2020.05.30

ウォリアーズ指揮官が毎年1回ドレイモンド・グリーンをからかうために使う映像とは?

ウォリアーズのカーHC(右)とグリーン(左)[写真]=Getty Images
国内外のバスケ情報をお届け!

グリーンが大学時代に参戦したフットボールのスプリングゲームでやらかした珍プレーを「毎年1回見せている」とスティーブ・カーHC

 NBAには世界中から最高級の身体能力を持つアスリートたちが集結しており、バスケットボールだけでなく「他の競技をプレーしていてもスーパースターになれるのでは?」と思ってしまう選手もいる。

 その代表として浮かぶのはレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)だろう。206センチ113キロという立派な体格を持つレブロンは、上半身に筋肉という鎧を身にまとい、フィジカルコンタクトにめっぽう強く、35歳になった今でもコートを縦横無尽に駆け抜ける稀有なアスリートと言っていい。

 実際、レブロンは故郷オハイオ州アクロンにあるセント・ヴィンセント-セント・メアリー高校2年次までバスケットとフットボールを両立しており、ワイドレシーバーとして活躍。2年次にはオール・オハイオ・ファーストチームにも選ばれていた。

 ケガのため翌3年次からはバスケットに専念し、今ではNBA史上屈指のスーパースターとしての地位を確立したのだが、先日YouTubeへ公開された『UNINTERRUPTED』の映像の中で、レブロンはロックアウトによって開幕が2か月近く遅れた2011年に、バスケットボールからフットボールへ転向することを真剣に考えていたことを告白。

 ロサンゼルス・クリッパーズのドック・リバースHC(ヘッドコーチ)はそれを聞き、息子オースティン(ヒューストン・ロケッツ)のポッドキャスト番組「Go Off」内で「もしレブロンがフットボールをプレーしていれば、フットボール界史上最高の選手になっていたかもしれない」と口にしていたように、レブロンはアスリートとして歴史的な逸材と言えるだろう。

2011年にフットボールへ転向しようとしていたことを明かしたレブロン[写真]=Getty Images

 そんな中、ゴールデンステイト・ウォリアーズのスティーブ・カーHCが先日、クリス・ロングのポッドキャスト番組「Green Light」へ出演。これまでにウォリアーズで指揮官を務めてきた6シーズンの中で、NFL(フットボールのプロリーグ)でプレーできそうな選手として、チームのヴォーカルリーダーの名前を挙げていた。

ドレイモンド・グリーンと言っておこうか。あの身体つき、それに闘争心もあるし、ケンカもよくするからね」。

 198センチ104キロの体格で複数ポジションをガードするグリーンは、ウォリアーズが誇るディフェンシブアンカー。昨季まで5年連続でNBAファイナルへ進出し、3度の優勝を飾った中で重要な働きを見せてきた。

 肉弾戦も上等で、自身より10センチ以上も背が高いビッグマン相手でもポストディフェンスでほとんど押し負けることもないほど、強じんな肉体を誇るだけに、グリーンがフットボールをプレーしていても決しておかしくはない。

 実際、グリーンはミシガン・ステイト大学3年次に春季トレーニングの締めとして行われる紅白戦、スプリングゲームに参戦していた。映像を少し見てみても、他の選手たちの中に混ざっても体格の面では見劣りしているようには思えないのだが、カーHCはこう続けた。

「問題なのは、毎年、私たちはミシガン・ステイトのスプリングゲームでプレーしていたある映像を見せていることだね。彼はパスを取り損ねたりと、やらかしてるんだ。私たちは1シーズンに1度、彼をからかうためにフィルムセッションであれを(選手たちへ)見せているから、やっぱりドレイモンドとは言えないね」。

 感情の起伏が激しいグリーンがその映像をチームメートたちの前で見せられて、イラッとすることもあるかもしれない。ただもちろん、口論になったりパンチを繰り出すことのないよう、カーHCはうまくコントロールしているはずだ。

 ちなみに、グリーンはスプリングゲームについて、11年6月に『mlive.com』へこう振り返っている。

「見た目ほど簡単じゃないんだ。スクリメージでごった返すまで、自分が何をやっていたかは分かってたんだけどね。簡単なことじゃない。バスケットボールもそう。一見、簡単そうに見えるけど実際はそうじゃない、ってやつさ」。

 そして「俺は将来、バスケットボールの方が(フットボールよりも)少しうまくいく気がする」と話していたグリーン。ドラフト指名こそ2巡目全体35位だったものの、今では3度の優勝を勝ち取り、2017年には最優秀守備選手賞を獲得するほどの選手へと成長。

 スプリングゲームの映像は、グリーンにとって初心へと返らせてくれるものになっているのかもしれない。

フットボールネタでコーチからからかわれているというグリーン[写真]=Getty Images