戦なるか?

 この試合でいずれもゲームハイとなる29得点8アシストを挙げたビールは「今日は粘り強く戦った。終盤、ショットがなかなか入らなかったけど、最後にコーチがすばらしいプレーを選択してくれたんだ。今日、一番簡単なショットだった。ベルターンスとモーのナイススクリーン、そしてトロイのナイスパス、最高のプレーだったね」と満足気。

 八村も復帰2戦目で17得点6リバウンド2スティールと活躍。日本語版公式ツイッターへ「最初からアグレッシブに行って、後半は落ちてしまったんですけど、ほかのチームメートたちがしっかりとフォローしてくれて、こういう形で勝てて良かったです」と口にし、復帰後初勝利を喜んでいた。約2か月間の戦線離脱から復帰し、ここまで活躍できていることにコーチ陣も驚いている中、八村はこう分析している。

「僕もこんなにバスケから離れて、戻ってきたことはないんですけど、家にいた時もずっとバスケの試合を一日中流してました。僕がどういうところでもっと活躍できるかな、というところを見てました。それが出てきてるんじゃないかなと思います」。

ポルジンギス(中央)とのマッチアップでも奮戦した八村(右)[写真]=Getty Images

 日本時間8日は八村にとって22歳の誕生日。現地では試合後、約2時間後に誕生日を迎えるのだが、特別な予定はあるのかと聞かれ「いや、別にないですね。今日も試合があって、(誕生日の)次の日も試合があるので、それに向けてしっかり準備していきたいなと思います」と受け流していた。

 ウィザーズの次戦は10日のメンフィス・グリズリーズ戦。グリズリーズは8日のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦に敗れたものの、渡邊雄太(2ウェイ契約)が11分48秒プレーし、鮮やかなボースハンドダンクを含む9得点に1リバウンド1アシスト1スティールをマーク。

 昨年12月15日に実現した八村と渡邊による“日本人対決”が、10日の試合ではもっと長く、そしてより激しさを増すことになるかもしれないだけに、楽しみに待ちたいところだ。

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