2020.05.27

『ESPN』が選出したウェストの歴代ベストスターター/パシフィック・ディビジョン編

レイカーズから選ばれた4選手(左からカリーム、マジック、コービー、シャック)[写真]=Getty Images
バスケ情報専門サイト

 5月22日(現地時間21日、日付は以下同)。現地メディア『ESPN』は、ウェスタン・カンファレンスの計15チームにおける、フランチャイズ歴代ベストのスターター5選手を発表した。

 同メディアは、ライター陣へウェスト各チームのスターター5選手を聞き込み、そのフランチャイズに在籍していた期間における活躍度、インパクトを加味して選出している。

 ここでは、パシフィック・ディビジョンに所属する5チームの歴代最強スターター陣を紹介していきたい。
※カッコ内は所属期間、赤字は現役選手、G=ガード、F=フォワード、C=センター

<『ESPN』選出の歴代最強スターター陣
(ウェスタン・カンファレンス/パシフィック・ディビジョン編)>

■ゴールデンステイト・ウォリアーズ
G:ステフィン・カリー(2009~現在)
G:クレイ・トンプソン(2011~現在)
F:ケビン・デュラント(2016~19年)
F:ドレイモンド・グリーン(2012~現在)

C:ウィルト・チェンバレン(1959~65年)

3年連続でウェストを制した“ビッグ4”に伝説の巨人を加えた脅威の布陣

 デュラントが在籍していた昨季までの3シーズンに形成していた“ビッグ4”にチェンバレンという伝説の巨人を加えるのはアンフェアなことだろう。いったいこのチームがどれだけ支配的か想像できるだろうか? カリー、トンプソン、デュラントにグリーンは共に優勝を勝ち取っており、ペイントエリアにNBA史上最強と評されるビッグマンの1人が構えているのだから信じられない光景だろう。ディフェンスはすごいことになるし、オフェンスは別次元のものになる。

 ただ、殿堂入りしているリック・バリー、クリス・マリンをこのグループから外すのはタフだった。だがカリーとトンプソンはNBA史上ベストなシューティングバックコートで、デュラントもこの世代においてベストプレーヤーの1人。グリーンはディフェンスで激しさをもたらし、勝利に不可欠なつなぎ役をしてきた。それにこの4人は実際に3シーズンをプレーしている。このチームを止めるのは不可能だろう。絶対的な力を持っていると言えよう。

昨季までの3シーズンを共にプレーしたカルテット(左からトンプソン、グリーン、デュラント、カリー)[写真]=Getty Images

■ロサンゼルス・クリッパーズ
G:クリス・ポール(2011~17年)
F:カワイ・レナード(2019~現在)
F:ブレイク・グリフィン(2009~18年)

F:エルトン・ブランド(2001~08年)
C:ボブ・マッカドゥー(1972~76年)

レナードはフランチャイズ史上初のウェスト決勝へと導けるか?

 ポールとグリフィンは“ロブ・シティ”としてクリッパーズのバスケットボールを最もエキサイティングにさせた偉大なデュオ。ポールは6シーズン過ごしたクリッパーズでオールNBAファーストチームに3度、アシスト王に2度輝いた。グリフィンは新人王を受賞し、5度のオールスター選出に加えてリムの上で驚異的なパフォーマンスを見せてきた。

 ブランドは在籍した7シーズンでオールスター2度、オールNBAチームに1度仲間入りしている。殿堂入り選手のマッカドゥ―はこのフランチャイズでキャリアをスタートさせ、3シーズン連続の得点王、74-75シーズンにはMVPを獲得。

 レナードは昨夏加入して51試合しかプレーしていないものの、平均26.9得点7.3リバウンド5.0アシストと、すでにこのロースターに入れるに値する数字を残している。もし健康体のレナードがフランチャイズ史上初のカンファレンス・ファイナルへとクリッパーズを導くこととなれば、このセレクトが正しかったと実証されるはずだ。

ポール(右)とグリフィン(左)はクリッパーズが誇る超強力デュオ[写真]=Getty Images

■ロサンゼルス・レイカーズ
G:アービン“マジック”ジョンソン(1979~91、96年)
G:ジェリー・ウェスト(1960~74年)
G:コービー・ブライアント(1996~2016年)
F:カリーム・アブドゥル・ジャバー(1975~89年)
C:シャキール・オニール(1996~2004年)

