2020.04.01

カーメロがコービーから受けた実践テストやレブロンに命を救われたエピソードを語る

カーメロが盟友たちとの思い出を明かした[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 NBA中断期間中も、選手たちはエンターテイナーであることを忘れない。特にインスタライブは選手間でも人気コンテンツとなっており、ファンもコート上とは違う選手たちの様子やコメントへの返答を楽しんでいる。

 先週末、カーメロ・アンソニー(ポートランド・トレイルブレイザーズ)とドウェイン・ウェイド(元マイアミ・ヒートほか)がインスタライブで豪華共演。NBAドラフト2003の同期である2人は、16:9の縦画面を仲良く半分で分け合い、さまざまな話題に花を咲かせた。

知らぬ間に受けていたコービーの“テスト”

ナゲッツ時代に対戦した際、カーメロはコービーのテストを受けたという[写真]=Getty Images

 その中でも印象的だったのは、カーメロが話したコービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)からリスペクトを得るきっかけとなったストーリーだ。デンバー・ナゲッツ在籍当時、“メロ”はレイカーズの本拠地でコービーと相まみえた。しかし、「コート上で誰かに話しかけるのは簡単じゃない。だって、選手たちがどんなことを考えてそこにいるか分からないからね。もしかしたら口を聞いてくれるかもしれないけど、何も言ってくれない可能性もあるし、何なら握手さえ断られるかもしれないだろ?」と、意外にもシャイな一面を覗かせながら話しを切り出すと、こう続けた。「だけど、コービーはコートに出てきて俺に握手を求めてきたから、俺はそれに応じたんだ。でも、試合が始まると軽く挑発されて『4クォーターまでは泳がせてやるよ。4クォーターになったら俺が(ディフェンスに)ついてやる』みたいなことを言われたんだ」

 カーメロはなぜ最初の3クォーターでガードしにこないのかと、彼の一言に困惑したという。

「そして、試合は進み、いよいよ最終クォーターに突入する。彼はコールを受ける覚悟でファールをしに来たが、審判はコールしなかった。そしたら『言っただろ。気にするなよ。会場の人たちが何を見たいか、試そうじゃないか』って。その後も殴ったり、掴んでくるから、俺も激しくファールをしてやったよ。トラッシュトークしかしていなかったね」

 カーメロはさらに続ける。

「俺はブレイズ(髪型)をしてただろ。誰かがそのブレイズに触ることは最もリスペクトに欠ける行為だと思っていたんだ。……でも、コービーは俺のブレイズを下からはたいてきて、さらに『落ち着けよ、小僧』って俺をガキ扱いしたんだよ!」

 これを受けてウェイドは爆笑するが、カーメロは試合後の出来事で同エピソードのオチを披露する。

「試合後、彼が近づいてきて『お前は尊敬に値する』って言われたんだ。でも俺は『何言ってるんだ? 俺たちは君からリスペクトされるためにプレーしているのか?』って内心思っていた。でも、コービーから『違う。お前は屈しなかった。俺のテストにお前が耐えられるか見てみたかったんだ』と言われて、その時、彼は俺を認めてくれたんだ。これが俺の思い出。でも、俺はテストされているなんて知らなかった。何も知らずにテストに合格していたんだ」

 何ともコービーらしいストーリー。つい最近、イマン・シャンパート(現未所属)もコービーにけちょんけちょんにされたエピソードをラジオで話していたが、カーメロもそのような試練を与えられていたとなると、他にも大勢が彼らと似た経験をしているのかもしれない。

命の恩人、レブロンとの思い出

公私ともに仲が良いことで知られるカーメロとレブロン[写真]=Getty Images

 その他にも、カーメロは同インスタグラムライブでドラフト当時のことにも言及。同年、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)の次に指名されたのは、意外にもダルコ・ミリチッチ(元デトロイト・ピストンズほか)というセルビア人センターで、ウェイドはそもそも2人のことをあまり知らなかったため、なぜカーメロが1位指名ではないのかと疑問を抱いたという。ウェイドからミリチッチの名前が飛び出すと、カーメロは誰のことか瞬時に理解できず、「(もし俺がピストンズに加入していたら)2つ、いや、3つはチャンピオンリングを持ってただろうな」と皮肉った。

 また、カーメロにとって、レブロンは親友でもあり、命の恩人でもあるようだ。過去に海で溺れた話しをウェイドの妻から振られると、「あれは俺が悪かった。最後にもうちょっとバラクーダ(カマス属の魚)を見たくて、シュノーケリングをしようとしたんだけど、それが最後だった。俺はボートと反対側、海の真ん中に持っていかれてしまったんだ。その日は強風で、走馬灯がよぎったよ。本当だからな。それからボートに目をやると、レブロンがまるでマクガイバー(海外ドラマの主人公)のようにボートから海に飛び込んでいた。それで、あいつが俺を片手でボートまで連れ戻してくれたんだ」と、今では笑い話だが、過去に海で命を落としかけてレブロンに助けられたストーリーもシェア。そして、「レブロン、本当にありがとう。お前は俺の命を救ってくれた」と改めて心からの感謝を伝えている。

 トピック満載のインスタライブ。数日前にはウェイドもステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)の最大の強みについて持論を説いているので、そちらもあわせてチェックしてみてはいかがだろうか。

文=Meiji

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