5度の優勝へと導いた超豪華デュオ、3連覇を達成した超強力タッグが並ぶ

 5つのスポットのうち、4つは文句なしだろう。NBA通算アシスト数で歴代5位のマジック、通算得点で歴代1位のカリームは、レイカーズに5度の優勝をもたらした。通算得点で歴代4位のコービー、8位のシャックは3連覇を成し遂げたからだ。

 5つ目のスポットはやはり難しかった。エルジン・ベイラーはフランチャイズ史上ベストなスモールフォワードなのか? レブロン・ジェームズはNBA史上ベストなスモールフォワードなのではないか? マジック、カリームとプレーし、ファイナルMVPを獲得した経験を持つジェームズ・ウォージーは?

 最終的に、ウェストを入れることにした。ベイラーはチャンピオンリングを手にすることはなかった(優勝した71-72シーズン序盤に現役引退)。レブロンはレイカーとしてのキャリアが長くないからだ。ウォージーはおそらく4番でプレーすることになるが、すでにシャックとカリームがいるから除外した。NBAのロゴマークにもなっているウェストはフランチャイズにとってきわめて重要な存在であり、現役引退後もフロントとして活躍してきた。

“ミスター・クラッチ”の異名で恐れられたウェスト[写真]=Getty Images

■フェニックス・サンズ
G:スティーブ・ナッシュ(1996~98、2004~12年)
G:ケビン・ジョンソン(1988~98、2000年)
F:ウォルター・デイビス(1977~88年)
F:チャールズ・バークリー(1992~96年)
C:アマレ・スタッダマイヤー(2002~10年)

ナッシュとバークリー、2人のMVP受賞者は文句なし

 ショーン・マリオンは? ポール・ウェストファルは? アルヴァン・アダムズは? ラリー・ナンスは? ジェイソン・キッドはいないのか? フェニックスでプレーしてきたレジェンドたちによる堅実なスターター陣は彼らではないのだ。

 フランチャイズ史上、シーズンMVPを勝ち取ったナッシュとバークリーは文句なしだろう。もう1つのガードには、6シーズンの在籍で両ガードをこなしたウェストファルではなくジョンソンを選んだ。ジョンソンは約12シーズンのうち、3シーズン連続で平均20得点10アシスト以上を残し、オールNBAチームに5度選ばれている。

 デイビスとマリオンはなかなかタフだった。両選手ともオールNBAチームに複数回選ばれているが、サンズが誇る通算得点のリーダーのデイビスを選出。センターではオールNBAチームに4度入ったアマレの実績が光る。70年代中盤から13シーズンをサンズ一筋でプレーしたアダムズよりも、アマレの方が際立っていた。

1990年代に絶大な人気を誇ったバークリー[写真]=Getty Images

■サクラメント・キングス
G:オスカー・ロバートソン(1960~70年)
G:ネイト“タイニー”アーチボルド(1970~76年)
F:ペジャ・ストヤコビッチ(1998~2006年)
F:クリス・ウェバー(1998~2005年)
C:ジェリー・ルーカス(1963~69年)

殿堂入りした3選手によるバックコート陣の争いでリッチモンド落選

 ロバートソン、アーチボルド、ミッチ・リッチモンドという殿堂入り選手3人によるバックコートからは、元祖“シーズン平均トリプルダブル”を成し遂げたロバートソン、72-73シーズンにNBA史上唯一となる得点王とアシスト王を同時に達成したアーチボルドをセレクト。ルーカスは殿堂入りした選手で、シンシナティ・ロイヤルズに在籍した6シーズンで平均19.6得点19.1リバウンドを残したことから、センターのポジションに入れた。

 フォワード陣は98-99シーズンから加入し、00年代中盤にかけてプレーオフ常連チームの主軸を務めた2人とした。ストヤコビッチは今でも3ポイント成功数でトップを誇っており、ウェバーはキングス在籍時に平均23.5得点10.6リバウンド4.8アシスト1.5スティール1.5ブロックというすばらしい成績を残している。

キングスの大黒柱となり、プレーオフ常連チームへと引き上げたウェバー[写真]=Getty Images

BASKETBALLKING VIDEO